NHKスペシャル「MEGAQUAKEⅡ 第1回 いま日本の地下で何が起きているのか」 書き起こし・ほぼ完全版

4月1日夜に放送されたものを文字おこししています。 東日本大震災のメカニズム・解析など
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冒頭のVTRです

とし @toshihiro36

<ナレーション> 地震計が捉える不気味な揺れ。いま日本の地下は、誰も経験したことのない未知の状況に突入しています。茨城県では毎日80回前後の地震が発生しています。 福島県の住宅地では、突然温泉が湧き出しました。1日30トン以上、温泉の成分であたりは茶色く変色してしまいました。

2012-04-01 21:41:59
とし @toshihiro36

<ナレーション> 福島県にある活火山・吾妻山では発光現象が頻発。地下から硫黄を含む火山ガスが噴き出し、燃えているのです。 いま日本で見られる数々の異変、どれもあの日を境に起きたことばかりです。去年3月11日、巨大地震が突如日本を襲いました。

2012-04-01 21:46:20
とし @toshihiro36

<ナレーション> 国内観測史上初のマグニチュード9.0。最新の科学は、東北の沖合いにこれほど巨大な地震の脅威が潜んでいたことを全く予見できていませんでした。 常に変動し続ける大地。地震の脅威と隣り合わせに生きていることを、私たちは改めて思い知らされました。

2012-04-01 21:50:56
とし @toshihiro36

<ナレーション> MEGAQUAKE・誰も予想できなかった巨大地震。しかし、人類は初めてその膨大なデータを手に入れました。いま英知を結集した新たな挑戦が始まっています。科学者たちは巨大地震の実像に迫ろうとしています。

2012-04-01 21:54:52
とし @toshihiro36

<ナレーション> 東北沖で1カ月前から起きていた異変。無数の地震が巨大地震の震源に向かっていました。地震が複雑な動きで巨大化していったメカニズムも明らかになってきました。そして3月11日を境に、各地で地震が激増。新たなタイプの地震も起きています。

2012-04-01 21:58:40
とし @toshihiro36

<ナレーション> 日本列島全体が変形し、力のバランスが大きく変わっているからです。 最新の研究から巨大地震の実像に迫る。MEGAQUAKE、シリーズ第1回は、いま日本の地下で何が起き、次の脅威はどこに潜んでいるのか見ていきます。

2012-04-01 22:04:52

ここから本編です

とし @toshihiro36

<ナレーション> 東日本大震災の後、初めて開かれた日本地震学会。全国から地震の研究者500人が集まりました。あの巨大地震をなぜ想定できなかったのか。これまでの研究を問い直す、異例の会となりました。

2012-04-01 22:09:23
とし @toshihiro36

学会の発言: 地震というのは複雑なんですけれども、いいかげんな概念の上にいいかげんな概念を積み重ねようということを今やってます。いろんなことを曖昧にせず、批判精神を持って議論しようということです。

2012-04-01 22:12:59
とし @toshihiro36

別の発言者: 我々がどこで間違えたかということが明確になっていなす。これからの数十年は、我々の知らない日本列島になる可能性がある。したがって、過去の経験に捉われてはいけないだろうと。

2012-04-01 22:16:15
とし @toshihiro36

<ナレーション> 世界の地震研究をリードしてきた日本の科学者たち。17年前の阪神・淡路大震災以降、地震の脅威がどこに潜んでいるのか総力を上げて調べてきました。その成果をもとに、国が今回の震災の前にまとめていた震源域の想定です。東海地震と東南海・南海地震はいずれもM8以上。

2012-04-01 22:23:27
とし @toshihiro36

<ナレーション> 東北と関東の沖合いには7つの震源域を想定。中でも宮城県沖地震は30年以内に99%の確率で起きると予想しました。「地震は基本的に、震源域ごとに別々に起きる」それが科学者たちの結論でした。しかし、巨大地震は6つの震源域を巻き込んで拡大。想定は完全に覆されたのです。

2012-04-01 22:31:05
とし @toshihiro36

<ナレーション> 最先端の研究は何を見逃していたのか。いま科学者たちは、あの日起きていたことを解き明かそうとしています。東北大学の松澤暢(とおる)さんです。東北沖の地震のメカニズムを30年にわたって研究。地震が起きる時期を予測し、数々の実績を上げてきました。

2012-04-01 22:35:49
とし @toshihiro36

<ナレーション>松澤さんが考えてきた地震発生のメカニズムです。東北の沖合いには太平洋プレートと呼ばれる海底の岩盤があります。太平洋プレートは陸側のプレートの下に年間およそ8センチ、一定の速さで沈み込んでいます。陸側のプレートが強く押され、地震のエネルギーとなるひずみが溜まります。

2012-04-01 22:41:04
とし @toshihiro36

<ナレーション> ひずみが限界に達すると、プレートがずれ動いて地震が起きます。 ただ実際には、ひずみの溜まり方はより複雑です。プレートの境目には所々強く密着している部分があります。ひずみはここを中心に溜まります。限界に達すると、ずれ動いて地震が発生します。

2012-04-01 22:45:51
とし @toshihiro36

<ナレーション> そして再び密着。このように繰り返し地震が起きる場所は、アスペリティーと呼ばれています。プレートの境目にある大小さまざまなアスペリティー。それぞれ異なるタイミングでずれ動き、地震を起こしています。同じアスペリティーは、毎回よく似た揺れを発生させます。

2012-04-01 22:50:21
とし @toshihiro36

<ナレーション> 松澤さんは過去100年間に記録された膨大な揺れの波形から、似たものを探しアスペリティーを見つけてきました。1985年、岩手県・釜石沖で観測された波形です。5年後、そして10年後にもよく似た波形が観測されていました。

2012-04-01 22:56:09
とし @toshihiro36

<ナレーション> こうして5年周期で地震を起こすアスペリティーが釜石沖にあることを突きとめたのです。松澤さんが震災前に見つけていたアスペリティーは1300か所あまり。アスペリティーごとに地震が起きる周期がわかれば、次の地震が予測できると考えてきました。

2012-04-01 23:00:23
とし @toshihiro36

松澤(震災前のインタビュー): 明日くるとか数時間後に起こるというような短期予測はまだまだ無理だと思うが、少なくとも数ヶ月とかせめて数年が危ないよと言えるレベルになりたいと思っているんです。

2012-04-01 23:07:13
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