NHK・クローズアップ現代「広がる放射能“独自基準”~食の安全は得られるか~」 書き起こし・ほぼ完全版 #nhk

4月10日に放送されたものを文字起こししています。 進行:国谷裕子アナ ゲスト:安斎育郎・立命館大学名誉教授
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とし @toshihiro36

組合員: ここまで(数字を)出している所はないと思うんですよね。こうやって数字が出てて、この数字を見て「このくらいだったら大丈夫かな」という判断材料としてはすごくいいと思います。

2012-04-10 22:32:41
とし @toshihiro36

<ナレーション> 一方で、これまで検出されなかったごく微量の放射性セシウムが、相次いで検出されるようになりました。ナメコから10ベクレル、ミカンから8ベクレル。これらの数字に組合員がどう反応するのか。新たな懸念が生まれています。

2012-04-10 22:36:22
とし @toshihiro36

石井明・副部長: 安心を売ることはできない。ただ安心の材料になるかもしれないとということを提供するのが我々の使命だと思ういます。放射能でいえばなるべくたくさんの検査をして、その情報は隠さずに全部オープンにするということだろうと思います。

2012-04-10 22:40:27

スタジオに戻ります

とし @toshihiro36

国谷: 今夜は放射線防護学がご専門の立命館大学名誉教授・安斎育郎さんにお越しいただいています。国が新しい基準、暫定基準値に比べて5分の1の新しい基準を実施し始めたばかりなんですけれども、次々とさらに低い独自基準が打ち出されている現状をどう見てらっしゃいますか?

2012-04-10 22:46:09
とし @toshihiro36

安斎:放射線防護学の立場から見れば、余分な放射線を浴びないにこしたことはないというのが原則的な考え方なので、より低くを目指して基準を下げ社会全体がそれに向けて努力するというのが好ましいことですね。

2012-04-10 22:50:16
とし @toshihiro36

安斎:その一方で我々こうやって生活していると、毎日の食事をすればその中に含まれている天然の放射性物質、例えばカリウム40というのがありますが、これを1日50ベクレルくらいずつ食べていて…我々の身体の中には3~4000ベクレルくらい今でも含まれているわけですね。

2012-04-10 22:54:58
とし @toshihiro36

安斎:そういうこと。あるいは病で病院に行くとレントゲン撮影で被曝をする。あるいは飛行機に乗って観光に行こうとすると宇宙船を浴びるとか、そういう放射線のさまざまなリスクに囲まれた日常生活を送っていることも確かなので…

2012-04-10 23:00:17
とし @toshihiro36

安斎:そういうリスクと比べて、原発由来の放射性セシウムのリスクがどういう性格のものなのかということをより深く理解する。そういうことも必要だと思いますね。

2012-04-10 23:02:42
とし @toshihiro36

国谷:新しい基準が出た中で、より厳しい基準が次々と独自に打ち出されることによって、国の基準に対する信頼が低下する恐れがありませんか?

2012-04-10 23:05:06
とし @toshihiro36

安斎:もともと昨年の事故以来の政府の対応の中に信が揺らぐような…つまり暫定規制値を決めたけれど、それが守られなかった例がいくつかあったりしたことから、政府が「安心、安全」と言っても人々が安心を得られなくなったと。

2012-04-10 23:15:07
とし @toshihiro36

安斎:安全というのはあるレベル以下であることを示す客観的な証拠のある状態ですが、安心というのはそれを信じられるかどうか。それはまことにやっかいなことに、安全と安心の間にギャップが生じたということですね。

2012-04-10 23:18:44
とし @toshihiro36

安斎:それと同時にあくまで被曝ゼロを求めることの意味合いも考える必要があると思うんですけれども。私は被災地・福島のお米を普及する取り組みもやっているんですけれども、産地で怖がらず実態で怖がるということが必要で、何が何でもゼロというものでもない。

2012-04-10 23:23:02
とし @toshihiro36

安斎:放射能リテラシーといいますけれども、どういうリスクならば我々が日常受けているリスクと同じように受け止めることができるのかどうか。そういう学習も求められているんだと思いますね。

2012-04-10 23:27:09
とし @toshihiro36

国谷:しかし絶対に低いものを求めたいという消費者の気持ちも理解はされていらっしゃる?

2012-04-10 23:30:29
とし @toshihiro36

安斎:それはそうです。そういう声があればこそより低くを目指して社会全体が努力をしていくということですから。それ自身は好ましいことだと思いますね。

2012-04-10 23:32:44
とし @toshihiro36

国谷:原発事故の影響が残る地域では、消費者の信頼を得ようと厳格な検査を行い、そしてその結果を表示すべきか否か模索が続いています。

2012-04-10 23:35:17

VTRが流れます

とし @toshihiro36

<ナレーション> 421人の農家が加盟する栃木県の開拓農協です。国の基準の変更に合わせて、先週新しい放射能の検出器を購入しました。農産物の放射能を独自に測り、結果を積極的に公表しようというのです。

2012-04-10 23:39:07
とし @toshihiro36

組合幹部:消費者が安心して買えるような方策を組合として対応する必要がある。基準値以内のものについてはきちんと公表して販売すると。

2012-04-10 23:42:23
とし @toshihiro36

<ナレーション> この農協が契約する農家の多くは、栃木県の北部に集中しています。原発事故の直後放射性物質に汚染され、ホウレンソウや春菊から国の基準を越える放射性セシウムが検出されました。農協と契約しているホウレンソウ農家です。

2012-04-10 23:46:08
とし @toshihiro36

<ナレーション> 去年7月以降、自治体の検査で国の基準を超える放射性物質は一度も検出されていませんが、売り上げは震災前の7割に落ち込んだままです。

2012-04-10 23:48:57
とし @toshihiro36

農家:まあ測る以外にないんでしょうね。測って数値を公表されることによって、信用を得ていく以外に方法がないんじゃないでしょうかね。

2012-04-10 23:50:57
とし @toshihiro36

<ナレーション> 消費者の信頼を回復するための農協の戦略です。これまで商品には産地だけを表示してきましたが、新たに独自に行う放射能検査の結果を表示しようというのです。国の新しい基準100ベクレルより低い数値を表示することで、消費者に安全性をアピールできると考えました。

2012-04-10 23:55:24
とし @toshihiro36

<ナレーション> この日、農協は北関東の中央卸売市場を訪ねました。市場の責任者に「今後、放射能の数値を商品に表示して出荷したい」と伝えました。

2012-04-10 23:58:42