山田正紀氏による、『ジョン・カーター』明治維新説

作家・山田正紀( @anaryusisu )氏が映画『ジョン・カーター』を分析し、この映画が「日本の維新を描いた映画」であることを喝破しました!
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山田正紀 @anaryusisu

「ジョン・カーター」、私はSF者でありながらこの原作を読んでない。だから、どうして並いるSF者がこの映画をそんなに絶賛するのかがわからない。ノスタルジーからか、それとも口絵を連想させるからなのか?そうではない。これは日本の映画だからなのだ、どういうことか。これからそれを説明しよう

2012-04-16 23:45:33
山田正紀 @anaryusisu

2「ジョン・カーター」留意していただきたいのはジョンが火星に行った年である。1868年と明記される。「明治維新」の年である。このことをもってしてジョンが行ったのがじつは火星ではなしに日本だったということが暗示されている。ここで描かれているのは実は火星ではなしに維新の日本なのである

2012-04-16 23:52:55
山田正紀 @anaryusisu

3「ジョン・カーター」、火星で対立する二大勢力とは何なのか。皇家と徳川家である。火星のプリンセスとは何であるかか? 公武合体のために心ならずも徳川家に嫁ぐことになった皇女和宮である。たぶんジョン・カーターは雇われ外国人として幕末日本を訪れて和宮の境遇にいたく同情したのにちがいない

2012-04-16 23:59:28
山田正紀 @anaryusisu

4「ジョン・カーター」作者は皇女和宮を救出することができたらなどというアホな夢想を描いたろう。これはその願望充足小説なのだ。映画の制作者はその夢想をよく理解している。それゆえに映画では悪役が「坊主」として描かれている。クリスチャンである作者には日本の坊主が悪魔のように思えたからだ

2012-04-17 00:06:11
山田正紀 @anaryusisu

5「ジョン・カーター」さて、それでは映画で描かれる四本腕の異生物は何であるのか? 最初は雇われ外国人である主人公に敵対し、つづいて味方になるこれは何なのか? どうかこの異生物が「四本腕」であることに留意していただきたい。言うまでもない。これは「薩長土肥」の四藩を象徴しているのだ。

2012-04-17 00:10:34
山田正紀 @anaryusisu

6「ジョン・カーター」つまりこれは薩長土肥が皇家に味方して徳川家を倒す物語なのだ。雇われ外国人であるジョンが和宮を徳川との婚姻寸前に助けるのははかない願望にすぎない、かなわぬ夢であればこそジョンはその直後に本国に連れ戻されるのだ。ではどうして彼の名はジョン・カーターとされたのか?

2012-04-17 00:15:42
山田正紀 @anaryusisu

7「ジョン・カーター」それは幕末の有名人の名前を思い出せば明らかになるだろう。当時、日本からアメリカに渡ったジョン万次郎の名は外国人の間でも広く知られていた。作者が、アメリカから日本に渡った主人公の名を「ジョン・カーター」としたのはその連想が働いたからにちがいないのだ。

2012-04-17 00:19:02
山田正紀 @anaryusisu

8「ジョン・カーター」どうもTLの反応を見ていていやな予感がしてきた。もちろんこれはすべて真っ赤な嘘ですからね。冗談ですよ。

2012-04-17 00:34:02
山田正紀 @anaryusisu

「ジョン・カーター」日本で評判がいいというのは一つには我々が創元文庫の「火星シリーズ」の武部画伯の口絵を見慣れているからである。まさにあの口絵、挿絵そのままの世界が再現されている。映画のバロウズが腺病質なのもよく考察が行き届いている。つまりオタク心を刺激する知的な映画なのである。

2012-04-17 01:14:34