ハートネットTV「シリーズ貧困拡大社会(2)孤立する生活保護受給者」書き起こし・ほぼ完全版

4月17日に放送されたものを文字起こししています。 進行:山田賢治アナ ゲスト:茂木健一郎(脳科学者) 湯浅誠(反貧困ネットワーク事務局長)
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とし @toshihiro36

岡部:非正規雇用でギリギリの生活をしてきた人たちが、雇用の場を失ってしまった。次に雇用の場を確保するには、なかなかその場を得られないと同時に…その方たちの状態、心身の状態っていうのも、非常に厳しい状態にあるということですね。

2012-04-18 13:48:20
とし @toshihiro36

岡部:だから心身のメンテナンスをしていかないと…まず働ける身体とか精神を作っていかないと(就労は)難しいので・・・

2012-04-18 13:50:25

スタジオに戻ります

とし @toshihiro36

山田:このVTRに出てきた、孤立感を深める南さんについて…茂木さん、どのように感じました?

2012-04-18 13:52:24
とし @toshihiro36

茂木:結局ね…生活保護を受けたら物質的には生きていけるんですけど、南さんが「今考えていることは、何とか生きていきたいということです」と言ってるのはどういう意味かというと、やっぱり一つのつながりですよね。人は誰かとつながっていないと生きている実感を得られないし。

2012-04-18 13:57:08
とし @toshihiro36

茂木:その一つのやり方が、仕事だと思うんですけども。とにかく誰かとつながって話して、自分の心をわかってもらったりとか。そういう気持ちって、切実なものなんだなって思いました。

2012-04-18 14:00:13
とし @toshihiro36

山田:人とのつながりを考える上で、こんなデータがあります。VTRにも出てきました板橋区と首都大学東京の岡部先生の調査なんですが、過去1カ月で友人と接触したかどうか聞いたところ、「接触していない」と答えた人のうち働いている生活保護受給者はおよそ4割。

2012-04-18 14:18:41
とし @toshihiro36

山田:一方で、働いていない受給者は6割という数字だったんですね。ですので仕事をしないと、なかなか社会とのつながりが難しいというデータだと思いますが、どうでしょう。

2012-04-18 14:23:23
とし @toshihiro36

湯浅:働いてない人の6割が友人とほとんど接触がない。それは働くことが社会性の窓みたいに…我々自身がそうですけどね。働くことを通じての社会の付き合いがほとんどなので。ただこのデータでもう一つ気になるのは、働いているけど接触がないという人が4割いるということですね。

2012-04-18 14:28:06
とし @toshihiro36

湯浅:これは清掃とか警備とか…一人職場ですね。警備なんかは工事現場で大勢の人がいるんだけど、自分自身は一人立って交通誘導している。働いてても他の人と接触する場がないというのは、先ほど南さんの話にもありましたが…そういう働き方が増えているのも同時に深刻なことであると思いますね。

2012-04-18 14:33:10
とし @toshihiro36

山田:批判を受けるかもしれませんが…いわゆる自己責任。だったら、もっと自分から働きかければいいのではないか。なかなか難しいのはわかりますが、そういう見方もあると思うんですけれども。

2012-04-18 14:35:58
とし @toshihiro36

湯浅:例えば「自己責任だから頑張れよ」と言って、本人がその気になっていくんだったらそれで解決すると思うんです。残念ながら、それでは解決していかないから今の現状がある。ということで考えると、「よし、俺は自分でやっていくんだ」と本人が思えるところまで、どういう風に支えていくか。

2012-04-18 14:43:10
とし @toshihiro36

茂木:自己責任という考え方はね、ひとつあると思うんですけど…僕はそれは無関心の表れだと思うんですよ。関心ないから勝手にやってくれよ、国が面倒みてるんだろっていう。そういう気持ちの表れのような気がして…僕は個人的には自己責任という言葉は使わないんですけども。

2012-04-18 14:49:15
とし @toshihiro36

茂木:もっと関心を持ってほしいと思います。というのは、いつ誰がそういう立場になるかわからないし、あとこれは社会全体の問題だということですね。特に若い人・働ける人がそういう機会を与えられてないということ。

2012-04-18 14:53:12
とし @toshihiro36

茂木:あるいは社会的スキルを向上させる機会を与えられてないということは、社会全体にとっての損失だと思うんですよね。そういう視点がぜひ必要なんじゃないかと思うんですけど。

2012-04-18 14:55:15
とし @toshihiro36

湯浅:要するに、その裏には「俺は関係ない」というのがおっしゃったようにあって、そういう意味では私は自己責任論というのは社会的無責任論だと。まあ同じ意味ですね。無関心の裏返しなんですよね。だけど、それで世の中が良くなってきたのかが私たちに突きつけられている問いで。

2012-04-18 15:00:02
とし @toshihiro36

湯浅:良くなってきてないから今(の状況)があると。じゃ、その反省の上に立って、何ができるかを考えようということが私たちが今立っている地点なんだと思ううですけどもね。

2012-04-18 15:03:23
とし @toshihiro36

山田:ここまで生活保護受給者がいかに孤立してきたかを見てきました。そうした状態が長引きますと、深刻な事態に陥るケースがあります。板橋区の現状を取材しました。

2012-04-18 15:06:03

VTRが流れます

とし @toshihiro36

<ナレーション> 板橋区の福祉事務所のケースワーカーです。生活保護の受給者の家を一軒一軒回っては、生活状況を確認したり、自立の相談に乗ったりしています。なかなか本人に会えず、電話をかけても連絡がとれません。

2012-04-18 15:55:26
とし @toshihiro36

<ナレーション> 最近は電気メーターを見ると、部屋の中にいる気配はあるものの、姿を見せないケースも多いといいます。本人と会えるまで何度も訪問したいところですが、一人で120世帯近くの受給者を担当していて時間的にも余裕はありません。

2012-04-18 15:58:40
とし @toshihiro36

ケースワーカー:(「なかなか会えないですね」に) そうですね。不在不在でこの辺でやっと会えたりとか。さっき回った人とかも、結構行ってるんですけど不在だったり。

2012-04-18 16:01:28
とし @toshihiro36

<ナレーション> 板橋区で2年半にわたって生活保護を受給してきた男性です。この数カ月、部屋に閉じこもりがちな生活を送っているといいます。以前は就職活動にも精を出し、30以上の会社に応募しましたが採用には至りませんでした。

2012-04-18 16:04:57
とし @toshihiro36

男性:専用の(求職)サイトなんですけど、やっぱり製造系なんだなあ・・・。 なんで(仕事が)決まらないのかな。決めて、安心して生活したいのになって。

2012-04-18 16:07:47