2010年6月13日 寺脇研先生のつぶやき テーマは「地域医療」

地域医療の崩壊過程をまさに現場で見てこられた寺脇研先生の呟き。その後、議論は受験を含めた教育制度全体へと広がって行きます。非常に興味深いお話、ありがとうございました。
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寺脇研 @ken_terawaki

渋谷TOEI①「孤高のメス」格調高い秀作。日本映画の面目ここにあり。静かで落ち着いた描写の中に深い人間洞察が込められている。

2010-06-12 22:38:37
寺脇研 @ken_terawaki

父が医師、親戚も医師ばかりで医者になるのが当然との環境にも関わらず拒否した私が医者になるのもよかったのかと思ってしまうのはこんな映画を観たとき。その「孤高のメス」に観客が入っていないという現実。

2010-06-13 00:19:15
寺脇研 @ken_terawaki

藤本幸久監督の8時間超ドキュメンタリー「アメリカ 戦争をする国の人々」のイベントで藤本監督とトーク。下北沢トリウッドで7月9日まで上映されるこの映画は普天間問題を考える意味でも必見。いや、戦争を考える意味でも。アメリカが解っているつもりの人に見せたいね。

2010-06-13 00:27:29
Nao_Pooh🍯 @Nao_Pooh

@tibi_rinco @ken_terawaki @broccolimustdie 先日Astudioの堤さんを見て、ますます彼に惚れた♡玉三郎さんが認めた芝居心、改めて拝見いたしたく。孤高のメス、見逃さないようにしなきゃo(^▽^)o

2010-06-12 23:04:02
寺脇研 @ken_terawaki

堤真一がいい。「三丁目の夕日」なんかメじゃない。 RT @Nao_Pooh: 先日Astudioの堤さんを見て、ますます彼に惚れた玉三郎さんが認めた芝居心、改めて拝見いたしたく。

2010-06-13 00:44:07
寺脇研 @ken_terawaki

ドキュメンタリー映画評価バブルと言いたくなるほど過大評価が横行する中、藤本幸久監督はホンモノのドキュメンタリー作家。その作品を是非観てほしい。

2010-06-13 00:47:40
寺脇研 @ken_terawaki

昨日は三重テレビで野呂知事や医師の内田三重大学学長と地域医療の議論、今日は「孤高のメス」。14年前文部省医学教育課長として取り組んだ地域医療問題への情熱が蘇る。この問題に関心ある方、議論しましょう。

2010-06-13 01:04:04
田中やすひさ @Yasuhisatanaka

@ken_terawaki 新臨床研修制度はどのように評価されてますか?

2010-06-13 01:19:15
寺脇研 @ken_terawaki

@Yasuhisatanaka あれは、私が医学教育課長のときに検討していた案件。極めて専門的なので専門家の方々に議論してもらう結果を尊重すべきと思っていました。実際に動き始めて、状況はどうなのでしょう。研修医に多様な経験をしてもらえるならいいと思っていたのですが。

2010-06-13 04:15:04
田中やすひさ @Yasuhisatanaka

@ken_terawaki  ありがとうございます。研修医の経験というのは、良い指導医がいて、相当数の患者を診れるという病院に研修医が集まることと裏返しでは。文部省としては地域で医師を目指せる人を経済的条件如何に関わらず増やしていく施策を考えるべきなのではないでしょうか。

2010-06-13 08:42:42
寺脇研 @ken_terawaki

その通り。受験テクのみで医学部に入り都市部での勤務しか望まない入学者ばかりではダメ。RT @Yasuhisatanaka @ken_terawaki  文部省としては地域で医師を目指せる人を経済的条件如何に関わらず増やしていく施策を考えるべきなのではないでしょうか。

2010-06-13 12:34:05
寺脇研 @ken_terawaki

その意味で、国立大学は地域入学枠を設けるなどの地域医療に従事する可能性の高い入学者を集める制度を設けるべき、と医学教育課長をしていた96年に提案した。当時から、過疎地域での医師不足は極めて深刻なのを認識していたから。

2010-06-13 12:36:36
寺脇研 @ken_terawaki

その一方で、当時、東大や東京医科歯科大などでは有名私立出身の学生が国家試験に合格しても医師になることさえしようともせず、人の生死に関わることなく超高給が得られる特別な塾教師や家庭教師業に進む例が少なくなかった。

2010-06-13 12:39:23
寺脇研 @ken_terawaki

多大な税金を使い国民のための医師養成という役割を持つ国立大医学部が、個人の幸福実現(それも経済的、ね)に使われ、田中角栄の「無医大県解消計画」で地方国立医学部を整備したにもかかわらず過疎地域での医師不足が解消されるどころか深刻化していた。

2010-06-13 12:42:01
藤井誠二 @seijifujii1965

なるほど。RT @ken_terawaki: 多大な税金を使い国民のための医師養成という役割を持つ国立大医学部が、個人の幸福実現(それも経済的、ね)に使われ、田中角栄の「無医大県解消計画」で地方国立医学部を整備したにもかかわらず過疎地域での医師不足が解消されるどころか深刻化してい

2010-06-13 13:15:21
寺脇研 @ken_terawaki

たとえば青森県の弘前大学医学部の入学者のうち青森県の高校卒業者は2割弱。残りは首都圏や関西の進学校からの流れ込み。これでは、いつまでたっても青森県の医師不足は解決できない。青森県の高校卒業者に特別入学枠を設けるのが、「無医大県解消計画」の趣旨にも合っていると思った。

2010-06-13 12:44:34
寺脇研 @ken_terawaki

しかし第一にネックとなったのは、国立大学は広く国民に開かれるべきであって地域枠を設けるのは制度上許されない、とする強固な思い込み。

2010-06-13 12:45:32
寺脇研 @ken_terawaki

この思い込みに対しては、うまいことに96年の中央教育審議会答申で国立大学改革のために必要な場合は特別枠を設けても構わないとの見解が出た。

2010-06-13 12:47:19
寺脇研 @ken_terawaki

そこで、全国の国立医学部に、地域枠や学力入試成績だけでなく面接等により医師になる気構えを問うて入学者選抜することを提案した。大学には自治権があり、文部省といえども命令はできないので、あくまで「お願い」。

2010-06-13 12:52:31
寺脇研 @ken_terawaki

「お願い」だから、学長や学部長を説得するしかない。事ある毎に説いてまわった。対面で訴えていくのが私の行政手法。医学教育課長在任は1年3ヶ月の短期間だったが、全国を回った。

2010-06-13 13:24:21
寺脇研 @ken_terawaki

たしか、滋賀医大が全国初の地域枠を設けてくれたし、群馬大は医学部出身の学長が先頭に立って2次試験で1泊2日の面接を行ったり社会人入学枠を設けるなど、私の呼びかけに応えてくれた。

2010-06-13 13:26:07
寺脇研 @ken_terawaki

しかし、その動きはごく一部に終わってしまった。最大のネックは、地域枠や社会人枠を設けると入学者の学力水準が下がる、との教授たちの心理。これは、いつの世も変わりませんね。「学力低下」が心配だ、と。

2010-06-13 13:28:22
寺脇研 @ken_terawaki

でも、最高峰の難関である国立医学部が少しぐらい枠を設けても、そうひどく「学力低下」するわけがない。たしかに最先端医療研究をするにはある種の高学力が必要だろうが、地域医療に打ち込むのに、センター試験の成績がそれほど関係するだろうか。

2010-06-13 13:30:17
寺脇研 @ken_terawaki

結局、私の訴えは、たいした効果を生めなかった。残念だ。その後、ご存じのように「医師供給過剰」と判断した厚生省の方針で政府は医学部入学定員の削減を行う。地域医療指向の施策をとらずに削減したら、過疎地域の医師不足が加速するのは自明のことなのに。

2010-06-13 13:33:22
寺脇研 @ken_terawaki

結局、歴史が証明する。過疎地域医師不足は患者の生命を失う状態にまでなり、政府は07 年「緊急医師確保対策」で方針を180度転換。96年から12年たった08年、入学定員増と地域枠設定へ動く。遅きに失したけど、いい判断だと思う。

2010-06-13 13:37:28