NHK・クローズアップ現代「首都直下 震度7の衝撃~どう命を守るか~」書き起こし・ほぼ完全版 #nhk

4月19日に放送されたものを文字起こししています。 進行:国谷裕子アナ ゲスト:中村一樹(明治大学特任教授)
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とし @toshihiro36

<ナレーション> 建築基準法で柱と土台の具体的な固定方法が定められたのは平成12年。それまでは評者の判断に委ねられていました。震度6強の揺れで古い家だけでなく、比較的新しい住宅も倒壊する恐れがあるのです。

2012-04-19 21:19:09
とし @toshihiro36

<ナレーション> その結果、死者は5400人、負傷者は12万6000人に上ると予測されました。こうした建物の倒壊は火災を引き起こし、さらに犠牲者を大幅に増やします。火災による死者は4100人、焼失する建物は19万棟に上ります。

2012-04-19 21:23:42
とし @toshihiro36

<ナレーション> 特に被害が大きいのは、都心を囲むように広がる木造住宅の密集地域です。被害はどのようにして広がるのか。東京工業大学の大佛俊泰教授は実際の町をモデルにシュミレーションを行いました。震度6強の揺れで住宅が相次いで全壊。黒い点で示され、火災が起きると赤くなります。

2012-04-19 21:30:10
とし @toshihiro36

<ナレーション> 茶色は瓦礫で塞がれた道路です。3か所で起きた火災はみるみるうちに燃え広がり、12時間後に街を焼き尽くします。このとき人々はどんな状況に置かれるのか。画面上の青い丸は避難する人を示しています。瓦礫や炎で避難する道を絶たれてしまうと、オレンジ色に変わります。

2012-04-19 21:35:37
とし @toshihiro36

<ナレーション> 地震発生直後、全壊した自宅から出られず火災から逃げ遅れる人が相次ぎます。さらに火災が拡大すると新たな危機が迫ります。避難しようとするものの、瓦礫と炎に行く手を阻まれてしまうのです。避難路を絶たれてしまう人も現れます。

2012-04-19 21:40:35
とし @toshihiro36

<ナレーション> 地震発生からわずか半日、木造住宅の密集地では多くの犠牲者が出るという結果になりました。

2012-04-19 21:42:19
とし @toshihiro36

大佛:非常に大きなリスクに我々は直面しているんだと。そういう事実をきちんと受けとめて、待ったなしで対策を考えなくてはいけない。そういう時期にきてるんだと思います。

2012-04-19 21:45:52

スタジオに戻ります

とし @toshihiro36

国谷:今夜は今回の被害想定の策定に関わってこられました明治大学教授・中林一樹さんにお越しいただきました。なんとも恐ろしい被害想定ですけれども。起きうる被害のスケール、どういう言葉で表現されますか?

2012-04-19 21:49:55
とし @toshihiro36

中林:首都直下の地震ということですけれども、その震度6弱・6強…今回震度7がでたわけですが、このエリアに被害が集中します。その被害が集中するエリアにいる人は2500万人、日本の国民の5分の1なんですね。阪神大震災は被災地に350万人でした。

2012-04-19 21:55:02
とし @toshihiro36

中林:被災地に1人とすれば残りの人は40人。首都圏の場合には被災地に1人、残りは4人ということになります。そういうスケールなんですね。

2012-04-19 21:58:32
とし @toshihiro36

国谷:そして発生直後多くの建物が倒壊して5000人を超える方々が犠牲になるという想定ですけれども。やはり建物の脆弱性というのは大きな被害をもたらすんですね。

2012-04-19 22:01:22
とし @toshihiro36

中林:日本の建物は建築基準法に従って作られているんですけれども、1981年以前の建物は緩い設計基準で作られていますので非常に壊れやすい。今回地震の揺れが強くなりました。でも建物が揺れによって壊れる量は変わらなかったんですね。

2012-04-19 22:04:37
とし @toshihiro36

中林:それは実は東京の建物が、かなりのスピードで建て替わっているんです。ですから古い建物が減って、新しい建物が増えています。つまり古い建物も耐震改修とか補強をすれば、かなり安全になってくる。少なくとも壊れても命を奪わないで済むような強さにみんながすれば、被害はどんどん減っていく。

2012-04-19 22:11:02
とし @toshihiro36

国谷:それは自分で行わなければいけないということになるわけですね?

2012-04-19 22:12:20
とし @toshihiro36

中林:我が家ということは私の財産ですので、私が財産をどう守るか。ただ家が壊れるというのは個人の問題だけでなく、町全体の問題でもありますから、行政的な支援という制度がいろいろ講じられています。

2012-04-19 22:16:03
とし @toshihiro36

国谷:そして家の中の安全性も大事ですね。

2012-04-19 22:17:21
とし @toshihiro36

中林:そうですね、家が揺れるということと壊れるということは別なんですね。安全ないえというのは揺れないかというと、そうではなくて揺れますから…家の中でグチャグチャにならないように家具の固定、これは新しい家でも確実にやらなくちゃいけないんです。

2012-04-19 22:21:07
とし @toshihiro36

国谷:自分が逃げようとしても家具に阻まれて出られなくなるということをなくさないといけない。とにかく一つ一つ積み上げて被害を少なくしていくということが大事ですけれども。この火災に対してどういう心構えでいたほうがいいんでしょうか?

2012-04-19 22:24:55
とし @toshihiro36

中林:地震時の火災の特徴は同時多発火災ということで、ほうぼうで一斉に火災が発生するんですね。どこでどういう火災が起きたか…これは消防署が察知しないと消防車の出動ができません。どうしても消防の出動が遅れます。地震の時の火災は、現場にいる人が初期消火をする。これが最大の原則です。

2012-04-19 22:30:09
とし @toshihiro36

国谷:すぐに(消防が)来てくれると思ってはいけないと。

2012-04-19 22:32:25
とし @toshihiro36

中林:ええ、119番がだいたい届きません。だから地域の人が「火事だ!」と大きな声で…みんなが力を合わせて火を消す。この初期消火が最大の火災対策なんです。

2012-04-19 22:34:51