森岡周先生の、自分の幹となる哲学についてのツイートまとめ

studious_kickさんが尋ねたものです。
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森岡 周 (Shu Morioka) @畿央大学(Kio Univ.) @ShuMorioka

科学の背景に哲学あり、心理学あり、そういうのは頭頂葉の酒田先生のいろんな書き物をみてもそう思う。

2012-04-20 07:23:12
森岡 周 (Shu Morioka) @畿央大学(Kio Univ.) @ShuMorioka

先日の研究者河島先生とも歩行の制御や痛み、USNなどを科学的思考で意見交換するだけでなく、メルロポンティの共通項の哲学的思考を互いに垣間見ることが大切だった。彼はPTならメルロポンティの知覚の現象学を読めとまで言った。

2012-04-20 07:25:29
森岡 周 (Shu Morioka) @畿央大学(Kio Univ.) @ShuMorioka

データばっかりとっていろんな科学雑誌に出す前に自分の幹をぶらさないゆらぎない哲学をもたないとだめなんです。僕はそう思います。

2012-04-20 07:26:41
森岡 周 (Shu Morioka) @畿央大学(Kio Univ.) @ShuMorioka

学問の骨格はとても大切。世に研究していている人は多いけど、学者と呼べる人はどれだけいるんだろうか。 現場のPT、OTが学者になれとはいわない(本末転倒)が、PTを学問としている人は学者としての幹が大切。

2012-04-20 10:14:12
Yutaka Kikuchi @studious_kick

@ShuMorioka 先生の仰られるように最初に幹や哲学を持てるのが理想と思いますが、臨床してデータとって発表してまた臨床やって、というサイクルの中で構築されていくもののような気がしますがいかがでしょうか?中々最初から確固たるphilosophyは持ちにくいように思いました。

2012-04-21 23:46:02
森岡 周 (Shu Morioka) @畿央大学(Kio Univ.) @ShuMorioka

@studious_kick その通りですね。最初からはないですね。出会い、そして体験を通じて、自分の骨格ができあがってくるものだと思います。僕の臨床や研究面でも一番最初にやっていた代謝器のときや、そのあとのバイオメカのときはありませんでした。

2012-04-22 21:58:33
森岡 周 (Shu Morioka) @畿央大学(Kio Univ.) @ShuMorioka

@studious_kick 僕は20代の時、フラミンゴの姿勢バランスを動物園で毎週のように観察したとき、筋力でもない還元的な感覚でもない。そうか、環境適応なくして動物(その種)にあらずという意見に達したことが今の自分自身を導いているのかもしれません。

2012-04-22 22:02:11
森岡 周 (Shu Morioka) @畿央大学(Kio Univ.) @ShuMorioka

@studious_kick あとはメルロポンティの身体性の考え方でしょうか。たとえば、自己身体の統一性は、知覚を通じて認識されるのではなく、行動において生きられるものである、という視点でしょうか。脳を研究していますが、身体こそが生物の起源であると思っています。

2012-04-22 22:04:22
森岡 周 (Shu Morioka) @畿央大学(Kio Univ.) @ShuMorioka

@studious_kick だから狭義のBMIなんかに対しても懐疑的な考えももっています。一方、哲学ではないですが、自分を支えているのはギブソンの根本的な考え方でしょうか。動くために知覚しなければならないと同時にまた、知覚するために動か なければならない、というやつです。

2012-04-22 22:06:21
Atsushi Hasegawa @tony_pt

その要素は何だったのですか? @ShuMorioka 環境適応なくして動物(その種)にあらずという意見に達した@studious_kick

2012-04-22 22:11:22
森岡 周 (Shu Morioka) @畿央大学(Kio Univ.) @ShuMorioka

@tony_pt @studious_kick それまでバイオメカニクスで姿勢制御、筋生理学で筋肥大の方法論を研究していた自分にとって、フラミンゴの筋の細さ、そして寝てすごしながらもバランスをとっている姿に、動物は環境に適応しながら進化を遂げてきたんだな、と。

2012-04-22 22:14:31
森岡 周 (Shu Morioka) @畿央大学(Kio Univ.) @ShuMorioka

@tony_pt @studious_kick 鳥の小脳は機能でいうとヒト以上という見解もあり。後にフラミンゴからバレリーナの姿勢バランスの研究を始め彼女達の床を感じるという言葉に驚きトレーニングによる感受性の向上すなわち脳の体部位再現が経験によって異なるというのに行き着きました

2012-04-22 22:17:49
森岡 周 (Shu Morioka) @畿央大学(Kio Univ.) @ShuMorioka

@tony_pt 実は重心動揺計ではからせて!って動物園に嘆願しました。結局最終的に所属している施設の方の反対でできなかったんですけどね。バランス研究しているものにとってフラミンゴはとても魅力的だったんです。僕は鳥は環境適応による長年培ってきた進化過程による能力だと思っています。

2012-04-22 22:23:48
森岡 周 (Shu Morioka) @畿央大学(Kio Univ.) @ShuMorioka

@tony_pt バレリーナの脚はきれいですからね=下腿三頭筋ふと〜っていうものはプリマにはなれません、笑。その辺の意識もとても大切なんでしょうね。余計な筋出力は起こさない経験がそうさせるのだと思います。田舎者の私の電車立位はまさにそれでした。小脳を中心とした学習機能ですね。

2012-04-22 22:26:08
Atsushi Hasegawa @tony_pt

フラミンゴの体幹って球の様に丸いなあ。その中央に脚がついてるからバランスを取りやすいのかも。おまけに頚は長くS字状に曲がって、頭が足のほぼ真上にきてる。やじろべいの原理なのか。

2012-04-22 23:26:55
森岡 周 (Shu Morioka) @畿央大学(Kio Univ.) @ShuMorioka

@tony_pt 物質でないのに、びくともしないあの片脚立ちです。どのような揺らぎの質なのかをみたかったのです。揺れの大きさでなく、揺れの質というか、周波数のようなものを。

2012-04-22 22:31:25
Yutaka Kikuchi @studious_kick

@ShuMorioka 生意気な事を言ってすいませんでした。先生のインタビューが掲載されたPTあ!を拝見して、先生がどのようにして今の哲学に至ったのか、に興味があって、お伺いいたしました。経験を通して形成されていくものなんですね。

2012-04-22 22:34:12
Yutaka Kikuchi @studious_kick

@ShuMorioka ルリアのロマン派科学から影響を受けたとあったので、てっきりルリアや師匠のヴィゴツキーにあると思っていたのですが、メルロ・ポンティが先生のバックグラウンドなんですね。ソフトよりも先にハードがある、ということでしょうか。

2012-04-22 22:38:02
森岡 周 (Shu Morioka) @畿央大学(Kio Univ.) @ShuMorioka

@studious_kick 医療者としての姿勢、そして本当の意味での脳研究者としてインスパイアしてるのはルリアですよ。そして教育研究者としてインスパイアしているのはヴィゴツキーです。けれども、臨床的哲学、あるいは研究の方向性の根本にあるのはメルロポンティです。

2012-04-22 22:40:36
Yutaka Kikuchi @studious_kick

@ShuMorioka 最近になってですが、実証主義が中心になっている今だからこそ、ロマン主義科学のありのままを記述していき(中々難しいことですが)、そこから法則を見出していくという視点が、リハビリテーションに必要なのでは?と考え始めています。

2012-04-22 22:42:22
森岡 周 (Shu Morioka) @畿央大学(Kio Univ.) @ShuMorioka

僕もそう思います。ただなかなかブレークスルーにはなりませんRT@studious_kick 最近になってですが実証主義が中心になっている今だからこそロマン主義科学のありのままを記述していきそこから法則を見出していくという視点がリハビリテーションに必要なのでは?と考え始めています。

2012-04-22 22:48:32
Yutaka Kikuchi @studious_kick

@ShuMorioka 先生がメルロ・ポンティに行き着いたのは、フラミンゴの観察からですか?

2012-04-22 22:52:17
森岡 周 (Shu Morioka) @畿央大学(Kio Univ.) @ShuMorioka

いや違います。フランス留学中に、彼の墓地を訪れ、純白のあまりにも美しい墓石のフォルムにノックアウトされた瞬間です。だから学問というよりも自己の体験、現象です。まさに身体を介した知覚の現象学です。@studious_kick 先生がメルロ・ポンティに行き着いたのは、〜

2012-04-22 22:56:02
Yutaka Kikuchi @studious_kick

@ShuMorioka なるほど、そうだったんですね。そういう体験の一つ一つが先生の哲学の幹となっていったんですね。懇親会とかじゃないと中々聞けないお話をお伺いできて、大変勉強になりました。ありがとうございました。

2012-04-22 23:01:39