再販制度の詳細で異常な日常。

「えっ」とコメントしただけで、そこから日本の再販制度、書店、取次などの貴重な情報が続々リプライ。しかも個人宛てで! 僕はバカなので50%くらいしか理解できてない。 が、これを共有しないのは罪だと思ったのでまとめてみた。 さらに僕の理解を即して頂けたら、まとめた甲斐があります。
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後日、さらに補足を頂きました。

村上 聖治 @celiwengler

@worldlab おはようございます。先日の「常備」について、少し補足を。「常備」は正確には「常備寄託」と言い、出版社からの「出先在庫」で、書店(または取次に)「貸し付ける」ものです。書店は、売れた時点で、同じ商品を仕入れ。これは、補充品として通常の売買です。(続く)

2012-05-04 08:25:14
村上 聖治 @celiwengler

@worldlab (続き)初めの「常備」として出版社が貸した商品群は、普通、一年後に「精算期」を迎え、全額支払いor全部返品(新しい常備の仕入れ)となります。後者の場合、商品を動かすのが「面倒だ」との観点から、動かさずに伝票だけ「返品」「納品」をして帳尻合わせの場合も。(続く)

2012-05-04 08:30:28
村上 聖治 @celiwengler

@worldlab (続き)形は兎も角、常備は早い話が一年先先延ばし請求・支払いですので、超大型書店が増えると、出版社には大きな負担となり、常備での出品を嫌がる場合が出てきます。ここを、取次が「延勘定」や「長期委託」等で埋めます。「延勘定」は本来買切り、「長託」は返品可。(続く)

2012-05-04 08:35:01
村上 聖治 @celiwengler

@worldlab 出版社が出さない常備を、取次が「延勘定」等で埋める訳ですが、この延勘定、やはり一年先請求位ですが、これを一年後の精算期に「洗い替え」して、精算期を、更に一年先に延ばしたりするにです。今度は出版社に替わって取次の負担が大変ですが、超大型書店競争の中、(続く)

2012-05-04 08:38:58
村上 聖治 @celiwengler

@worldlab (続き)取次として、「対応しない」選択肢はありません。じゃあ、その取次の資金状況の圧迫は何で埋められるのか。超大型ではない書店各位からの集金、大きくない出版社への支払いを滞らせる、従業員の賃金を抑制するーなどです。 取次は、超大型書店が増えれば増える程(続く)

2012-05-04 08:42:55
村上 聖治 @celiwengler

@worldlab (続き)売上規模は大きくなりますが、書店への掛け率(正味)下げで利益率が下がり、集金出来ない売上で資金状況が圧迫されるというジレンマに陥って行きます。取引書店の構成比、「在庫不要の雑誌」と書籍の扱い比等で、取次の経営状況は大きく変わります。(続く)

2012-05-04 08:48:07
村上 聖治 @celiwengler

@worldlab 再販制度と委託制度の下で、集金と配本権限を握り、取次は、出版界の権力として君臨してきた訳ですが、ここに来て、「集金出来ない売上」「正味下げ競争」「超大型書店への優先配本」等で、その権力の基盤が揺らいでいます。(続く)

2012-05-04 08:51:59
村上 聖治 @celiwengler

@worldlab (続き)さて、再販制度での定価販売が、実質的に崩れていること、最終消費者と、小零細の版元・書店にとっては良いことがないこと(食われるだけ)を前にも記しましたが、これに非再販の電子書籍が加わり、実態的にも再販制度は青息吐息の状況です。(続く)

2012-05-04 08:55:13
村上 聖治 @celiwengler

@worldlab 超大型書店は、商品選択では便利ではありますが、品数が豊富過ぎて「選べない」悩みも一方ではあります。そこで、個性豊かな書店が求められるのですが、この立地は、独自の仕入れ能力と「値付け権限」の獲得が基盤に必要です。この為には再販制度と取次の、換骨奪胎が必要です。

2012-05-04 09:00:00
村上 聖治 @celiwengler

@worldlab 長々とお付き合い戴きありがとうございました。小生、30数年、業界内部に居て、数少ない「再販制度否定論者」の変人、「自己否定」業界人でした。自分のおマンマのタネを否定していたんですから。時期を見て、もう少し丁寧に、問題・課題を纏めてみようとは思っています。多謝。

2012-05-04 09:02:45