広島教採塾さん「マンネリ過ぎて効果が無くなってきた言葉たち」のツイート。

レトリカ教採学院（教採塾）河野正夫 @kyousaijuku

今日のツイ―トを始めますね（微笑）。今日は、「マンネリ過ぎて効果が無くなってきた言葉たち」と題してツイートします。前にも書いたように、教採受験者のプロフィールは似ていることが多いので、面接で使う言葉も似通っています。また、マスコミや広告の影響で言説的流行語を安易に用いがちです。

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少しくらい想いが籠っていても、あまりにマンネリな言葉では面接官の心を動かすことはできません。また、世間でもてはやされている言葉をそのまま使っても、あなた自身の言葉とはみなされず、相手の心をつかむことはまず無理です。教採においてもそんなマンネリな言葉がいくつかあります。

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面接と場と仕組みを考えてみると、マンネリな言葉を使うリスクがよく分かります。受験者はあるステップの面接は一度だけです。でも、面接官は仕事としてやっていますから、何十人も何百人も面接を行います。20分おきか30分おきに受験者を入れ替えて、流れ作業のように次々と面接をこなします。

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そこで、受験者が次々と何十人も同じようなマンネリな言葉を面接で答えたら、面接官はどう思うでしょうか？　「こいつら、みんな同じ言葉ばかり使っている。同じ内容ばかりだ。」と思うことでしょう。こうなると面接官の感動も評価も当然、低くなってきます。

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そんなこと言われてもと思った人もいることでしょう。面接官は何十人も面接するかもしれないけれど、自分は一回だけなのだから、他の人がどう言ったかなんて関係ないと思ったのではないでしょうか。でも、コミュニケーションには人間の相手がいます。相手がうんざりすることを言っては成立しません。

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例えば、「笑顔」という言葉は、教採では超・超・超・スーパー・ウルトラ・マンネリ用語です（笑）。そこまでマンネリを強調したくなるくらい、マンネリなのです。大体、教採受験者の3分の２くらいが、子どもの笑顔が見たいとか、笑顔に寄り添うとか、笑顔の・・・とかで、笑顔を乱発します。

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面接官になったつもりで聞いてみてくださいな。朝早くから夕方まで面接をするとして、20分か30分間隔で、受験者がやってきて、みんな口々に「笑顔」、「笑顔」と言う。そんな受験者に高い評価を与えるでしょうか？そんな言葉に心を動かされるでしょうか？

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私は決して「笑顔」の敵ではありませんよ（笑）。笑顔は素敵なものです。子どもの笑顔は教師の喜びでしょうし。人の笑顔を見たい、人を笑顔にしたいと思うのは本当に人間として素晴らしい感情です。それは100%賛成です。でも、面接で平凡に「笑顔のために」なんていうと、面接官はウンザリなのです

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私は過去、500人以上の教採受験者を直接指導しましたが、面接演習をすると、400人くらいが面接で「笑顔論」（笑）を強調していました。内容自体は理解できるのですが、あまりにも多くの人が話すので、聴く側にとっては、もはやインパクトなどはなく、「ウザい」以外の何物でも無くなるのです。

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先程も書きましたが、コミュニケーションには生身の人間である聞き手がいます。相手が何百回も（しかも毎年）、同じことの繰り返しを聞いているのなら、他の表現や内容で話すというのもコミュニケーションを効果的に行う秘訣です。

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そして、こういった相手をウンザリさせない、退屈させないコミュニケーション能力は、教師としての資質でもあります。自分が言いたいことだけを言っているようでは、子どもは付いてきません。退屈な話ばかりする教師と、興味が尽きない話をする教師がいるのもコミュニケーション技法の違いですよね。

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教採を受験する時には、面接官を退屈させるような、ウンザリさせるような話をする受験者は不合格になるということを自覚する必要がありそうです。

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ワースト１の「笑顔」に並ぶのが、「恩師のような教師になりたい」です。これも悪い言葉でも内容でもなく、本当にそうなのでしょうが、あまりにも平凡なのです。あなたが教師になりたい志望動機ってそれなの？って、そんな感じで聞かれます。もちろん、ものすごいエピソードがあるのならOKですが。

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志望動機が、「恩師のような教師になりたい」では、採用する側には何の感動もないのです。恩師がどんなに素晴らしい先生だったとしても、その素晴らしさはあなたのものではない。恩師をほめちぎってもあなたの教師への適正にはならない。恩師のようになりたいなんて言葉に熱い志望動機は感じられない。

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ちょっと変なたとえをすると、大好きな人にプロポーズする時に、「あなたは、私が子どもの時の初恋の人に似ている。あなたのような人と結婚したかった」なんていうのに似ています。まず、断られることでしょう（微笑）。

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ワースト３は、「子どもが好きだから」でしょう。教師になる必要条件は「子どもが好き」ということでしょう、でもあくまでも必要条件であって、十分条件ではありません。十分条件なら、それだけでアピールになりますが、必要条件に過ぎないのであれば、それだけをアピールしても効果は少ないものです。

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必要条件に過ぎない「子どもが好きだから」を多くの人が教採で多用します。そもそも必要条件でアピール力がないのに、それを教採受験者の何割かが次々と言うわけです。これにはもう面接官もウンザリです。面接官の中には、「子どもが好きだから」なんて言う奴は落としたいと感じる人もいるくらいです。

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それに、著名な教育学者の大村はま先生は、その名著「教えるということ」の中で、「子どもが好き」という人が教師になることの危うさを論じていらっしゃいます。子どもが好きなのはいいのだが、しかし、それは同時に危うさにつながるという有名な論です。面接官の多くはこの本を読んでいます。

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5，6年前に、愛知県の教採で、大村はま先生のこの本のこの個所が引用された上で、論作文の課題になりました。この時は、さすがの「子どもが好き」一辺倒の受験者の皆さんも、原稿用紙を前にして呆然としたようです。私の教え子たちは、子どもが好きの危うさを知っていたので論作文を乗り切りました。

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マンネリ表現ワースト４は、「コミュニケーション」です。私自身、大学でコミュニケーションを教えていたコミュニケーション学者なので、この言葉を使うなとは言いにくいのですが、教採受験者はすぐ「コミュニケーションの大切さを学びました」なんていうことを口走ってしまうようです。

レトリカ教採学院（教採塾）河野正夫 @kyousaijuku

コミュニケーション大切さって。。。なんのことよ。。。そもそもコミュニケーションの定義が分かってる？　というか、その前に、コミュニケーションが大切でないって言う人がいたの？　いまさら、コミュニケーションの大切さを教採の面接で言って何になるの？よほどのストーリがないとインパクトなし。

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こういう感じのマンネリ表現は多いんですよ。すぐに「アルバイトをして、サークル活動をして、コミュニケーションの大切さ、人間関係の大切さ、働くことの厳しさ、お金をもうけることの難しさ、etc.を学びました。」なんて言うんですから。これらの大切さや厳しさや難しさって当たり前です！！

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先程のツイ―トの内容に触れるなと言うことではいんですよ。違った表現の仕方、語りの構成の仕方、エピソードの用い方の工夫をしなさい、ということを言っているんです。ありきたりのことをありきたりの表現では合格しません。ありきたりのことをちょっと工夫した表現でいうと輝きます。

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さっき、ありきたりのことをありきたりの表現ではダメということを書きましたが、それでもOKの場合があります。あなたが本当に優秀な人物である場合です。料理でも本当に美味いのなら、「美味い」というありきたりの言葉だけで十分でしょう。言葉を工夫し飾る必要はありません。

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あなたが受験者の誰と比べても圧倒的に優れている、教師としての適性が有無を言わせないくらい素晴らしいのなら、「笑顔」でも「子どもが好き」でも構わないのです。例えば、イチロー選手が、子どもが好きだから体育の教師になりたいと言えば、彼を雇いたい学校はいくらでもあるでしょう。