ドゥームズデイ・ディヴァイス #7

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

BOOM!機械腕の側面から熱蒸気が噴き出す!「イヤーッ!」だがニンジャスレイヤーは予測している!巨大な腕を一瞬早く蹴りつけ、回転しながら垂直に飛び上がる!ランペイジは大きく右腕を振りかぶり、上空のニンジャスレイヤーめがけ斜め45度角度の正拳を繰り出す!「イヤーッ!」22

2012-05-07 14:51:52
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

空中で振り下ろすニンジャスレイヤーのヌンチャクが拳とぶつかり合う!赤黒い火輪が爆ぜる!ニンジャスレイヤーは衝撃に耐え切る!そしてさらにヌンチャクを振り下ろす!「イヤーッ!」KRAAAASH!ランペイジの右拳が!砕けた!「グワーッ!?」 23

2012-05-07 15:07:35
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ニンジャスレイヤーは空中から蹴りを繰り出す!「イヤーッ!」「ヌウーッ!」ランペイジの顔に蹴りが直撃!だがひるまぬ!ランペイジの左腕が横から殴りつけにくる!「イヤーッ!」「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはヌンチャクを張ってこれをも防御!さらにランペイジの胸を蹴る!「イヤーッ!」24

2012-05-07 15:10:01
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「グワーッ!」ランペイジは後ろへよろめくが、踏み留まる!ニンジャスレイヤーは回転しながら後方へ飛び離れ、着地!ランペイジは砕けた右腕を振りかぶる。すると……おお、見よ!破砕した腕部の亀裂から、ケーブル状の金属が筋繊維めいて無数に生え出たではないか!なんたる奇怪!? 25

2012-05-07 15:13:53
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

金属の繊維はあっという間に砕けた拳をイビツに修復した……先程と同様の現象だ!ランペイジは前進を開始!鉄仮面の隙間から、同様の無数の金属繊維が生え下り、首を伝い、覆ってゆく!「全部だ!全部だ!全部だ!全部だ!全部だ!全部だ!全部だ!」異形の仮面から吠え声が鳴り響く! 26

2012-05-07 15:18:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「スゥーッ……!ハァーッ……!」対するニンジャスレイヤーは中腰に身を沈め、左手を前へ突き出し、右手では脇に一方を挟んだヌンチャクを握りしめ、ヒサツの一撃を見舞うべく、チャドー呼吸によって血中のカラテを強靭なシメナワめいて練り上げていた。その肩と腕に縄めいた筋肉が浮かび上がる!27

2012-05-07 15:24:35
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」一方、ダークニンジャは数度の切り結びを経たのち、獰猛な不可視の獣を蹴り伏せていた。地面に叩きつけた獣の脇腹を踵で踏みしめ、抉るように捻じる。「GRRRRRR!」見下ろすダークニンジャの目は冷たく、無感情であった。彼はアズールとデスドレインを見やった。 28

2012-05-07 15:29:01
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ラ!ン!ペ!イ!ジ!」デスドレインはのけぞり、叫ぶ!己を貫く瓦礫に手をかけ、力を込める……両手指の先から、腹の傷から、暗黒物質が泡立ちながら溢れ出る!「てめェ!勝手な事を!してンじゃねェよ!」 29

2012-05-07 15:34:06
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

デスドレインは苦痛の叫びを絞り出す!瓦礫の根元を暗黒物質が覆い……徐々に……持ち上げる!その時だ!隣接する建物から次々に飛び降りてきた影が、デスドレインとアズールを取り囲むように着地したのだ。その数、5!全てニンジャである! 30

2012-05-07 15:43:23
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ダークニンジャは眉を動かした。新手の五人を吟味する。サイレン。ガラハッド。ヘヴィーメイス。フォールチョン。クロウラー。全てパーガトリー傘下のニンジャだ。この場を監視していた者らが救援に転じた?キョート城でなにかしら方針の変更があったか。ガラハッドがダークニンジャを一瞥した。31

2012-05-07 15:51:08
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「嫌だ!嫌だ!嫌だ!」アズールが泣き叫んだ。「嫌だァー!」「ドーモ、ダークニンジャ=サン。ガラハッドです」ガラハッドがその場からアイサツした。「グランドマスター・パーガトリー=サンからの賛辞を伝えよう。よくぞ……」ダークニンジャは答えず、無言でデスドレインを指差した。 32

2012-05-07 15:57:49
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「畜生ォー!」その瞬間、瓦礫が跳ね飛んだ!「エッ?」アプレンティスに過ぎないクロウラーは呆気に取られて巨大な瓦礫の軌跡を目で追った。そのため、最初に死んだ。暗黒物質がこのニンジャの脚を絡め取り、動きを封じた。そこに瓦礫が落下し、真っ二つに裂けて死んだ。インガオホー! 33

2012-05-07 16:21:28
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ランペイジ!ふざけるな!」デスドレインは跳ね起きた。ヘヴィーメイスは咄嗟に得物でデスドレインを殺そうとした。だが溢れ出る暗黒物質はこのニンジャを、武器を振り上げた姿勢のまま拘束していた。フォールチョンはその時すでにメンポを剥がされ、口の中に暗黒物質を流し込まれて死んでいた。34

2012-05-07 16:26:41
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「こいつ!」サイレンとガラハッドはバック転を繰り出し、暗黒物質の追撃を回避!ダークニンジャは透明の獣を踏みにじり、淡々と言った。「貴公らの手助けを感謝する。そのニンジャは蘇生能力だけが取り柄だが、私では力及ばず。後は貴公らに任せたい」「ランペイジ!」デスドレインが叫ぶ! 35

2012-05-07 16:31:25
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

デスドレインは口から黒い血を吐いた。腹の穴からも暗黒物質が流れ続ける。無事では無いのだ。「てめェ!勝手してんじゃねェぞ!」そこへ立ちはだかるザイバツ・ニンジャ!「ドーモ、ガラハッドです」「ドーモ。サイレンです」「うるせェんだよ!」デスドレインは激昂した。黒い触手が渦巻く! 36

2012-05-07 16:37:30
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ランペイジ。ランペイジ」三歩。四歩。ランペイジは地面に亀裂を生みながら、金属の繊維でまだらに覆われた体躯を押し進める。「スゥーッ!ハァーッ!」ニンジャスレイヤーはチャドー呼吸を深める……深める……深める……深める!「イヤーッ!」ランペイジの肘が爆発!推進!拳を繰り出す! 37

2012-05-07 16:48:31
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

『モータルの憤怒を!』ニンジャスレイヤーは後ろ手のヌンチャクを……繰り出す!『受けよ!』ヌンチャクの一方が真っ直ぐに飛ぶ!一方、ランペイジの圧倒的速度の正拳突きはニンジャスレイヤーをかすめていた。触れていない!だがニンジャスレイヤーの「忍」「殺」のメンポは砕け、吹き飛んだ! 38

2012-05-07 17:04:14
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ヌンチャクの先端部はランペイジの鉄仮面の額部に直撃していた。仮面が破砕した。中から、人間の顔が……金属繊維を血管めいて這わせた男の無表情な顔が現れた。逆の腕を振り上げる。狙うは攻撃直後のニンジャスレイヤー。肘が火を噴く!「イヤーッ!」BOOM! 39

2012-05-07 17:16:10
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「……」ランペイジは振り上げた己の腕を不思議そうに見た。肘から先が地面に落ちていた。それから、もう一方の腕を見た。赤黒い炎が肉と機械の境から亀裂めいて噴き出した。そちらの腕も地面に落下した。赤黒い炎は金属繊維に侵食された全身から噴き出した。ランペイジは踏み出す。 40

2012-05-07 17:22:37
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ニンジャスレイヤーの破けた頭巾が風化し、フジキドの素顔が完全に現れた。フジキドとランペイジの視線がかち合った。「ゼンダ=サン。終わりだ」ランペイジは答えず、ニンジャスレイヤーを通り過ぎる。その目にはいかなる感情の表出も無い。おぼつかない歩み毎に、その身体を赤黒い火が走る。 41

2012-05-07 17:40:01
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

炎はひとたびごとにランペイジの身体の金属繊維を燃焼させ、散らしてゆく。「ランペイジ!」「「イヤーッ!」」サイレンとガラハッドが隙を捉え、左右から蹴りを繰り出す。暗黒物質が両者の脚を受ける。「ランペイジ。何やってやがる」デスドレインは上の空で、彼らをあべこべに捻じり、殺した。42

2012-05-07 17:49:40
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ランペイジの歩みはデスドレインに向かう。デスドレインは首を傾げ、耳を掻いた。「何、勝手してやがンだよ」ダークニンジャも、ニンジャスレイヤーも、見えておらぬようだ。ダークニンジャは足元の獣の消失を感じる。始終出し続けられるものでも無いという事か。アズールはデスドレインの隣だ。43

2012-05-07 17:53:59
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ランペイジはデスドレインを見た。「お前は面白い奴だった」ランペイジは低く言った。彼は口の端を、笑うように持ち上げた。「先に行く。すまん」「全くだぜ」デスドレインは言った。「がッかりだぜ、運がねェなお前。ガキはどうすンだ」「……」ランペイジは膝をついた。うつ伏せに倒れ、死んだ。44

2012-05-07 18:03:46
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

デスドレインはニンジャスレイヤーを、ダークニンジャを見た。「分が悪りィなァ。俺は腹に穴空いてるしよォ。ガキもまだ慣れてねェし」アズールの髪を掴み、引き寄せる。ニンジャスレイヤーはカラテを構える。だがダークニンジャはゆっくりと進み出、ニンジャスレイヤーと対した。 45

2012-05-07 18:13:53
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「お?何、守ってくれンの?でもよ、そっちの奴は俺とやる気満々じゃねェか。いいのかよ?へへへ!」デスドレインが笑った。「どこなりと行け」ダークニンジャは振り返らずに言った。「アッソ!じゃあまァ、お言葉に甘えるかァ!」デスドレインは身を翻す。アズールが追う。 46

2012-05-07 18:25:20