宮台真司さんのエリート主義について

宮台真司さんの新刊『きみがモテれば、社会は変わる。』から、宮台さんのエリート主義を読み取ってみた。
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木下秀明 @khideaki

宮台真司①今日、宮台さんの新刊本「きみがモテれば、社会は変わる。」が届いたので早速読んでみた。とても読みやすい本で行き帰りの通勤電車で読了してしまった。読後の感想は、さすがに宮台さんだという感じだ。その現状分析の的確さと表現の適切さにうならせる。エリート主義に関してもよく分かった

2012-05-10 23:06:33
木下秀明 @khideaki

宮台真司②日本が終わっているということの意味も書かれていてよく分かった。終わっているというのは、このままの状態では衰退していくだけで、良い方向に転換することも持ち直すことも期待できないと言うことだ。悪い方へと落ち込む循環が出来ているのが日本社会だという指摘だ。

2012-05-10 23:10:07
木下秀明 @khideaki

宮台真司③日本が終わっていることの原因は、「任せてブーたれる」依存体質にあるという。これを何とかしない限り終わりは止まらない。この依存体質を「引き受けて考える」作法を身につける方向へと転換しなければ転落に歯止めはかけられない。依存体質は問題の解決を他者に委ねて自分では努力をしない

2012-05-10 23:14:29
木下秀明 @khideaki

宮台真司④今までは問題が表面化してこなかったので問題は先送りされてきた。しかしもはやそれも限界に来て問題が表れてきたのだが、もう誰かに委ねて解決できるようなレベルではなくなったのが現代日本だ。今こそ引き受ける覚悟をして自分で考えなければならないのだが、それができないのが日本社会だ

2012-05-10 23:17:14
木下秀明 @khideaki

宮台真司⑤依存体質の日本は、空気に縛られる社会の体質があり、これが問題の解決をさらに難しくしている。自分の頭で考えて行動する人間は空気を破ることが多く排除・攻撃される。改革への一歩を踏み出せないため、任せた相手にさらに文句を言うことしかできなくなり転落へのスパイラルはさらに進む。

2012-05-10 23:22:37
木下秀明 @khideaki

宮台真司⑥このどうしようもない負のスパイラルを破る可能性を持った存在として、宮台さんが語るエリートというものが想定されているのではないだろうか。どうしようもない袋小路の日本社会は、エリートの出現がない限り終わりへの歯止めはかからないと宮台さんは考えているのではないかと感じた。

2012-05-10 23:25:26
木下秀明 @khideaki

宮台真司⑦宮台さんの語るエリートを端的に表現すると「モテるやつ」と言うことになるのではないだろうか。これは他者を幸せに出来る人間であり、イメージ的には安冨歩さんが語る君子、つまり学習に対して開かれた感覚を持った人間と重なるように見える。アプローチは違うが似たような方向を向いている

2012-05-10 23:28:21
木下秀明 @khideaki

宮台真司⑧「モテるやつ」は具体的に語るのは難しい。むしろダメなやつの方がイメージしやすい。それは過剰適応するやつだ。他者の要求に応えることが気になって、自分の積極的な働きかけで他者を幸せにしようという所まで気持ちが行かない、器の小さいやつという感じだろうか。

2012-05-10 23:34:10
木下秀明 @khideaki

宮台真司⑨宮台さんは、社会はもうクソになって終わっていると語る。この社会がいいものであれば、そこで育つ人間も一角の「モテるやつ」になる。だが依存して待っているだけでは社会はいつまでも変わらない。その状況にエリートの出現を望む必然性が出てくる。宮台さんのエリートは社会を変える人間だ

2012-05-10 23:36:58
木下秀明 @khideaki

宮台真司⑩宮台さんが語るエリートは、クソになった社会を根本から変える「モテるやつ」だ。それはどのようなメカニズムから生まれてくるか。宮台さんは「ヴァーチュー、リスペクト、そしてミメーシスへ」と語っている。ここにエリート登場の期待をかけている。有徳者が多い社会こそが価値があるという

2012-05-10 23:43:36
木下秀明 @khideaki

宮台真司⑪宮台さんの結論は、論語の新解釈から君子の存在を語る安冨さんの語ることと重なる。アプローチは違うが、現代日本を救うのは徳あるいは礼という概念だとすればよく似ていると感じる。宮台さんは自覚したエリートの登場を願い、安冨さんは自分の感覚に正直に従える人の登場を願っている。

2012-05-10 23:48:09
木下秀明 @khideaki

宮台真司⑫宮台さんが語る「モテるやつ」はエリートでなければ難しい。他者を幸せにするという積極性がなければならない。安冨さんが語る学習に対して開かれた感覚を持った者は必ずしもエリートでなくても良い。空気から脱するような資質は必要だが、自分の感覚に正直になることを恐れなければいい。

2012-05-10 23:52:10
木下秀明 @khideaki

宮台真司⑬同じような目的を目指してはいるがアプローチの違いがあるこの両者をどう評価したらいいだろうか。それは世代によって違ったりするかもしれない。宮台さんは若い世代に呼びかけてこの本を書いている。僕は、内容に共感はするけれど自分がそのように振る舞える元気があるか自信はない。

2012-05-10 23:55:14
木下秀明 @khideaki

宮台真司⑭自分に正直になることも難しくはあるだろうけれどその可能性の方があるのを感じる。僕の好きな映画の「終身犯」では小鳥によって自分の感覚を開かれたストラウドという終身犯が深い学習によって君子のようになっていく姿が描かれている。この姿にエリートでない人間の学習の可能性を僕は見る

2012-05-11 00:00:30
木下秀明 @khideaki

宮台真司⑮学校教育を受けていないストラウドでもきっかけさえあれば深い学習の元に人間性そのものが変わってしまうほどの変化が起きる。このストラウドを新しい意味のエリートだと呼べば宮台さんの主張と安冨さんの主張は重なる。だがストラウドをエリートと呼ぶのにはためらいもある。

2012-05-11 00:04:17
木下秀明 @khideaki

宮台真司⑯結局、宮台さんと安冨さんのアプローチは二つの違う方向から、現在の日本社会の状況を変えようという努力なので、それが相乗的に効果を生んで、クソのような社会を抜け出すのが一番いいのかもしれない。僕に取り組めそうなのはエリート主義ではなく感覚の正直さを求めることに感じる。

2012-05-11 00:08:02
木下秀明 @khideaki

『きみがモテれば、社会は変わる』 1<宮台真司さんの現状分析の的確さ> http://t.co/QAjMVD1nというブログエントリーを書いた。このテーマはしばらく書き続けたいと思う。やはり宮台さんはすごい。

2012-05-12 10:41:09
木下秀明 @khideaki

『きみがモテれば、社会は変わる』 2<「モテるやつ」というエリートは日本の「空気」を変えられるか> http://t.co/dXjOw7H5というブログエントリーを続けて書いた。ずっと考え続けていたことなのですぐに書くことが出来た。

2012-05-12 11:57:04
木下秀明 @khideaki

『きみがモテれば、社会は変わる』 3<「エリート」と重なる諸概念> http://t.co/nu1w12DZというブログエントリーを書いた。これは、本の内容について書いたものではなく、「エリート」という言葉からの連想で浮かんできたことを綴ったものだ。

2012-05-12 20:14:24