ニッポンのジレンマ スピンオフ企画「僕らの救国の教育論」書き起こし #nhk
- toshihiro36
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<ナレーション> 第1回ジレンマで異彩を放った猪子寿之。仲間とともに立ち上げた会社で、デジタルとアートを融合させた斬新な作品を世に送り出す。チームのリーダーとしての顔も持つ。
2012-05-12 23:38:29猪子:未来を肯定した上で教育とかがもう少し変わっていった方が…なんかすぐ「昔はなんとかで」とか、変わろうとすると「いや、黒板がいいんだよ」とか…教育の話になるとそうだけど、実際は世の中がすごい勢いで変わっているので。肯定した上で、教育が変わったらいいと思いますけどね。
2012-05-12 23:44:39猪子:でもいろんな人の考えがあると思うんですよ。それを話し合いの中で決めていくというプロセスは多分無意味で、みんながいろんなことを考えていたら、いろんなことをすればいいんですよね。
2012-05-12 23:49:27猪子:僕はたまたま県立の普通の高校だったんですよ。あんまり人の話を聞かない子だったので(笑)。今となって良かったのは、大人の言うことを基本聞いてなかったんですよ。なんでラッキーだったなと。
2012-05-12 23:58:28苫野:学校文化に馴染めない子が実はすごくクリエイティブだっていうことは、昔からずっと言われてますよね。だからやっぱり、そういうのってあると思いますよね。もういっこすごく重要だと思ったのは、例えば義務教育があまりにも多様化しすぎて…
2012-05-13 00:03:29苫野:バラつきができすぎて、それこそ格差みたいなものになったら困るので…一応教育のここは必ず達成しなくてはいけないというところは見定めて。その上で、方法はそれこそ子どもたちの状況や地域の実情に合わせて。方法は多様であっていいと思うんですよね。
2012-05-13 00:09:04堀:さあ、東さんよろしくお願いします。日本のジレンマを議論していく上で、必ずこの教育の話が出てきたのは…いまの日本の状況がよろしくない状況だとしたら、なんとかいい方向に導いていきたいと。そう思っている若い世代は随分たくさんいるんだということが掘り起こされたんですね。
2012-05-13 05:57:40<ナレーション> 東浩紀、作家・批評家として現代日本を第一線で分析し続ける。今日はみずからの受験体験、娘を持つ父としての思い、さまざまな角度から語る。
2012-05-13 06:10:09東:つまり演算能力みたいなものとクリエイティビティとコミュニケーション能力ですよね。この3つはそれぞれ、あまり連関してないんですよ。頭がいいといった時は、この3つは全然違うものなんですね。その時に基本的には教育というのは、まず第一にコミュニケーション能力を高める物であるべきです。
2012-05-13 06:15:44東:あとクリエイティビティはほとんど確率的に出てくるので、どんな環境でもクリエイティビティが高い奴は出てくるし、ダメなときはダメなんで。これは放置しても大丈夫だと思う。
2012-05-13 06:20:23東:つまりそれはインターネットの問題とかと関係してて、今はこれだけいろんな情報がネット上で手に入るし、発信できるという状態になると…どれだけ悲惨な教育状態でも、クリエイティブな子どもは勝手に道を発見しますね。もちろん道が広いか狭いかはあって、そこには関与すべきなんですが。
2012-05-13 06:25:11東:最後の演算能力というのが厄介で、これは簡単な話、書類を早く書くとか…つまり何か目的が与えられた時に、それを粛々とこなしていく能力ですよね。この能力をどうするかというのは結構難しいと思うんですよ。これは往々にしてクリエイティビティの部分とバーターで考えられちゃったりする。
2012-05-13 06:29:17東:クリエイティビティを育てるためには、詰め込み教育は良くないんじゃないかというような発想で考えられちゃうんですけど…僕はその2つはあまり連関してないと思うんですよね。
2012-05-13 06:34:27東:いや僕、受験とかやってたじゃん。あれで僕は実感としてわかるんだけど、受験って向いてる奴と向いてない奴がはっきりとあるんだよね。だから結構性格的にというか能力の方向的に、訓練が向く人っていうか…そういう人はいると思う。
2012-05-13 06:45:09猪子:僕が言いたいのは、全員がやるやらないはちょっとおいといて…訓練で上がる領域。演算能力ってドリルみたいなものですよね。ちなみにクリエイティビティも訓練で上がると、僕は思うんです。
2012-05-13 06:51:42堀:そのコミュニケーション力、クリエイティブ力、演算能力っていうのは、人間の能力を鍛えていく上では別のタームでやっていくことで。じゃあ、それを公的な教育がどこをうけおっていくというのは、大事なことなんだと思うんですけれども。
2012-05-13 07:18:30