ニッポンのジレンマ スピンオフ企画「僕らの救国の教育論」書き起こし #nhk
- toshihiro36
- 15847
- 0
- 3
- 9
堀潤:「新世代が解く日本のジレンマ」大きな反響をいただいて、今回は特別編です。1970年以降生まれの論者の皆さん4人をスタジオにお招きしました。今回は特別編ということで、スピンオフ的な企画。ちょっと小さいスタジオでコアな議論をどんどん行って、新世代への提言を進めていきます。
2012-05-12 21:50:53堀:さあ、さっそくまいりましょう。今回のテーマは何か。それがこちらです「僕らの救国の教育論」。日本のジレンマではこれまで格差の問題、そして意思決定システム…民主主義は限界なのか、そういったことについて議論を進めてまいりましたが…必ず突き当たるのがこの国の教育の問題でした。
2012-05-12 21:56:34堀:ただ、我々の議論では教育と言っても学校教育にとどまらず、日本をバージョンアップするための人材の育成・発掘等々幅広く議論していきたいと思います。さっそくですが、論者の皆さんに聞いていきましょう。いったいこの日本をバージョンアップするためにはどのような教育が必要なんでしょうか。
2012-05-12 22:00:29堀:まずは苫野さん、よろしくお願いします。苫野さんは正しい教育とは何かということを、ずっと研究してらっしゃって発信もされてますよね。
2012-05-12 22:02:25苫野一徳:何か水を差してしまうかもしれないんですが、人材論から教育論を始めるのって…危ういところがあると思うんですよね。
2012-05-12 22:05:35<ナレーション> 苫野一徳、教育先進地・東京都杉並区の教育改革にも携わり、さまざまな方法論が叫ばれ混迷する教育界で本当に良い教育とは何か問い続ける教育哲学者。
2012-05-12 22:09:36苫野:こういう人材が必要だ、こういう子どもたちを育てようとやってしまうと…じゃあ、そうなれない子どもたちはどうするのかとか、そうなりたくない子どもたちはどうするのかというときに、じゃあ放ったらかしていいよという話が結構人材論的によく出てくるんですよね。
2012-05-12 22:14:53苫野:あと人材というのも、何を人材ととらえるかで結構対立するんですよね。なんで僕はまさに教育ってそもそも何なのかと。どうあれば良いのかとか、何のためにあるのかとか…そこから教育論を掘り起こさないと、空中戦というか…いろんな考えが相互に対立して混乱することになってしまう。
2012-05-12 22:19:52苫野:実際これまで10年20年人材論を基礎にした教育論が多かったので、空中分解しているというところが結構多いんですよね。ただあえてそれでも人材論という形でいうならば、これまで基本的には個人プレーの学力、個人プレーの能力というのが基本だったと思うんですよ。
2012-05-12 22:24:45苫野:個人ができるだけたくさん知識を幅広く蓄えて、情報処理能力をどんどん上げていくと。それで競争していくというのが基本的な考え方だったと思うんですが…これは東さんがお詳しいと思うんですけど、どれだけ個人が知識を蓄えて情報処理能力を上げても…
2012-05-12 22:35:39苫野:多様な人が多様な知識や特性を生かして、持ち寄って…相互に作用して相互触発して生まれるクリエイティビティというものにはかなわないですよね。まさに集合知は…どれだけ個人が能力を上げたって集合知にかなわないと。教育の多様性を相互に触発していけるような教育のあり方が必要と思います。
2012-05-12 22:40:48堀:続いて石戸さん、お願いします。石戸さん、まずワークショップを主宰して現場レベルで子どもたちと一緒に何かを作り上げていきながら学びの体験を…ということをずっとやってこられてますよね。
2012-05-12 22:46:17石戸:私はこれからを生きる子どもたちに必要な力というのは、何かを作りだす力・創造力とコミュニケーション力だと思っています。
2012-05-12 22:49:27<ナレーション> 石戸奈々子、マサチューセッツ工科大メディアラボで最先端の教育論を学び、現在ワークショップを主宰。子どものための創造と表現の場を提供している。一児の母としても教育の本質を探る実践者。
2012-05-12 22:52:26石戸:知識が誰でも簡単に手に入るようになった時代において必要な力というのは、コンピュータには代替できない力としての創造力とコミュニケーション力だと思っておりまして、わつぃは主に二つの活動をしております。
2012-05-12 23:01:05石戸:一つはデジタル教科書です。全ての子どもたちが一人一台情報端末をもって、デジタル教科書で学べるような環境を作るということが一つ目の活動でして。もう一つが授業を開発していくということです。
2012-05-12 23:05:53石戸:例えばアニメを作る、ロボットを作る、音楽を作る、映画を作る…そうやって子どもたち自身が作って表現をする、作って人とコミュニケーションする。そういう新しい学びのスタイルを開発して実践するということを行っています。
2012-05-12 23:10:53石戸:本当であれば日常生活の中で、もしくは地域の中でそういうことが学べたり体験できたらいいんですけれども、なかなかそうはなっていないので。であれば少し人工的かもしれないですけど、環境とプログラムを作っていこうかなと活動しています。
2012-05-12 23:20:20堀:さあ、そして続いては猪子さんお願いします。1回目の放送でも、これまでの自尊のルールに縛られるんじゃなくて…ルールを破ってクリエイティビティなことをやろうじゃないかと呼びかけられてましたよね。
2012-05-12 23:30:48