El Dorado 〜poem24番外編
- sohtaiseiriron
- 1854
- 0
- 0
- 1
ようこそ地球へ 水の星へ? 君は渇いているのだね 恒星の間を超えて来たのだね 潤いを求めて最後の力を振り絞りこの土地に降りて来たのだというのだね ようこそここへ 黄金だけが豊か 純金が君を潤すか腹いっぱいに試したまえ 炯々と輝くここはエル・ドラード
2012-05-16 22:28:15空は忘れてしまった。ドウシテ泣イテイタノカヲ。神の怒りにふれ切り裂かれた心。肉体の片割れを探し求めて迷う半身の亡霊たち。憂鬱な季節は幾度となく繰り返され僕たちはどこにも辿り着けない。もしもこの手が君の歪みに触れることが叶うなら、もう一度帰ろう、胸の中のエル・ドラード#poem24
2012-05-16 22:28:19たとえば どうしても会いたくて仕方ないとき あなたは飛んできてくれますか? わたしは死ぬまでさがしつづけることでしょう 永遠の地『エル・ドラード』
2012-05-16 22:32:04ねえ、ドウシテ君は空を眺めるの。帰る場所を思い出してる。大燭台の光を浴びて荘厳に輝く聖堂を。君はそこにイツカ帰るの?わからない。僕の居場所がそこなのか、どうして僕にわかるだろうか。風が吹く。その風はきっと彼の故郷からだと、僕は思った。黄金色の想いの住処エル・ドラード#poem24
2012-05-16 22:32:23自分の心臓。自分で付けた傷。偽りの自己証明。巻き上げられた心。君と僕の涙の雨。全て失い、取り戻せない、青春の日々、今思う、僕の…。それら全て引っくるめて、君達を抱きしめて。君達の心に焼き付ける。僕のそれとは違う、偽善だと罵られる為の、君の為の、君だけにしか見えないエル・ドラード
2012-05-16 22:33:18君と過ごした日々。君の笑顔。君の体温。君に触れた煌めき。これからもずっと。 君のそれに似た、僕だけのエル・ドラード。子供達に祈る。僕と君の命よりも大切な物を。子供達が夢見る世界を。私達はそれを伝える為に。僕らは先に居なくなるけど。47億年前から皆が夢見て、伝えて来たエル・ドラード
2012-05-16 22:33:28そうあなたはエル・ドラード 黄金に光り輝く人 周りを明るく幸せにしてくれる人 でもあなたは寂しい人 表面だけを光らせることに精一杯で内面までに手が行かない人 かわいそうな人孤独な人 だからあなたはエル・ドラード
2012-05-16 22:40:30理想郷を追い求めて、数多の夜を飛び越えて、辿り着いたのはどうしてかあなたの隣でした。知らなかったの、遠回りしていたこと。それでもまた巡り会えた。今度は離さないよう強く抱き寄せて。もう一度共に手繰り寄せて。わたしの運命のひと、エル・ドラード
2012-05-16 22:42:12激しい影が落ちる五色の敷石から博識なムカデたちが踊りだすんだ 君の眼玉を持つドラゴンフライは西から東へ陽光を遡っていく 雲の音階を自動筆記するマイダスの王に右足を預けよう 塑像は夕立を浴び断章の誤読を始めた もう全部ひっくるめてしまおう すべてあり得る お前の名はエル・ドラード
2012-05-16 22:43:26不安が無いと言ったら嘘になる。だけど抑えられない気持ちもあると、貴方はよく知っているでしょう?聞いて、応えて、私の声に。貴方の瞳に今、見えている。力強く輝くのはきっと、たったひとつのエル・ドラード。
2012-05-16 22:51:12黄金郷は魚の 鱗の一枚 あなたは煮魚にして 昨日くった。 雨の作るかんむりを ウォータークラウンと呼ぶ。 あなたはそれを被る。 オリンピックの どの競技にも でないあなたに よく似合う。 エル・ドラード あなたの腸は 俗に弱く あなたの器官は 世間の器官ではない エル・ドラード
2012-05-16 22:51:43毟られたのだ、無残に。散る花の色は鮮やかな赫。逃げ出さんと密やかな契りの中で生まれた羽は残酷な太陽の手によってアザミのように儚く散った。墜ちる堕ちるヲチル。嫌だ嫌だ。手に入れたかったのだ。たった一つの真実を。手を伸ばした先に霞み見えるは堕落した黄金郷、エル・ドラード#poem24
2012-05-16 22:53:24二人で同じ未来夢見てた 二人で目指していた筈だった いつの頃からか 少しずつ 見えない速度で 二人の距離 ずれてゆき 気付けば背中合わせ 二度と同じ方向向くことなかった 目指していた二人の黄金郷は 砂になり 跡形もなく崩れ去った 幻のエル・ドラード
2012-05-16 22:54:17欲しいものが在るという。だのにその欲しいものがなんであるかは言わぬ。言わずにただ黙っている。手持無沙汰になって彼が窓の外を見やる。ふと、空がきらりと光った。「あ」「なに」「なんでも」欲しいもの。そこに行けばそれが在るのだろうか。「エル・ドラード」「え」「エル・ドラード」
2012-05-16 22:57:21恋すれどデスペラード 忍ぶれど待てぬリード 恥じらえど君はルード ときめけどマスカレード 立ち尽くすオンザロード 瞼にはエル・ドラード
2012-05-16 23:00:51甘くてやわらかい貴方の香りに包まれて目覚める。残った温もりは貴方の抜け殻。此処に、貴方が居たなら。どんなにどんなに幸せだろう。たとえどんなに望んでも手が届かない。叶わない現実、その世界、エル・ドラード。
2012-05-16 23:06:19手を握り返したのは、言葉にならなかったからで、目を逸らしてしまったのは、きみが眩しかったからで、きみにと詰め込んだ思いは、まだまだ綺麗に整わないわけで。縛られた憧れは拭えない、僕の持つ未来に、きみがいるだけで充分なのだ。ふたつ並んだ影を照らす、雨中晴天、エル・ドラード。
2012-05-16 23:29:13幼き日の恋 モッツァレラ 淡い青春 マスカルポーネ 古の愛 サントゥ・モール 禁断の恋 ゴルゴンゾーラ ハードな二人は グリュイエール 全てを味わうチーズな人生 ワイン片手に辿り着く 終着駅はエル・ドラード
2012-05-16 23:37:14朝陽の柔い温みが肌に沁み 突き抜ける空のグラデーションに浸した両手 こころの芯まで晴天に染め ほら鎖ざした双眸開こうか 朝陽に照らされこんじきに染む世界へ 美しき 私の生きるエル・ドラード
2012-05-17 00:01:38あなたの理想となるために あなたの夢となるために 取り繕うの 何も積み重ならない砂を身に纏うように取り繕うの わかるでしょ?今だけでも綺麗でいたいの なくなってしまってもいい 剥がれてしまってもいい あなたの理想となるため あなたの夢となるの エル・ドラード
2012-05-17 01:14:59君の涙で描かれた地図 いつも君と道に迷ってあげられないね いつも君と地図をにらめっこできないね 僕が傍にいれなくなって描かれた地図は また君に逢うための地図なんでしょ その為に流した涙なら拭わない そして導かれる エル・ドラード
2012-05-17 01:25:01にゃあんと響く甘い声 擦り寄る毛並は真っ黒で 少し高い温度、濡れた鼻先 私のソレとチョンとくっつけ 覗き込んだ愛しい君の 瞳に睡る エル・ドラード
2012-05-17 01:43:18純白のワンピースにブロンドが揺れる。赤いリップにグロスをのせて紡ぐのは欲望への暗示。ハイヒールを脱いで覗く漆黒の郷よりCHANEL Nº5でお迎えするカーテン越しのエル・ドラード
2012-05-17 01:48:13ミコたんがお母さんで、僕はお父さんだった。妻の欲する物は探さねばならぬ。母の鏡台の引き出しから、叔母の箪笥から、探し出さねばならぬ。口紅ハンカチ指輪香水‥‥まだまだ在ったが忘れた。ふと思い出して僕は想う。あのままごとの部屋。あれは確かに違い無く、あの日の僕たちの、エル・ドラード。
2012-05-17 07:41:25