文科省の幹細胞・再生医学戦略作業部会議議事録まとめ(2012/2/13)
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natsukissweet
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2012年、文科省で行われた科学技術・ 学術審議会のライフサイエンス委員会、幹細胞・再生医学戦略作業部会の会議議事録がアップされていたので概略をpostします。そのうち余力があるときトゥぎゃります。http://t.co/FnexfwpJ
2012-05-14 18:41:15
(1)西川先生:世界のメガファーマは幹細胞研究に注力しつつある。ファイザーはケンブリッジに研究所を建設しているしGSKはハーバード・ステムセル・インスティチュートと、サノフィもソーク・インスティチュートと契約している。こうした状況を踏まえ、人口減少が続く日本ではアジアとの連携が
2012-05-14 18:47:00
(3)中内先生:現状としてiPS細胞は動物の血清や細胞に触れない樹立に成功している。しかしゲノム、SNIP解析を行うと高頻度でゲノムに変異が入る。例えば60継代でほぼ全てのiPSに変異が見られる。東大拠点では現在ゲノムの安定性に主眼を置いた研究をしている。クローン間や培養操作に
2012-05-14 19:01:02
(4)よっても変異の導入頻度が違う。ハイドロゲルによる培養法がよさそうだが今後検討は必要。また、iPS細胞から血液を作成している。現在肥満細胞の作成は可能なのでアレルギー薬への応用が開始している。リンパ球に関してはガン患者の疲弊したT細胞からiPS細胞を樹立したとしても
2012-05-14 19:06:25
(5)抗原特異性は同じで若いT細胞を作成し大量培養することが可能なので治療に使用できる可能性がある。また未熟な巨核球前駆体をiPS細胞から作成し血小板を生産させる研究は治験への安全性がokならフェーズ2へ移行する予定。また先ほど述べたゲノムの変異による腫瘍化リスクを防ぐために
2012-05-14 19:12:54
(6)移植片中の未分化iPS細胞を選択的排除するフェールセーフシステムとして、ガンシクロビルとヘルペスウイルスチミジンキナーゼを使用した細胞死誘導システムを利用している。東大拠点での重点課題は以上で述べた血球再生、Tリンパ球再生、iPS由来軟骨による関節再生、患者由来の
2012-05-14 19:17:57
(7)iPSで遺伝性疾患の遺伝子細胞治療モデル作成、iPS由来膵細胞による糖尿病治療など6つ。また現在(中内先生は)カルフォルニア大に在住しているが こちらのCIRM(California Institute for Regeneration Medicine )について紹介して
2012-05-14 19:23:06
(8)おられた。これはカルフォルニアのファンディング・エージェンシーで幹細胞、再生医学の競争力を高める戦略的投資を行う。日本円にして3000億を10年に亘り投資する。各分野のグラントが偏らないようにしているが神経や網膜分野は今からの参入は難しいほど沢山のグラントが走っている。
2012-05-14 19:27:37
(9)グラントはESや体性幹細胞が中心であり、FDAへの審査アドバイスなどの情報交換を行うことで承認までの加速化を図っている。
2012-05-14 19:30:33
(10)須田先生:CRESTの現状について。卵子のリプログラミング因子やヒストンHZaa,HZbaなどリプログラミングに関係性のありそうな因子についての研究、ES細胞の未分化性についての研究、多能性幹細胞から始原生殖細胞を誘導し精子を作成した研究、iPSが腸管や筋へと分化する
2012-05-14 19:35:26
(11)際のシグナルの網羅的解析を行った研究、iPSから造血幹細胞を誘導した研究、ナイーブ型ES細胞とエピ幹細胞との違いの研究などの紹介があった。
2012-05-14 19:37:40
(12)中西先生:現在製薬業界ではスクリーニングや初期毒性研究でのヒト幹細胞を用いた評価はまだ難しいが、臨床前での評価系に使用したがる向きはあると思われる。
2012-05-14 19:40:51
(13)議事録はまだ続きますが、2012年2月辺りまでのES / iPS 細胞の研究動向がよくまとまっていたので展開しました。4月に開催されました同委員会の議事録がアップされましたらまた改めてご紹介するかもしれません。ひとまず以上。
2012-05-14 19:43:59