NHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 原発の安全とは何か~模索する世界と日本~」 書き起こし・ほぼ完全版 #nhk

5月19日に放送されたものを文字起こししています。 進行:鎌田靖(NHK解説委員) ゲスト:大崎要一郎(NHK科学文化部)
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とし @toshihiro36

<ナレーション> 福島の事故を受けて、自主的な取り組みから規制強化に方針転換するかどうか…電力会社は強く反対しました。一方、分析チームは自主的な取り組みだけでは限界があると主張しました。8カ月にわたる議論を重ねた末、NRCは決定を下します。

2012-05-19 23:29:08
とし @toshihiro36

<ナレーション> 今年3月に出された命令書、ベントの強化などを義務付ける規制に踏み切ったのです。

2012-05-19 23:31:45
とし @toshihiro36

NRC ウィリアム・マグウッド:我々は“完璧な安全”があるとは信じていません。“完璧な安全”は決して達成できない目標です。我々が行うべきことは、何が起こってもアメリカの原発が事故から回復できるよう、より強力な安全規制の枠組みを設けることです。

2012-05-19 23:36:21
とし @toshihiro36

<ナレーション> “完璧な安全”はない、だからこそ安全について広く議論を公開しながら決めていく。それがNRCの考えです。規制強化に踏み切ったNRCは、第二・第三の規制の導入に向けて議論を重ねています。

2012-05-19 23:40:57
とし @toshihiro36

<ナレーション> 福島の事故後NRCが力を入れているのは、原発の実情について、リスクも含めて住民に公開すること。NRCが直接住民に説明します。

2012-05-19 23:43:47
とし @toshihiro36

NRC職員:先日の地震では非常用発電機を冷却する機能が故障したので、原子炉を停止させました。この発電機に関する最終的な調査結果は、今月中に出します。

2012-05-19 23:46:42
とし @toshihiro36

<ナレーション> 公開という原則を大事にし、社会のコンセンサスを得ながらアメリカは原発の安全に向き合っていこうとしています。

2012-05-19 23:48:53
とし @toshihiro36

NRC・ヤツコ委員長:我々は一般市民や電力会社などと広く対話を重ね、浮かび上がった課題にどんな新しい安全対策があるか考えていきます。日本で起きたような事故を起こさないと保証できるまで、我々は模索をやめないでしょう。

2012-05-19 23:52:47
とし @toshihiro36

<ナレーション> 今年2月、NRCは34年ぶりに新たな原発の建設を許可しました。世界一の原発大国アメリカ、福島の事故後も規制を強化しながら、原発推進を維持しようとしています。

2012-05-20 06:22:32

スタジオに戻ります

とし @toshihiro36

鎌田:アメリカから見えてくるのは、どこまで規制を強化するのかという難しい問題を徹底的に議論し、その情報を広く公開することで乗り越えようとするその姿勢でした。スタジオは今回の原発の問題を取材しております、科学文化部の大崎記者です。

2012-05-20 06:27:34
とし @toshihiro36

鎌田:大崎さん、原発の運転を続けるアメリカですけれども、そのために情報を公開してリスクを広く共有しようとしてましたよね。

2012-05-20 06:34:42
とし @toshihiro36

大崎:そうですね。アメリカは原発にどんな危険性があるのか専門的な議論も包み隠さず公開することによって、社会として原発の安全と向き合おうとしています。たとえ確率は小さくても、事故の危険性は必ずあるという認識なんです。アメリカは今も原子力発電を押し進めようとしています。

2012-05-20 06:39:18
とし @toshihiro36

大崎:そのためには情報を公開して、広く一般の人たちがリスクを共有するための仕組みを整えること。また、議論の過程を公開し後の検証に使うことによって、原発の安全を司っている人たちが自らの決定に責任を持つことが、仕組みとして欠かせないと考えているんです。

2012-05-20 06:43:52
とし @toshihiro36

大崎:こうした仕組みが、原発の安全にまつわる国民の信頼を作る土台だとされているんです。

2012-05-20 06:45:53
とし @toshihiro36

鎌田:続いて、もうひとつの国をご覧いただきます。それはスイスです。実はスイスは原発の安全性を徹底的に追求している国です。ストレステストという言葉、皆さん聞いたことがあると思うんですけれども、スイスは今回の事故を受けまして世界に先がけてストレステストを実施、安全対策に努めています。

2012-05-20 06:51:56
とし @toshihiro36

鎌田:大崎さん、このストレステストなんですけれども、具体的にどういうことなんでしょうか?

2012-05-20 06:53:32
とし @toshihiro36

大崎:ストレステストは原発にストレスつまり負荷をかけていくことによって、原発がどこまで耐えられるかコンピュータ上で調べるテストです。例えば地震の揺れについて調べる場合ですと、コンピュータ上で原発にどんどん大きな揺れを加えていきます。

2012-05-20 06:57:48
とし @toshihiro36

大崎:揺れが大きくなると、ある大きさで冷却設備などが壊れて、核燃料が溶け落ちるメルトダウンが起きます。テストはここでおしまいではありません。揺れをさらに大きくしていき、最終的に福島第一原発で起きたような大規模な放射性物質の放出が起きるところまで調べるんです。

2012-05-20 07:02:33
とし @toshihiro36

大崎:原発がどこで耐えられなくなるかを調べることで原発の弱点を知り、それを安全対策に反映していこうという仕組みなんです。

2012-05-20 07:04:34
とし @toshihiro36

鎌田:このストレステストを行いましたスイスなんですけれども、その安全の取り組み、徹底ぶりをご覧いただきます。

2012-05-20 07:06:42

VTRが流れます

とし @toshihiro36

<ナレーション> 福島第一原発の事故はスイスにも大きな衝撃を与えました。想定外の事故は起こる、人々は原発の安全に不安を感じ始めています。スイスには福島第一原発と同じタイプの原発があります。ミューレベルグ原発です。運転を始めたのは40年前、福島第一原発と同じ頃です。

2012-05-20 07:44:28
とし @toshihiro36

<ナレーション> 安全は確保されているのか、スイス政府は事故直後から緊急調査を始めました。国内にある5つの原発でストレステストを行うことにしました。ストレステストとは原発が想定を上回る地震や洪水、異常気象などにどこまで耐えられるかを評価するものです。

2012-05-20 07:48:32
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