武雄市MY図書館の顛末

武雄市長が以前に発表した電子図書館。 歓喜をもって迎えられた構想がどうなったかをまとめました。
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はい、えー、これなんで今日ここにこう至ったかなんですけども、丁度わたしが市長に就任させてまあ大体5年経ちますけどね、その時に色んな例えば市長と語る会だとか戸別訪問2万軒くらいやりましたけどね、その中で武雄市って合併して200平方キロあるんですよ200平方キロ。
でその中で要望の多い一つとして分館、図書館の分館がもうぜひ欲しいっていうのはあったんですね。
だけど、我々からすると予算もありますし、基本的には蔵書っていうのは重点化すべきだということもあって、市民の要望と実際我々が進めるっていうのは非常にギャップがこうあったということだったんですけど、ただそれをこれ打ち破るんじゃないかなと思ったのがこのiPadなんですね、このiPad。
でこれがあれば、うちの親父も使ってますけどね、もうこれだったらどこでもいつでも見れると、本を、ということで、しかも、うちの親父も老眼ですけれども、大きく、字がこう見れるっていうこととか、あるいはこう検索をできるということで、これは本以上に本らしいということを考えて、去年の8月になるんですけどね、ツイッターで、図書館、iPadでできないでしょうか、っていうのがなぜか僕の所に来たんですね。
で、そういう下地があったんで、ちょっと色んな人と相談をして、8月にツイッターでMY図書館構想っていうのを発表したらものすごいインパクトがあってですね、これ賛否両論ありました。著作権をないがしろにする気か馬鹿とかね、色んなことがありましたけど、それは著作権の範囲内で、できることをやろうじゃないかということで。
ただ我々は理論武装ができてませんので、昨年の9月補正で、調査研究委託予算を100万円計上して、10月から今年の3月まで、今日いらっしゃいますけれども、慶応義塾大学のメディアデザイン研究所に調査を委託をしました。
でその委託の結果、まあこの範囲ですすめようということに、こうなったんですけれども、一方でシステムをちゃんとつくんなきゃいけないということで、12月補正で、去年の。12月補正でシステム化予算を計上して、これ526万4千円なんですけれども、今日こちらにいらっしゃってますけれども、株式会社コアラさん、これは23年の1月から3月まで、コアラ、社をあげてアプリ開発をしていただきました。

分館が欲しかった人たちが哀れです。

会見動画 09:45 名誉館長

慶應大学、中村伊知哉と申します。よろしくどうぞお願いいたします。
昨年2010年は、電子書籍元年などと呼ばれておりまして、こうしたiPadのような多様な機器が普及をして、書物がデジタル化してくということが非常に期待をされたわけですけれども、しかし現時点では、どこでも誰でもいつでもこういったもので本が読める状況になっているかというとまだそこまで広がっては、おりません。
わたし、内閣官房の、知財本部のコンテンツ調査会長を引き受けてるんですけれども、そこの場でもですね、図書館の情報をデジタル化するというのが、最重要政策として位置付けられているんですが、霞ヶ関の辺りでは議論ばかりしておって、なかなか進みません。で、これはやっぱりわかってる自治体とか、やる気のある地域が自らやるしかないだろうということで、このたびやはりそういうことを始めるのはがばい、武雄市かなあということで今回の、取り組みというのに、参加をさせていただく慶応としても全面的にご一緒させていただきたいと思ってる次第でございまして、名誉館長を仰せつかった非常に名誉なことです。
この度の、震災で、被災地では、本が流されてしまったとか、それから子供たちの教科書も63万冊ですか、流されてしまったとか、あるいはお医者さんのカルテも流されてしまって、高齢者の方々がですね、自分がどんな薬をもらっていたのか分からない、という、そういった状況にある。そうした情報やコンテンツもデジタル化してネットの上に置いておけばよかったという教訓があるわけですけども、今回のこの構想もそうした復興支援の一助になるのではないかと、つまり被災地の方々にも使っていただけるような、広がりが今後あるのではないかということの期待をしているところです。
グーテンベルクが、活版印刷を発明したのが555年前でありまして、紙の文化、555年続いて来たんですけども、その次の新しい文化あるいは社会を、作っていく、時が来たのかなと、そのスタートをこの武雄市から切るということではないかと認識をしております。
この度の慶應との合意ですが、先ほど合意の文書の中には、法的・技術的助言とあります。具体的にはわたしども、著作権制度の研究もしておりますし、また、ネットワークの技術を研究しておりますので、その辺も共同でできることがあれば、ということと、先ほど市長から、子供たちの作文という話もありました。我々慶應でやっている仕事の中でも、子供が、そうした情報やコンテンツを創作するワークショップなども進めておりまして、これも、3月8日でしたね、こちらの、学校でiPadを使った授業なんかも我々と一緒にやらせていただいたんですけど、そのようなことでもお役に立てればと思っております。
よろしくどうぞお願いいたします。

広がり、ありませんでしたね。あるわけないですね。
どんな法的・技術的助言をなさったのでしょうね。

会見動画 23:48 市長

図書はですね、基本的に著作権の有してないたとえば市史とかね、たとえば市報とかあの先ほど最初に申し上げましたあの何だっけ、図録とかっていうのはどんどん入れ込もうと思ってるんですね。だから、目標、百冊ですかね。そうそうそう、だいたいこう、昨日カウントしてたら、百冊はもう行けますので、だからiPad百台に百冊にしたいと。
(今年度中?) 今年度中です。にすると。多分それ以上になると思います、はい。
(将来的には?) 将来的にはですね、基本的に我々としては全部入れたいと思ってんですけど、ただあの、新刊本とかってすごいセンシティブな、著作権とセンシティブな、僕もちょっと本書いてるんで分かるんですけど、そのセンシティブな部分がやっぱあるんですよね。
それと、おそらくこれ、いまの、さっき中村先生とも話してたんですけれども、被災地の関係で多分、その、複製に関してね、もう少しちょっと緩くなるんじゃないかっていう話も多分出てくると思うんですよ。だからそれに応じて、許せる範囲の奴はどんどん入れていくということになろうかと思います。
だから、基本的にその著作権者がノーということ以外についてはどんどん入れ込みたいという風に思っています。

被災地の不幸に便乗しようとかひきますわ。

拒否されなければ電子化って、自炊代行業者じゃあるまいし、まして貸し出すなんてできるわけがないじゃありませんか。

会見動画 26:05 市長

それとちょっと補足をすると、とにかくやっぱiPadが今一番やっぱ普及してますので、まずiPadで先行すると、先行するということと、もう一つiPad持ってなくてたとえば、Galaxyのタブとか、まあいろんなのありますがあるいはパソコンとか、っていうのは今年度中に配信…あの、見れるようにします。
まず、えー全国で初めてっていうのは、iPadをキーポイントにしたっていうこととアプリですよね。アプリをここにこう埋め込んだと。
ようするに、たとえば千代田区でもやってるんですけど、インターネット非常にみ、見難いんですよね。うん、見難いです、はっきり言って。
うん、だからそれを見やすくするという意味では、まあ青空文庫とか先行しているものがあるんでその技術をこう援用したっていうことと、まああのコアラさんの、ね、得意な技術をこう援用したっていうことがあって、そういう意味ではもう、多分これが本格的な、一番こう親しみやすくて見やすいという意味では多分日本で最初だという風に思っているんですね。
で繰り返しになるんですけれども、iPadでまずやって、で動作の安定性とかきちんと見ながら、次は他のタブレットですよね、他のタブレットであるとか、あるいはパソコンですよね。あのWindowsとかAppleのPCでこう見れるように、今年度中にします。

千代田区の取り組みをけなして、無理矢理な理屈をつけて日本初を主張するとか、今も変わってませんね。

会見動画 32:05 市長

あの、ちょっと補足をすると僕もまったく同感で、図書館が、あの、新刊本のね、あの、安いからこう来るとかっていうのはそらもう間違いだと思いますよ僕は、ううん、いやそれはやっぱり、ちゃんとお金を出してね、やっぱきちんと。
それ、それか、やっぱり、図書館のあるべき姿っていうのは、やっぱりこう知の宝庫って、あまねく知の宝庫っていう観点からすると、やはり、あの、わたしは少なくともしっかりした学術書とか古典とかね、っていうのをきちんとやっぱ、ねえ、その見るのはなんか図書館がいま、履き違えてられてんじゃないかという風にこう思うんですよ。
で、そのそういう中で我々としてはその先ほど青空文庫の話をしましたけれども、あの、あれなんか芥川龍之介とかね、僕も今読んでますけど林芙美子の放浪記とかね、ものすごいいっぱいあるんですよ。だからそことうまくきちんと連携をすると、あの、かなりその小説とかもね、あの、時間が経ってその国民の皆さんたちに親しまれるっていうのはもう、全然こう出せると。
ただ、先ほど菊池先生からもありましたように、発刊して間もないもの、あるいは、ベストセラー、にこうなるものっていったらそら著作権者もあの出版社側も非常にセンシティブに、こうなりますのでね。でそこは、あのう、我々としてはあんまりもう踏み込みたくないなっていうのはありますね。
だから図書館法の、そのきちんと枠内で、図書館法の目指す先で、これがどういう風にこうタイアップするかと、そのiP…MY図書館がね、それをきちんとやっぱ考えていきたいとやっぱ思いますよね、はい。

冒頭、興奮し過ぎです。

青空文庫なら青空文庫で直接読めますから、返却だの複製防止だの気にしなくて済みますし、何よりiPadに縛られませんよ。

なんかセンシティブという言葉の使い方にとてつもない違和感を覚えたのですけれども、もしかして商売上気にされるかどうかという意味で使っていますか。

図書館法の枠内ということで、当然考えていた課金システムはお蔵入りしたんですね。

会見動画 41:23 市長

あの、最初これ記者会見で言ったときに、武雄市の図書館の蔵書数が、18万冊なんですね。で、18万冊なんで、その中でまあかなり精査をしてもらったんですけど、その著作権でシビアに(笑)しなきゃいけないのがまあ大体その中でまあ、まあ大体3万冊前後なんですよ。ですのでそれを考えた場合に、やはり10万冊から15万冊、は、きちんと入れ込みたいなという風に思いますよね。で、10万、10万冊。
だから、あの、うちの蔵書数が18万です、18万。でその中で先ほど申した通り、著作権をシビアに、あの、ね、例えば村上春樹さんとかまあ様々な方がいらっしゃって、あの、まそういう、ね、方々のはちょっと入れ込めないなと思ってるんですけど、それが大体3万冊です、3万冊。そうなってきたときに、18ひく3は15万ですよね、15万。だったときに本当は全部それを入れ込みたいんですけども、まあ技術的問題等々と、あの、ありますので、まあ10万冊が目標。
で、それで、あとどういう風にこれを、アップデートするかっていう問題があるんですね。アップデートするかっていう問題があるんで、最初の記者会見で言ったときは3年から5年かけて、10万冊、という風に言いましたけども、まあそれは、まあそういう感じで進めたいなという風に思って思ってます。
だから、順次、だから、たとえば、岩波新書が、たとえばですよ、岩波新書が、月4冊とかこう出しているじゃないですか。その、新刊なんとかとか。そんな感じで出して行きたいですよね。うん。で、ゆくゆくは、その、そういう風に到達して行くと、いう風にこうしたいと思ってますけれどもね。

どうして村上春樹が特別なんですか。どんだけ村上春樹が好きなんですか。著作権にシビアもへったくれもありはしませんんよ。その精査をしたのはいったい誰ですか。産官学が連携してその精査はありえませんよ。

構想発表時点で絶賛されたのは、権利団体に一方的に有利に展開されている著作権のあり方に、もしかして一矢報いてくれるのでは、と期待されたからですよ。理論武装に大学の手まで借りて、予算もつぎ込んでおいて、その認識は一体何の冗談ですか。

著作権なめんな。

2011年6月ブログ

樋渡 啓祐 @hiwa1118

[exblog] 武雄市MY図書館と小松政。 http://bit.ly/l7lA4K

2011-06-24 22:02:56

今月の目玉は、「パラサイト・イヴ」の著者瀬名秀明氏の書き下ろし小説「魔法」を含む「tomorrow 電子書籍AiR」。

3月からウェブで無料公開されているものを、6月にクローズド環境で目玉にしますか。

作家発の電子書籍『AiR』特別編集版チャリティ無料公開!桜坂洋・瀬名秀明・吉田戦車らが参加! | ブクログのパブー ハリネズミ通信 2011年3月29日

改めて特別編集として作られた『tomorrow』がパブーで無料公開されました。

限定1000人の中には、インターネット環境もなく、図書館からiPadごと借りて行く人がもしかしたらいるかもしれませんから、まったく意味がないとまでは言いませんけれども、目玉はないでしょうよ、目玉は。

2011年6月定例教育委員会

6月定例教育委員会会議録(PDF)

あと予算等関係では、MY図書館のデジタル推進協議会を設置するということで、今後のあり方について協議をいたしますけれども、このことについて経費を、職員旅費、委員さんの旅費等、報酬を含めて96万円程度で予算化をしている。

2011年8月定例教育委員会

8月定例教育委員会会議録(PDF)

図書館・歴史資料館では、iPadによる電子図書の貸し出し業務を開始し、現在69冊の図書の配信サービスを行っております。今後もより充実したMY図書館を構築してまいります。

(7月追記)2011年9月議会

まとめ ぼくのかんがえたさいきょうの3D検索(黒岩市議の一般質問から) #takeotoilet 武雄市議会 平成23年9月定例会 市政事務に対する一般質問 黒岩幸生  https://www.city.takeo.lg.jp/shisei/shigikai/201109/index.html https://www.city.takeo.lg.jp/shisei/shigikai/201109/20110915.pdf から転載 約2万字あります。 3行でおk ぼくのかんがえたさいきょうの3D検索 3D検索最強伝説 こんなこといいな できたらいいな 3430 pv 46 1 user 1

https://www.city.takeo.lg.jp/shisei/shigikai/201109/20110915.pdf

また、これもまた宮本栄八さんという議員にもううそ、でたらめ書かれて、もう本当に困っていますよ。ちゃんと言います。
市の負担は188万8,000円であります。しかし、「宮本栄八通信」というんですか、私はまともに読んだことありませんけれども、あそこに2,000万円近く書いて、予算の無駄遣いと書かれたわけですね。しかし、先ほど黒岩議員から御指摘があったように、全体の1割なんですね。2,000万円近くはすべてこれ国の交付金なんですね。
具体的に言うと、光をそそぐ交付金であります。その予算が1,969万9,000円なんですよ。ですので、全部これ国費というわけいかんわけですね。必ず最低でも1割は市が負担をしなさいというのが補助金の本旨なんですね。繰り返しになりますけれども、そういうことをちゃんと書いた上で出さないと、もう私はそれを出す資格はないと思いますよ。宮本栄八議員さんにおかれては、それは反省を強く促したいと、このように思います。

オープン時のブログのコメントの屁理屈を、あろうことか議会でも堂々と述べています。どちらがでたらめなんだか。

そして金額。1200万を憶えておいででしょうか。随分と膨れ上がってしまっています。

2011年9月定例教育委員会

9月定例教育委員会会議録(PDF)

あと、MY図書館の関係で、障害者向けの貸出図書のデジタルデータ化事業委託115万7,000円と、同じくデジタルデータ化の分で275万4,000円、合計390万円程度を予算化しています。
○A委員
武雄市MY図書館事業につきましては、全国に先駆けて、また全国から視察が相次いでいるということで大変すばらしいことと思いますが、21号議案、22号議案に関連したことですが、年度当初からこのMY図書館事業は推進されていると思いますが、今の段階でこの協議会の設置とか利用に関する要綱の設置とか規約をされた理由というのは、これまでは試行の段階で、これからが本格実施になるということで、今の段階で要綱等を定められたということで理解していいんですかね。
○図書館・歴史資料館長
そうですね、現在も試行期間ということで今進めておりますけれども、これから本格的にこれをやっていくかどうか、あるいはやる方法について、どういう方策があるかということで検討をしていただく期間ということで、今後この期間を生かしていきたいということ。

武雄市図書館デジタル化推進協議会

https://www.facebook.com/media/set/?set=a.304021332957278.96780.194839810542098

樋渡 啓祐 @hiwa1118

松原聡教授が会長に就任されました。これは強力。 RT @ichiyanakamura 武雄市図書館デジタル化推進協議会。樋渡市長、松原先生らと。

2011-10-24 14:11:24

松原聡(東洋大) @matsubara_s

東洋大学経済学部・総合政策学科教授(会長)

選書委員(未推薦)

松原 聡 @matsubara_s

武雄市図書館デジタル化推進協議会なう。武雄市樋渡市長、「図書館デジタル化」を熱く語るなう。

2011-10-24 14:04:03
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