- chitanda_L
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今回は原作の一作目にあたる『氷菓』完結編です。1~4話に提示された伏線やら謎やらがある程度回収されます。ただし、ある程度、です。どうしてもわからない部分というものは出てきます。しかしそれはまあ、回収しなければならない謎ではなかったりするので、問題はありません。目的が重要です。
2012-05-26 21:29:04もちろん目的というのは『千反田えるが伯父の関谷純に何を訊き、何を言われたのか』です。それはどうやら古典部の文集「氷菓」にまつわる事らしい、ということまでは思い出しましたが(3話)それ以上がどうしても思い出せない。それを探るために45年前のことを調べ、仮説を組み立てました(4話)。
2012-05-26 21:33:544人の資料を基に奉太郎の立てた仮説は、千反田さんの疑問を完全には解き明かしてくれませんでした。しかし、矛盾点はありませんでしたから、間違っているとも言いがたい。何かが足りないのです。それを踏まえた上で、5話を視聴してみました。……前置きが長くなりましたが、それでは内容に入ります。
2012-05-26 21:39:34まず冒頭。奉太郎と里志の会話。ほんの少しですけど、ここで里志の表情が、いつものにこにこしたものではなくなります。これ、ちょっと好きな場面です。前回の千反田邸に向かう際のやり取りもすばらしかったですけど、この部分も福部里志という人物のパーソナリティーを推し量る上で重要だと思います。
2012-05-26 21:48:41本当にささいな部分なんですけど、私が原作をすでに読んでしまっているせいでしょうか、とても気になります。この場面、本来は奉太郎の変化に焦点が当てられているはずなんですけど、言葉で表されない部分が非常に巧いです。つい深読みしてしまいます。
2012-05-26 21:51:55わかりやすいのは雲が切れて夕日が射してくる場面ですね。陽の下にいる奉太郎と、陰の下にいる里志。いろいろな解釈ができると思います。原作未読既読にかかわらず、二人の考え方や立ち位置、モットーについて考えを巡らせてみてはいかがでしょうか。深読みが楽しくなります。
2012-05-26 21:58:11さて、帰宅した奉太郎は薔薇色について、ひいては自分のモットーに思いを巡らせます。一枚噛んではみたものの、やはりおもしろいとは思えないようです。結論が出ず、自室でごろごろしていると、電話が。直接のやり取りは初めてですね、折木供恵さんの登場です。
2012-05-26 22:02:12翌日、奉太郎に呼ばれた3人が部室に集まります。摩耶花は、漫研で忙しいのにと愚痴ります。2話の方でも少しだけ触れてましたが、摩耶花は漫画研究会に所属しています。それについてはBパートの方でもまた触れます。
2012-05-26 22:10:46会話劇の中にちょっとしたアクセントとして動きを取り入れるのは、効果的でおもしろいですね。摩耶花の動きがとてもかわいいです。足をぷらぷらさせるところとか、信じらんないーと机に突っ伏すところとか。細かいです。
2012-05-26 22:17:35千反田さんが奉太郎の言葉に表情を少しだけ緩める場面が何気に好きです。これまでの奉太郎の働きから、千反田さんは奉太郎をとても信頼しているんだなあと思わされる場面です。
2012-05-26 22:22:03摩耶花の「やけに張り切ってるじゃない」の言葉に、遅れて部室を出ながら「……まあな」と一人ごちる奉太郎。3話のときには、「俺は一般に張り切らない」とはっきり答えていましたが、ここにも奉太郎の変化が見て取れます。
2012-05-26 22:26:58さて図書室。里志にぶつかる摩耶花がかわいいです。ここで特に反応を見せないあたりに、二人の関係性の奇妙さが表れていると思うのですけど、いかがでしょう。恥ずかしがるでもなく、謝るでもない。二人の距離はとても近く、遠いです。
2012-05-26 22:33:15糸魚川先生を手伝う摩耶花。ここでもアクションを見せるのは彼女です。前回までなら里志の役割だったのでしょうね。しかし彼女は図書委員ですから。里志は表情で見せます。奉太郎が言った猛獣と亡者の喩えは、彼にはお気に入りだったようですね。
2012-05-26 22:39:05司書室で、窓を背景に糸魚川先生を右側から映していますが、この陰影を効果的に使った場面はいいですね。文字通り、陰のある雰囲気が出てて。
2012-05-26 22:45:4945年前のことを語る糸魚川先生。格技場が火事で焼けてしまいます。放水で半壊したと言っていますが、イメージでは放水じゃなくてどう見ても炎が焼き尽くしているように見えます。焼け跡も、半壊というより全壊です。原作では火事自体はボヤ程度のものだったと言われているのですけど。気になります。
2012-05-26 22:50:07文化祭のイメージの中で、ビートルズとかミニスカートとか当時の流行を反映したものが出てきますけど、かぶりものがなんだか怖いですね。
2012-05-26 22:53:48カンヤ祭の名前の由来は「関谷祭」。この謎は2話で提示されたものでしたね。そして文集のタイトル「氷菓」の意味とは? いろんなところでネタバレされていたみたいですが、前情報無しでご覧になった方、このメッセージ、読み取れましたでしょうか。一応ヒントは出てましたね。2話と3話で。
2012-05-26 22:59:31「氷菓」ってアイスクリームなのか? という疑問もあるみたいですが、そこが言葉遊びなわけです。原作では「アイスのことだね。アイスキャンディー」と答える里志に「アイスクリームで考えてくれ」と奉太郎が促す場面があります。個人的にはアニメの方がシンプルでわかりやすいと思います。
2012-05-26 23:07:58千反田さんが過去を思い出し、涙を流す場面。ここまでの話を観ているだけで、実は私ちょっと涙ぐんでしまったのですけど、この場面はもうやばかったです。じんわりきました。演出のせいでしょうか。それもありますけど、たぶん、関谷純と千反田さんに感情移入して観ていたせいでしょうね。
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