かおるさとーさんの『氷菓』#6 解説

4話以前はこちらをどうぞ。 http://togetter.com/li/310337
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かおるさとー @kaoru_sato

『氷菓』6話について気づいたことをいくつか。

2012-06-02 21:30:47
かおるさとー @kaoru_sato

今回は短編でしたね。タイトルは「大罪を犯す」。これは原作の4作目『遠まわりする雛』に収録されているお話です。この『遠まわりする雛』は3作目までとは違い、連作短編となっていて、古典部の4人が過ごす1年間を描いた話なのですが、その2話目にあたります。

2012-06-02 21:36:34
かおるさとー @kaoru_sato

ちなみに1話目は、アニメ1話Bパートに出てきた女郎蜘蛛の会の話です。アニメでは『遠まわりする雛』に収録されている7編を、時系列順に並べなおして、合間合間にはさんでいくという形をとっているみたいです。ただし、時系列に関しては少し改変がなされています。

2012-06-02 21:41:24
かおるさとー @kaoru_sato

それでは内容に入っていきます。冒頭、奉太郎が実に退屈そうに世界史の授業を受けています。中身は古代ローマの話ですね。シャーペンの芯をペン先から入れるという、怠惰というか暇つぶし的行為に走る奉太郎。よくあることです。居眠りをしないだけマシだと思うのは、甘いでしょうか。

2012-06-02 21:47:46
かおるさとー @kaoru_sato

隣のクラスから怒声が響いてきました。内容はなかなか聞き取りづらいですが、怒鳴り声だけじゃなく物を叩く音も聞こえてきますね。そして千反田さんの声も。こちらは通りの良い声質なためか、若干聞き取りやすいです。

2012-06-02 21:53:08
かおるさとー @kaoru_sato

Aパート、今回はみんなよく怒ります。摩耶花の激しい怒りの前に、里志は冷や汗とともに耐えるしかありません。いつもニコニコしている彼も、さすがに苦笑いしかできないようです。それでもたいしたものですけど。こんなときでも笑顔を作れるのか福部里志。

2012-06-02 21:57:07
かおるさとー @kaoru_sato

話の内容からして、たぶん里志が待ち合わせの約束をすっぽかしたのでしょうね。ひどいやつです。でも里志らしいです。詳しい事情がわからないのが残念。

2012-06-02 22:00:04
かおるさとー @kaoru_sato

奉太郎は二人の喧嘩(喧嘩なのかしらこれは)を止めるなどという無駄なことはしません。摩耶花とは小学校からの、里志とは中学校からの付き合いですから、こういう事態に慣れているのでしょうね。しかし千反田さんは、おそらく二人の諍いを見るのは初めてなのでしょう。おろおろしています。

2012-06-02 22:03:14
かおるさとー @kaoru_sato

クッキーをバッグから取り出す千反田さん。牛乳を買ってきましょうかと提案する千反田さん。奉太郎がそっぽを向いたことにむっとする千反田さん。空回りかわいいですね。

2012-06-02 22:05:49
かおるさとー @kaoru_sato

奉太郎は困り果てる千反田さんを見てそっとため息。「疲れないか」「一休みしろよ」とたった二言で休戦に導きます。これはすごいですね。ある程度摩耶花の性質を知っていないとできない芸当ではないでしょうか。付き合いの長さを感じさせるちょっとした場面です。

2012-06-02 22:10:03
かおるさとー @kaoru_sato

とはいえ、千反田さんがいなかったら、奉太郎はたぶん2人を放置していたと思います。そういう意味では、千反田さんの存在はやはり奉太郎にとって大きなものなのでしょう。自覚はないかもしれませんけど。自覚していても認めたくないかもしれませんけど。

2012-06-02 22:13:53
かおるさとー @kaoru_sato

摩耶花の「口撃」が止み、里志がいつものペースを取り戻します。先ほどまで怒っていた摩耶花に対して、ともすれば無神経とも思える言葉をかけますが、摩耶花はこれに対して怒りを再燃させるのではなく、皮肉たっぷりの台詞で返します。少しうろたえる里志。こちらも付き合いの長さが感じられます。

2012-06-02 22:20:20
かおるさとー @kaoru_sato

里志は交友関係はそれなりに広いと思いますが、彼の性質を深く理解しているのは、ひょっとしたら伊原摩耶花だけなのではないかと思います。奉太郎は性格的に里志を深く理解しようとはしないでしょう。「それなりに」理解しているとは思いますが、摩耶花とは差がある気がします。

2012-06-02 22:27:22
かおるさとー @kaoru_sato

好きな人のことは、誰だって理解したいと思いますし。

2012-06-02 22:29:32
かおるさとー @kaoru_sato

摩耶花が里志の何を好きになったのかまではわかりませんけど。

2012-06-02 22:30:05
かおるさとー @kaoru_sato

ちょっと脱線しました。話題は怒りの話に移ります。奉太郎と摩耶花の言によれば、里志は怒るみたいです。ただ、あんまり怖くないそうです。これは摩耶花が、実際に里志が怒るところを見たから出てくる台詞だと思いますけど、これも興味深いです。摩耶花の前で里志は怒ったことがあるのです。

2012-06-02 22:34:58
かおるさとー @kaoru_sato

奉太郎が、見栄を張って誰彼かまわず感情を出すことをしないだけ、と評していますが、でも摩耶花の前で怒ったところを見せたということは、その見栄を張らなかったということになります。これは里志が摩耶花に対して、どれだけ自分の内側を許しているかがわかる重要なポイントだと思います。

2012-06-02 22:41:13
かおるさとー @kaoru_sato

一方、奉太郎は怒るのでしょうか。人間ですから、怒れるとは思います。しかし、どうでしょう。怒れるのと怒るのは違う気がします。5話で怒ったような場面がある? フォロワーさんにもお答えしたのですけど、あれは怒っていたのではなく、苛立っていたのだと思います。

2012-06-02 22:44:51
かおるさとー @kaoru_sato

あまり自分のことでは怒りそうにない気がします。怒るのは効率が悪いですから。そんな彼にも怒るものがあるとしたら……それはきっと自分のことではないのでしょうね。誰かのことで怒るのでしょうね。

2012-06-02 22:51:19
かおるさとー @kaoru_sato

少し残念だったのは、動揺する奉太郎が見られなかったことでしょうか。見たかったです。いや、ホントに。

2012-06-02 22:52:46
かおるさとー @kaoru_sato

話は七つの大罪へ。「罪は一〇八じゃなかったか」「それは煩悩だよ」から奉太郎の「さいで」が出てきます。さいで、いただきましたー! 「さいですか」「さいで」は奉太郎の口癖です。そのうち「さいですか」も出てくるかもしれません。

2012-06-02 22:56:20
かおるさとー @kaoru_sato

「七つの大罪」はキリスト教の概念です。が、大人の事情でしょうか、キリスト教という言葉は出てこなかったですね。いえ、それでもわかりますけど。「憤怒」「傲慢」「大食」「強欲」「嫉妬」「色欲」「怠惰」です。怠惰に反応する摩耶花かわいいですね。

2012-06-02 23:04:50
かおるさとー @kaoru_sato

千反田さんをからかう二人。息ぴったりです。さっきまでの諍いはなんだったのでしょうか。しかしこれが二人なのです。摩耶花の怒りは熱しやすく冷めやすい。里志はあとに引きずらない。いいカップルです。まだ付き合ってませんけど。

2012-06-02 23:08:58
かおるさとー @kaoru_sato

千反田さんが二人に怒ります。というか、二人を叱ります。後ろを向いた後、表情を緩めるのが素敵ですね。怒ってはいないのでしょう。そのあと千反田さんがいろいろ語りますが、なかなか興味深い内容です。人の行動をそのまま言葉に当てはめることはできない、ですか。なるほど。

2012-06-02 23:14:09