かおるさとーさんの『氷菓』最終話 解説

約半年間、アニメと併せて毎週楽しみにしていました。 ありがとうございました。
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かおるさとー @kaoru_sato

『氷菓』22話(最終話)について思ったことをいくつか。

2012-09-22 22:16:57
かおるさとー @kaoru_sato

最終話です。約5ヶ月続いたこの作品も、とうとう終わりを迎えます。4月に始まった時点では、作中の季節も現実世界と同じくらいでしたけど、古典部の1年間を描くためにだんだん季節もずれていきました。4クールだったらうまくリンクさせることができたかもしれませんが、さすがに間延びするかしら。

2012-09-22 22:17:59
かおるさとー @kaoru_sato

(他の作品より遅れて始まったのに、終わるのはどれよりも早いって、どういうことなんでしょうね)

2012-09-22 22:18:16
かおるさとー @kaoru_sato

(22話で綺麗にまとまったので文句はありませんけど、なんといいますか、ちょっと寂しいのです)

2012-09-22 22:18:40
かおるさとー @kaoru_sato

『遠まわりする雛』は原作4作目に収録されている短編で、連作短編集となっている4作目のラストを飾るとともに、表題にもなっています。古典部の4人が過ごしてきた1年間の締めくくりとして、季節も再び4月になる、新学期に入る直前のお話です。(学年自体は4月になった時点で上がっていますが)

2012-09-22 22:19:48
かおるさとー @kaoru_sato

それでは内容に触れていきます。冒頭、折木家に一本の電話がかかってきます。この電話を通じて奉太郎が会話をした相手って、作中では供恵姉さんと千反田さんだけなんですよね。特に千反田さんからかかってくることが多いのですが、今回もその例に漏れませんでした。

2012-09-22 22:20:32
かおるさとー @kaoru_sato

(正確には11.5話で里志と話す場面がありますが、あの話はテレビで放映されなかったので省いています)

2012-09-22 22:21:03
かおるさとー @kaoru_sato

「傘を持ってくれませんか?」という千反田さんの頼みに、奉太郎は「よくわからんのだが」とだけ返します。1年間同じ部で過ごしてきたことで、奉太郎も千反田さんの性質がだいぶわかってきたのでしょう。説明下手な千反田えるです。

2012-09-22 22:22:19
かおるさとー @kaoru_sato

要は地域の行事でひな祭りが行われるので、そのヘルプをお願いしたいということですね。二つ返事で引き受ける奉太郎。千反田さんの頼みからなんとか逃れようとしていた以前の彼と比べると、明らかに違います。基本的には省エネですが、千反田さん絡みだと、もう無駄な抵抗は試みない折木奉太郎です。

2012-09-22 22:22:53
かおるさとー @kaoru_sato

私はこの作品が始まった頃、原作よりもアニメの方が奉太郎の省エネ主義は徹底されているとつぶやきましたが、最近はもうほとんど変わらない気がします。尺の問題かもしれませんが、あまり逡巡することなく頼みを引き受ける奉太郎は珍しいですね。

2012-09-22 22:23:32
かおるさとー @kaoru_sato

(原作では「あまり気は進まんな」「そう、ですか……」「ああ、でも、いいぞ。行くよ」「え? いいんですか?」というやり取りがあります。気は進まないと表明することと、無駄な抵抗をせずにあっさり引き受けるのとでは、どちらが省エネなのでしょうね)

2012-09-22 22:24:45
かおるさとー @kaoru_sato

(ただ、仕方なく引き受ける、という感じには見えませんね。小難しいことはさておき、単純に千反田さんが困っているから手を貸しているように見えます。これが摩耶花や里志ならどうだったでしょうね。まあそもそも彼らなら、奉太郎を頼ったりしないと思いますが)

2012-09-22 22:25:23
かおるさとー @kaoru_sato

奉太郎は生き雛祭りを知らなかったようで、雛が歩くことに驚きます。行列をするとは思わなかったようですね。ここ数年、雛の役を務めているのは千反田さんで、その隣で傘を差すことになります。中学生の頃からそんな大役を務め上げていたのですね。それだけの責任を任される立場にあるのでしょう。

2012-09-22 22:26:07
かおるさとー @kaoru_sato

2日後の4月3日。奉太郎は狂い咲きの桜の下を通り、工事開始前の長久橋を渡って、水梨神社に向かいます。結構大きな神社ですね。すでに祭りの準備が進められているところに到着……緊張しますよね、部外者だと。

2012-09-22 22:26:55
かおるさとー @kaoru_sato

でも奉太郎は千反田さんに頼まれてやって来たのですから、邪険な扱いをされるいわれはありません。最初は怪しまれていたみたいですけど、千反田の名前を出せばすぐに中に入れてくれました。千反田の名前はそれだけ信用のあるものだということでしょうか。

2012-09-22 22:28:52
かおるさとー @kaoru_sato

準備が進む中、部屋の隅でストーブにあたりながら、奉太郎はずっと気まずい様子です。かといってよそ者が行事のことにあれこれ口出しするのもかえって迷惑ですからね。こうして置物のようにじっとしているというのはたぶん間違ってないと思います。ストーブの熱を独り占めするのはあれですけど。

2012-09-22 22:31:06
かおるさとー @kaoru_sato

男衆の代表のような方がやってきました。奉太郎も慌てて正座になります。自分よりもはるかに年上の大人に丁寧な口を聞かれると、逆に緊張しますよね。さすがの奉太郎も声が上ずってしまいます。正月にも同じような場面があった気がしますが。

2012-09-22 22:31:40
かおるさとー @kaoru_sato

「しっかりしていなさる」と生まれて初めて言われたことに、目を丸くする奉太郎。これでここにいることを許されたような気になったのか、奉太郎は少し緊張を緩めて再びストーブの前に陣取ります。……そこは動かないのですね。4月とはいえ、まだ神山市は寒いのでしょう。

2012-09-22 22:32:12
かおるさとー @kaoru_sato

着々と準備が進む中、奉太郎が何気なく漏らした一言で、事態が変わります。長久橋は行列が通るルートで、工事を止めてもらう予定でした。しかし実際には奉太郎が見たように、工事は始められていました。誰かが止めなくていいと別の電話をかけたのです。一体誰がそんなことを、と訝しむ暇はありません。

2012-09-22 22:32:30
かおるさとー @kaoru_sato

長久橋より少し先にある遠路橋を渡るルートが提案されましたが、なぜか男衆は難しい顔をします。奉太郎からすれば、なんで迷っているのかわからないと思いますが、そこはよそ者なので仕方ありません。

2012-09-22 22:32:41
かおるさとー @kaoru_sato

(この提案をした茶髪のお兄さんは、歳が若いせいか、あまり土地の事情にこだわった様子はないみたいですね。しがらみにとらわれているのは年配の方々に多いのでしょう)

2012-09-22 22:33:22
かおるさとー @kaoru_sato

千反田さんに呼ばれて奉太郎は着付け室へ。布一枚隔てた向こうには、支度途中の千反田さんがいるはずですが、声が普段よりもずっと落ち着いていて、なんだかよそよそしい印象を受けます。奉太郎の知っているクラスメイトの千反田えるではなく、彼が知らない、千反田家息女の千反田えるです。

2012-09-22 22:34:12
かおるさとー @kaoru_sato

(なぜか正座になっている奉太郎がかわいいです)

2012-09-22 22:34:55
かおるさとー @kaoru_sato

いつもの好奇心を発動させることなく、適切な対応をとろうとする千反田さん。正月のときに少しだけ、彼女が住んでいる世界に触れた奉太郎ですが、こんな千反田さんは見たことがありません。だから彼女の態度にも、意味不明な言葉にも、彼は戸惑うばかりです。

2012-09-22 22:35:16
かおるさとー @kaoru_sato

千反田さんの言葉を伝えると、スムーズにルート変更が決まり、行列は遠路橋を渡ることになりました。奉太郎も準備をします。袴を着て烏帽子をかぶりますが、あまり似合いませんね。烏帽子もそうですけど、たぶん帽子自体似合わない気がします。

2012-09-22 22:35:36
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