黒葛原歩弁護士による河本準一さんの問題を中心とした生活保護についての分析  #生活保護 #不正受給 #ナマポ #吉本興業 #河本準一 #河本 #片山さつき #世耕弘成

黒葛原歩弁護士が、お笑い芸人河本準一さんの母親の生活保護の受給が、片山さつき参議院議員や世耕弘成参議院議員、マスコミが騒ぐように不正受給であるかについて、法的に分析するとともに、生活保護を取り巻く問題について指摘した一連のツイート
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黒葛原 歩 @ATsZRA

で,扶養調査と扶養調査の間に(通常年1回の調査がなされる)収入が増えて,先の「程度」でも生活保護いらなくなる状態です,ということになれば,扶養義務者と役所の協議で77条返還ということになる。

2012-05-28 19:50:41
黒葛原 歩 @ATsZRA

以上の取扱いは,厚労省社会援護局長通知第5・2(2)及び第5・3を参照した(生活保護手帳2011・167頁以下)。ここでの通常の(違法ではない,一般的な)流れは,河本本人が会見で説明した内容とも整合すると考えられるため,私はこのケースにおいて不正受給はなかったと判断している

2012-05-28 19:53:52
黒葛原 歩 @ATsZRA

蛇足だが,問題を些か分かりにくくしているのは,局長通知第5・2(5)イの扶養の程度の「社会通念上それらの者にふさわしいと認められる程度の生活を損なわない限度」での扶養をなすべしという基準ではないかと思う。

2012-05-28 19:56:17
黒葛原 歩 @ATsZRA

この基準は,扶養に関する民法の通説と整合するものなのだが,この基準によれば,たしかに相当の金持ちでも「自分にふさわしい生活はこの程度」だからということで,「これを損なう」レベルの扶養を拒むことができることになる。

2012-05-28 19:57:48
黒葛原 歩 @ATsZRA

私は現在の局長通知による基準は正しいという意見を持っているが,人によってそう考えない人もいるだろうとは思う。だから,局長通知の在り方について議論があること自体はおかしいとは思わない。ただし,何度でもいうが,そのために個人をぶっ叩くというのは,全くのお門違いである。

2012-05-28 19:59:26
黒葛原 歩 @ATsZRA

たとえば,親が事業に失敗して生計の術を失い生活保護を受けているが,子どもは独立・就職して結婚して,自宅マンションのローンを払ってて,そのまた子ども(孫)は私立高校に通っているから扶養する余裕ありません,なんてのは,現在の局長通知からすれば多分セーフなんだろう

2012-05-28 20:03:25
正論 @pikachuu55

扶養できないと言われればそれまでとの見解ですね。 ブランド物を母親にプレゼントしたり、ビジネスクラスで母親と海外旅行したりした費用が援助額として報告されていなくても、不正とは言えないのでしょうか? @ATsZRA

2012-05-28 21:29:47
黒葛原 歩 @ATsZRA

@pikachuu55 一応ご参考まで。「芸能人や芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬・料金」については,支払者に源泉徴収義務があるとされています。下記国税庁URLをご参照下さい。http://t.co/B5ArI52V

2012-05-28 21:32:50
黒葛原 歩 @ATsZRA

@pikachuu55 長文になりますが,回答します。仕送り・贈与等による収入については,厚労省事務次官通知第8ー3ー(2)に規定があり,金銭は原則収入認定し,物も主食・野菜・魚介は収入認定すべきとされます(続)

2012-05-28 21:55:14
黒葛原 歩 @ATsZRA

@pikachuu55 他方,主食・野菜・魚介以外の嗜好品・被服・衛生用品・家具什器費・燃料等の贈与を受けた場合には,これらを収入認定しなくて差し支えないものとされています(生活保護手帳別冊問答集2011・286頁)…驚かれることと思います。一応,ちゃんと補足があります

2012-05-28 21:58:24
黒葛原 歩 @ATsZRA

@pikachuu55 以下抜粋です「しかし,贈与者と当該被保護者との関係等を考慮した上,一般の扶養義務の取扱いとして現物の贈与に代えて現金による援助を受けるよう奨励する余地はあろう。しかしながら,この場合にあっても,扶養義務関係がないか,あっても現状以上の能力がないと」(続)

2012-05-28 22:00:04
黒葛原 歩 @ATsZRA

@pikachuu55 認められる場合で,現状の贈与が贈与者の厚意によるものであるときは,せっかくの意思を阻害しないよう留意すべきである。なお,贈与品の内容等によって資産の活用の問題について検討する必要のあることはいうまでもない」

2012-05-28 22:01:08
黒葛原 歩 @ATsZRA

@pikachuu55 要するに,「折角くれたものなんだから,もらっとけ」というスタンスなのだと思います。ただし,いったんそういう援助をして貰えたなら,贈与者に対して「どうせならお金でくれませんか」と頼んでみたり,貰ったものをお金に換えたりという指導をするということでしょう

2012-05-28 22:04:45
黒葛原 歩 @ATsZRA

法律家たるもの,自分の脳内で勝手に法律を作ってしまうようではいかん。学んできた法を思い出す。分からなかったらきちんと調べる。それが法律家の誠実さというものだ

2012-05-28 22:17:30
黒葛原 歩 @ATsZRA

俺は吉本の顧問でも何でもねぇんだぞ。実は河本なんざ見たこともねぇし。ったく

2012-05-28 22:24:01
YOKOZAWA Akito @yokozie

@ATsZRA うわっ、母子健康ではなく「生活保護手帳」なんてのもあるんだ。公民権の棄損だよね^^;

2012-05-28 20:36:29
黒葛原 歩 @ATsZRA

@yokozie 「生活保護手帳○○年度版」というのは書籍名です。刊行は中央法規。生活保護法に関する通達をまとめた本で,生活保護に少しでも関わる実務家にとっては必携書といえます。別冊の,「生活保護手帳別冊問答集」も,同様の必携書です。

2012-05-28 22:38:58
正論 @pikachuu55

長文ありがとうございました。食料等が算入されて、嗜好品・被服・衛生用品・家具什器費・燃料が算入されないのが意外。結局、現金で申請以上の援助するか、何らかの手段で収入を誤魔化さない限り、紀藤弁護士の言う詐欺(不正)は成立しないという見解か。 @ATsZRA

2012-05-28 22:56:48
黒葛原 歩 @ATsZRA

@pikachuu55 私自身もちょっと驚きましたが,手元の生活保護手帳・問答集のいずれにもこれ以上の記載はないので,海外旅行・ブランドバッグのいずれについても,「仮に事実としても」収入認定の対象ではなく,したがって申告しなくとも特段の制裁はないという他ないでしょう

2012-05-28 23:00:53
黒葛原 歩 @ATsZRA

@pikachuu55 一応の理由はあると思います。旅行については,収入認定の対象になると知らない被保護者が,後で役所にこれを申告して,結果翌月の生活扶助費がゼロ,なんてことになると,それこそ生存が脅かされることになるので,現実の生活扶助のため収入認定対象から外すのは理解できます

2012-05-28 23:03:52
黒葛原 歩 @ATsZRA

@pikachuu55 旅行というのは,特に子どもからなんかだと誘われたら断りにくいでしょうから,そこを考慮してのことでしょう。ですから,その辺りのバランスを考えて,貰ったものはそのままとして「これからはお金で頂戴ね」という指導をできるという留保があるのではないでしょうか。

2012-05-28 23:05:12
黒葛原 歩 @ATsZRA

@pikachuu55 物の場合はより単純で,貰ったら質屋持ってけと,換金できた時点で収入認定するよという話と思います。生活扶助というのは,ベースがそれこそ生存のためのカロリー量はどんだけかという所から出発してますから,現物援助を収入認定対象から外すというのは確かに一貫はしてます

2012-05-28 23:07:16
黒葛原 歩 @ATsZRA

@pikachuu55 ですから逆に,富の種類が多様化している現代社会において,生活保護の出し方だとか,あるいは収入認定の仕方を,昔の農村社会を前提にしたような制度にしておいて良いのか,という議論は,有り得るのだろうと思います

2012-05-28 23:09:33
黒葛原 歩 @ATsZRA

@pikachuu55 個人的には,この件について問題だと思う方は,大いに生活保護法や実施通達について勉強して,問題があると思う部分について請願等なさるのがよろしいのではないかと思います。そのような意識は,ルールを作る側,国会・厚生労働省に向けられるべきではないでしょうか。

2012-05-28 23:13:01
黒葛原 歩 @ATsZRA

@pikachuu55 付言すれば,私が世耕氏を批判し,片山氏を批判しないのはこのためです。片山氏は政権中枢にいたことはないですが,世耕氏は安倍首相の補佐官として政権中枢にいました。彼は現在のこのルールを放置していたのに,そのルールの適用結果を非難する資格は全くないと思います。

2012-05-28 23:16:00
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