電気自動車と共に(3) by @Hirokazu_Hirano

@Hirokazu_Hirano さんのEV関連tweetを @artmas01 が勝手にまとめさせていただきました。 第1弾は http://togetter.com/li/25318 第2弾は http://togetter.com/li/29360
4
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

「電気自動車と共に 1992年〜1994年」

2010-06-20 04:01:46
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

【カリフォルニア規制と電気自動車の生みの親か?】 # EV

2010-06-20 04:02:13
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

92年から94年までの時期は、かなりの時間をカリフォルニアのZEV規制対応の戦略策定に使った。98年のカリフォルニアのZEV規制に対しての車両開発を進めるためには、その最終判断を94年までには完了しておかなければならなかったからである。

2010-06-20 04:02:32
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

そして、基本戦略をもとに、98年ZEV規制対応の詳細計画が作られ進められていった。戦略について語ることはないが、ZEV規制というものが、今日の電気自動車に対してどういう意味を持つのかということについて述べてみたい。

2010-06-20 04:02:58
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

電気自動車の最大の推進者はZEV規制だった。1990年CARB(カリフォルニア州大気資源局)は電気自動車の強制的な導入規制を決めた。自動車メーカは98年に全販売車両の2%、2003年に10%の電気自動車を販売しなければいけないという規制を作ったのだ。

2010-06-20 04:03:18
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

この規制がなければ、今日電気自動車が日の目を見ることはなかっただろう。カリフォルニアのZEV規制は今日の電気自動車の生みの親である。

2010-06-20 04:03:32
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

少なくともCARBはそう思っているし、この時間が限られ、強制力を伴った規制が、自動車会社に対して電気自動車の開発を真剣に推進させ、そしてインフラ整備のための開発が巻き起こったことは紛れもない事実だ。

2010-06-20 04:03:50
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

しかし、私はこのZEV規制に反対の立場をとっている。規制をかけること、そのものに反対しているのではない。CARBのZEV規制の進め方に反対していたのだ。CARBは生みの親でも、電気自動車の育ての親としては失格だった。

2010-06-20 04:04:13
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

CARBはカリフォルニア州だけに与えられた、独自規制という強権を用いて、電気自動車の開発を促進させたが、一方で強制導入という自動車会社に対する一方的な規制は、皮肉にも、電気自動車の普及を2000年以降、一時期大幅に遅らせるという結果を招いた。

2010-06-20 04:04:31
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

私は電気自動車の導入には、政策面では優遇策と規制の両面が必要だと考えている。その意味では規制は必要だと考えている。もしCARBのZEV規制が以下の点を考慮して進められれば、電気自動車20世紀末には成功したであろう。

2010-06-20 04:04:49
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

1) 電気自動車の販売、カリフォルニア州法人の購入、充電インフラ整備、のバランス

2010-06-20 04:05:09
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

2) 電気自動車のフリートテスト → 電気自動車に対する社会的コンセンサス → 市場競争原理というステップ

2010-06-20 04:05:25
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

3) カリフォルニア州の利益に固執しない。

2010-06-20 04:05:45
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

カリフォルニア州の利益について簡単に説明しよう。当時カリフォルニア州政府とCARBは、自州の経済を優先し、カリフォルニア州における産業の排出ガス削減を行わず、他州、他国に本拠のある自動車会社に、空質改善を要求したのである。

2010-06-20 04:06:04
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

カリフォルニア州は49州の中で唯一、連邦政府と異なる排出ガス規制を自動車会社に強制できる特権を有していたからである。

2010-06-20 04:06:19
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

93年ごろ、ZEV規制の論議がカリフォルニアで続いているときに、学会のスピーチで、米国の自動車会社の責任者が言った言葉が思い出される。正確に記憶していないが、以下のような内容であった。

2010-06-20 04:06:32
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

「ここに今生まれたばかりの不死鳥のひな鳥がいる。この不死鳥は将来大きく羽ばたくことを約束されており、大事に育てていきたいのだ。しかしながら規制はこのひな鳥を無理に巣立てようとしている。巣立てない不死鳥が巣から落とされてしまえば、死んでしまい復活することはない。」と

2010-06-20 04:06:49
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

この言葉通り不死鳥は生まれた。20世紀の末までに今の電気自動車の技術はほとんど完成した。まさに近代的な電気自動車が生まれたのだ。リチウムイオン電池など新型電池、誘導モータ、同期モータの開発、インダクティブ充電機等が90年代後半には商品化レベルまで準備された。

2010-06-20 04:07:06
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

電気自動車の性能も、現在と同等レベルに達した。航続距離160km以上、最高速度130km/hの車が各社から出された。このことは米国エネルギー省の研究機関の行った試験結果を見れば分かる。

2010-06-20 04:07:24
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

下記のリンクは、“Who kill the electric vehicle”に出てくるEVの公的試験結果である。LA4の市街地走行モードで224kmの航続距離を有し、0-80km/hの加速は6.3秒で、当時の汎用スポーツカーを超えた。

2010-06-20 04:07:42
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

車はできても、販売目標の達成義務は自動車会社だけに負わされていた。カリフォルニア州政府にも電気自動車の購入義務はなかった。

2010-06-20 04:08:34
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

当時、電気自動車の原価は非常に高額なものであった。又、航続距離の短い車が、市場に受け入れられるのかどうかの確認もできていなかった。量産のための規模な投資を、自動車会社、部品メーカは行なわなかったし、その時間的余裕もなかった。

2010-06-20 04:08:54
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

カリフォルニア州政府、電力会社も電気自動車導入前に、設備投資と都市整備と法整備を完了していなかった。市場が熟成されていない段階での強制導入だった。

2010-06-20 04:09:08
平野 宏和 @Hirokazu_Hirano

準備状況から、98年規制がフリートテストという社会実験で終わるだろうことは、予測していた。各社の規制対応の戦略もこの前提で進んでいたと思われる。しかし、私は、その後ステップを追って、電気自動車は推進されていくだろうと考えていたし、それが規制の前提条件だったはずだ。

2010-06-20 04:09:24