信頼できる人間を判断するための「真の知」について

今まで何となく信頼できる人を直感で判断していたように思っていたが、その直感の正しさを測る基準として「真の知」をもたらしてくれる言説というのを考えてみた。
2
木下秀明 @khideaki

真の知①暗黙知と創発の考察とともに「真の知」とはどんなものかという考えが浮かんできた。これが判断できるなら、誰が信用できる人間なのかを正しく判断できるような気がするからだ。僕は朝日や読売の社説は信用していない。まともそうに見えることを書いても何か裏があるんじゃないかと疑っている。

2012-06-04 09:21:39
木下秀明 @khideaki

真の知②それに対して、宮台真司さんが語ることは、それを耳にした瞬間には疑問を感じていてもその真意は何かを深く考えたい動機が生まれる。それは宮台さんを基本的に信頼しているからだ。この信頼感の違いはどこから来るのか。単に信者という信仰の問題ではない。それは真の知に関わるものではないか

2012-06-04 09:23:35
木下秀明 @khideaki

真の知③真の知を獲得するには、そこに暗黙知や創発が働いている必要がある。言葉の記憶程度の知識で、言葉を言い換えているだけの論理では暗黙知も創発も働かない。これを感じさせるものが真の知であり、宮台さんの主張にはそれを感じ、朝日や読売の社説にはそれを感じないというのが信頼性の問題だ。

2012-06-04 09:26:25
木下秀明 @khideaki

真の知④暗黙知や創発の考えは安冨歩さんから学んだ。安冨さんも、僕にとっては大きな信頼感を寄せる人間だ。このような信頼感を感じる人間は、岩上安身さん、上杉隆さん、本多勝一さんなどのジャーナリストにも感じる。ただ事実を切り取って知らせるだけではなく、その事実の大切さをも教えてくれる。

2012-06-04 09:29:00
木下秀明 @khideaki

真の知⑤安冨さんが教える「名を正す」という観点も信頼性を判断する上で有効だ。言葉の使い方を正しくすると言うことだ。朝日は「造反」という言葉を小沢さんに投げつけていたが、「造反」の中身を問うことなく言葉だけを投げつけている。ここには対象を理解する暗黙知の働きはない。。言葉だけだ。

2012-06-04 09:31:31
木下秀明 @khideaki

真の知⑥「東大話法」の高等使用者である池田信夫さんがなぜ信用できないかは、どうも胡散臭いという印象で判断しているところもあるが、真の知という観点で見るとそれがすっきりするかもしれない。安冨さんが指摘していたhttp://t.co/57VObU8Lの文章は批判するのがかなり難しい。

2012-06-04 09:36:47
木下秀明 @khideaki

真の知⑦池田さんの言葉は、高等な「東大話法」なので専門的な学術用語もちりばめられていて、それを正確に批判するのは難しい。だが「名を正す」という視点で見てみると、胡散臭さが具体的に指摘できそうに感じる。専門用語ではない表現にその発想を使って考えてみようと思う。

2012-06-04 09:44:17
木下秀明 @khideaki

真の知⑧「災害の被害というのは普通はサンクコスト(定数)なので、それを考えることは無意味なのだ」という文章は一読しただけでは意味が分からない。ここの「無意味」という言葉の名を正すことを考える。これはイメージ的には考えなくても良いと受け取れる。被害は無視していいと受け取れてしまう。

2012-06-04 09:46:55
木下秀明 @khideaki

真の知⑨「定数なので無意味」というのは論理的にはひどいものだと思うのだがこの判断の前提になっているものは何だろうか。定数というのは変化しないものだからそれに応じた答は決まってしまっているから考えるのは「無意味」だと主張していると考えられる。だが災害の被害は視点によって違わないか?

2012-06-04 09:50:44
木下秀明 @khideaki

真の知⑩災害の事実そのものは「定数」のようにすでに確定したものとして考えられる。しかし被害に対しては災害が原因だと考えるのかどうかという視点が入ってくるので事実のようには確定しない。それを「無意味」として考えないようにすることは、被害であるのに無視されるものが出てくる可能性がある

2012-06-04 09:55:30
木下秀明 @khideaki

真の知⑪この「無意味」は、災害の被害をもう確定してしまったものとして思考停止するのは「無意味」だと名を正さなければならない。むしろ何が本当の被害であるかを考えることで意味が生まれてくると考えるのが、暗黙知が働く真の知だ。そこには新たな発見が見られて論理の展開が見られるからだ。

2012-06-04 09:58:23
木下秀明 @khideaki

真の知⑫「福島事故の直接的な被害はほとんどなく、二次災害の大部分は国の線量基準に依存する変数だから、今からでもそれを最小化できる」という詭弁は、池田さんの信頼性を疑うのに十分な表現だと思う。「直接的な」という形容詞が何を意味しているかを考えるとその詭弁性がよく分かる。

2012-06-04 10:00:49
木下秀明 @khideaki

真の知⑬ほとんどすべての被害を「直接的ではない(間接的な)」被害としてしまえば、「ほとんどない」という結論を導くことが出来る。現実観察の結果としての結論ではなく、言葉の定義の中にすでに含まれている結論を引き出すご都合主義的詭弁だ。次は変数という言葉に疎い人は騙されそうな言い方だ。

2012-06-04 10:04:08
木下秀明 @khideaki

真の知⑭変数というのは、入力の値を変えると出力の値を操作できる。つまり線量基準をいじれば出力の値を小さくできるので、被害の量をいくらでも小さくできると主張している。被害を実際の観察事実から判断するのではなく、数字をいじってその値で判断しようというわけだ。高等な詭弁だ。

2012-06-04 10:08:56
木下秀明 @khideaki

真の知⑮池田さんは「線量基準の過剰規制を見直して、被災者の帰宅を促進すべきだ」と語って詭弁の締めくくりをしている。実際に危険かどうかとは関係なく、入力の数字をいじって出力の数字を基準値以下にすれば、安全だと宣言して帰宅させるべきという主張だ。このデタラメ性は分かり易い。

2012-06-04 10:12:10
木下秀明 @khideaki

真の知⑯池田さんが議論すべきは、本当に安全な基準とはどのような数値かと言うことの方だ。数値をいじって、都合のいい結論になるように操作するのでは、そこに知が働いて新たな発見をもたらすようなことはない。ここが信用できないという判断の理由だ。宮台さんや安冨さんの主張は知の働きが違う。

2012-06-04 10:14:28
木下秀明 @khideaki

真の知⑰宮台真司さんの言葉に知の展開を感じるのは、その言葉をキーワードにして、今まで見えなかったものが見えてくるのを感じるからだ。最近では「リアリティ」という言葉にそれを感じた。「リアリティ」の概念はそれなりに持っていたはずなのだが、宮台さんの説明を聞いたときにすべてがつながった

2012-06-04 23:16:11
木下秀明 @khideaki

真の知⑱いわゆる「ピンと来る」という感覚を感じた。それまでどうしても不思議に思えて仕方がなかった現象が「そうなのか」という了解が出来たという感じだ。野田さんがあれほど不合理な増税に突っ走り政治生命をかけるとまで言ってしまうのは、ポーズではなく「リアリティ」の故だと理解すれば分かる

2012-06-04 23:18:46
木下秀明 @khideaki

真の知⑲野田さんのリアリティは財務省が説明する範囲が世界だと感じてしまうようなリアリティなのだ。本来ならその世界を広げていかなければ他者のリアリティと交わるところはなくなってしまう。他者のリアリティが野田さんには全く見えてこないのでどれほど支持が下がっても自らの間違いに気づかない

2012-06-04 23:22:16
木下秀明 @khideaki

真の知⑳これに対して橋下さんのリアリティは、他者のリアリティを計算に入れて自らのリアリティを見ている。現実的に答を出せない問題は、橋下さんにとってはリアリティではない。だが、現実に人々が左右されるような利害関係は行動を決める要素としてリアリティを持っている。

2012-06-04 23:24:43
木下秀明 @khideaki

真の知21:原発の安全性は理念の問題として明確な決着はつけられない。しかし、もし停電したときの利害は、現前するリアリティとしてよく見えている。それを避けることが優先されるという判断はまさにリアリティからの判断だろう。橋下さんの行動は、そのような意味では極めて論理的なのだと思う。

2012-06-04 23:27:06
木下秀明 @khideaki

真の知22:野田さんのリアリティはこのままでは財政破綻をするので何が何でも増税をしなければならないというものだが、これは多くの人がリアリティとして共有していない。このあたりが野田さんが支持を受けない理由だ。しかし橋下さんのリアリティはそれを共有する人が確実に多い。だから支持される

2012-06-04 23:29:56
木下秀明 @khideaki

真の知23:橋下さんがポピュリストとして高い能力を持っているのは、このリアリティ感覚の正確さではないか。橋下さんの主張には疑問を感じるものも多々あるが、このリアリティ感覚は信頼できる。橋下さんを見ることによって多くの人がどのようなリアリティを持っているかが分かるのではないか。

2012-06-04 23:32:40
木下秀明 @khideaki

真の知24:「リアリティ」という視点で世の中を見ると、不思議に思えることに合理的な説明がつけられる。ここに真の知を感じるし、宮台真司さんのすごさを感じることが出来る。そして、そのすごいという感覚が間違いではないという自信も生まれてくる。真の知は現実に対して深い理解をもたらす。

2012-06-04 23:35:35