野田総理の大飯原発再稼働判断を批判する。千葉大学倉阪秀史

倉阪秀史 Hide Kurasaka @sustainablezone

（その１）なぜ野田総理の原発再稼働の判断が想像力と創造力の欠如といえるか。国民のリアクションを想像できていない。代替案を創造できていない。停電になったときに死者が出るという理由も述べていたが、そうであるならばなぜエネルギー源の多様化を図らないのか。

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（その２）原発に依存すること自体が、非常に危なっかしい。その原発が日本海側に置かれていることは安全保障上も問題。半年から1年で稼働できるガスコジェネを病院・養護施設・ホテルなどに一気に配置し、非常時であっても安心なエネルギー供給体制を構築すべき。

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（その３）ガスコジェネはこれまで捨てていた約4割の熱の部分も利用できるため化石燃料の有効利用対策としても必要不可欠。電気代が上がることによる商店や中小企業の経営難を例示していたが、原発オプションがコスト面でも引き合わなくなってきていることは、コスト等検証委員会でも指摘されている。

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（その４）スリーマイル（1979）、チェルノブイリ（1986）、東海村JCO臨界事故（1999）、福島第一（2011）と原発関連施設は10年ごとに重大な事故を引き起こしてきた。次の10年間に事故が起こらないという保証はどこにもない。

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（その５）ひとたび事故を起こすと取り返しのつかないほどコストが大きなものとなることを学ばなかったのか。よく聴くと、ガスコジェネが間に合わなかったので、この夏だけでも再稼働したいという話でもない。日本経済は原発なしに立ちゆかないと言っている。

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（その６）停電時に病人がお亡くなりになる、商店街や中小企業の方がお困りになると、弱者保護の言葉を吐いているが、結局は、原子力発電に頼る体制を維持したいというだけではないか。背景に電力多消費型産業そして原子力発電で潤っていた電力会社がいることが透けて見えてしまう。

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（その７）国民はこのような言葉にだまされるほどバカではない。野田総理はそのリアクションを想像できていないのである。（了）

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（その１）昨日つぶやいたガスコジェネと再生可能エネルギーとの関係について、補足します。再生可能エネルギーによって原発を代替することは可能です。しかし、時間がかかります。

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（その２）第一に、地熱やウィンドファーム、中規模流れ込み水力など、ある程度の発電量を見込める再生可能エネルギー施設を建設するためには、数年以上の時間がかかります。

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（その３）第二に、太陽光と風力の変動を送電網運用の中で吸収するためには、きめ細かい価格設定による需要コントロールが必要ですが、このためにスマートメーターの設置やプラグインハイブリッド車など蓄エネルギー設備の普及が必要です。

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（その４）第三に、北海道や北東北の風力ポテンシャルなど、その活用のために、送電網の整備をはじめとする施設整備が必要なものがあります。

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（その５）再生可能エネルギーが、基幹的エネルギー源に育つまでに早くて15年遅くて30年かかると考えます。従って、それまでのつなぎとなるエネルギー源が必要です。

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（その６）このときに、原発しか思いつかないのは、構想力欠如です。シェールガスの利用開始とともに世界的には供給量が増えている天然ガスをつなぎにできるはずだと考えます。

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（その７）この設備や社会システムは、将来的には、再生可能エネルギーで作られたＲ水素の供給利用システムとして活用できます。 詳しく試算したいと思いますが、ガスコジェネをつなぎとして、再生可能エネルギーを育てる対案があり、それの方が望ましいと考えます。（了）