跡もえパロ2

跡もえのパロです BR 兄妹 華ヤカ
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@k5xm0e

も「じゃじゃーん!」 跡「はあ」 も「あらけーごさん、喜んで下さらないの?清純さんは喜んでくれたのに」 跡「お前は相変わらず馬鹿だ。何故使用人の服など着ているんだ」 も「将来宮ノ杜家の当主の奥様になるんだもの!何事も経験でしょう?」 跡「…はあ」 #跡もえ で華ヤカパロ

2012-06-07 09:06:20
@k5xm0e

①ポチャン 雨漏りの音が部屋に響いて目を覚ました。 「ごめんけーご。寝てた」「ああ。スッキリしたか?」「うん。けーごは寝なくて平気?」「さっき少し寝た。寒くないか?」「ん」 こんな時もわたしの心配ばかり。汚くなった制服をぎゅっと抱き締める。どうして、こんな事に。 #跡もえ ×BR

2012-06-09 09:48:27
@k5xm0e

② 合宿に行くはずだった。それなのにわたしたちは気付いたら無人島にいて。殺し合いをさせられた。ラケットを握って頂点を争った仲間たちが、武器片手に争う。何度も血を見た。わたしは怯えるばかりで何も出来ない。きっと優しいけーごは傷ついてる筈だ。それなのに何も言わない。 #跡もえ

2012-06-09 09:51:42
@k5xm0e

③ ピンポンパンポーン 死を報せる悪魔の音が流れる。震える手でけーごの腕にしがみついた。 「さーて、生き残っているのは残り2人でーす!どうやら2人は恋人同士みたいだねー。うーん、2人で殺し合うの、楽しみにしてるよーう?」 プツンと切れた放送。今までで一番、手が震えた。 #跡もえ

2012-06-09 09:54:49
@k5xm0e

④ 「…良かった」 けーごが溜め息をついて笑う。その笑顔にわたしは全てを理解した。 「ヤだよけーご!そんなのわたし認めない!」「あーん?俺は、これが最善だと思ってる」「ヤダ!絶対ヤダ!わたしが、わたしが死ぬから!」 この人は死ぬつもりだ。わたしなんかの為に。涙が零れた。 #跡もえ

2012-06-09 09:57:22
@k5xm0e

⑤ 何度も話をしたけれどけーごの決意は変わらなかった。けーごが居なきゃわたしは生きてけないのに。頑なに考えを変えてくれない。 「…解った。その代わり、お願いがあるの」「あーん?」「わたしが、引き金を引く」「なっ!」「それが駄目なら認めない」 けーごは暫く考えて頷いた。 #跡もえ

2012-06-09 10:01:49
@k5xm0e

⑥ けーごが膝の上に頭を乗せる。わたしは抱きかかえるようにそのこめかみに銃口を向けた。 「そう言えば覚えてる?」「ん?」「初めて会った時」「覚えてる。忘れる訳ねーだろ」「記念日も誕生日もクリスマスも?」「お前と過ごした日全部だ」 ガタガタ震える手。涙が次々と頬を伝った。 #跡もえ

2012-06-09 10:06:54
@k5xm0e

⑦ 「もえ」「ん?」「愛してる」「!」 けーごが目を閉じた。大好きなアイスブルーの瞳が、瞼の裏に隠れる。 「わたしも、愛してるよ」「生きろ。死ぬなよ?どうか、幸せに、な」「…っ」 ズキューン 震えるその手で、引き金を引いた。 #跡もえ

2012-06-09 10:09:58
@k5xm0e

⑧ 「け、ごっ、」 銃を投げ捨ててけーごにすがりつく。 「けーご、けーご、けーごっ!」 わたしを守ってくれた手はもう動かない。好きだと言ってくれた唇はもう囁かない。わたしを温めてくれた温もりはもうここにはない。 ピンポンパンポーン 悪夢の終わりを告げる音が島中に響いた。 #跡もえ

2012-06-09 10:13:17
@k5xm0e

⑨ 「おはよう、けーご。え?今日はいい天気だよ?だからお散歩に行こ。ふふ、大丈夫だよ。けーごは心配性だなあ」 四角く白い空間。カーテンを風が揺らす部屋の中、少女が1人笑う。 「大好き、けーご。愛してる」 その腕に抱えられているのは、ただの人形だけである。 #跡もえ ×BR 終わり

2012-06-09 10:17:56
@k5xm0e

00 #跡もえ ×兄妹禁断愛 諸注意と設定 ・跡部ともえが双子 ・跡部病んでます。歪んでます。 ・もえは最初違う人(柳生w)が好きで付き合ってます ・2人は高校三年生 ・テニス全く関係ないです ・まあまあハピエンです

2012-06-10 00:15:46
@k5xm0e

01 「わたしちはふたごだからふたりでひとつなの」 いつからだ? 「だから、うれしいこともかなしいこともふたりでぜーんぶいっしょ」 いつから2人は1つじゃなくなった? 「ずっとずっといっしょなんだよ!」 俺はお前をこんなにも好きなのに。 「やくそく!」 どうしてお前は、 #跡もえ

2012-06-10 00:20:55
@k5xm0e

02 俺は双子の妹に恋をしている。キラキラ輝くプラチナの金髪。漆黒の瞳にぷっくりした唇。拗ねた顔も、笑顔も、泣き顔も、全部全部。愛しくて。どうして俺たちは血を分けた双子なんだろう。何度も嘆いた。だけどある日を境に嘆きは消え、これは運命なんだと思うようになった。 #跡もえ

2012-06-10 00:25:53
@k5xm0e

03 「前世で本当に愛し合ってた2人は次の世で異性の双子に生まれるっていう逸話があるの。だから2人は前世で恋人同士だったのかもしれないね」 中学校の先生が教えてくれた話。そうだ。だから俺はこんなにもえが愛しくて愛しくて仕方ないんだ。俺は、異常じゃない。これが普通なんだ。 #跡もえ

2012-06-10 00:29:46
@k5xm0e

04 それからすんなりもえが双子の妹であることを受け入れる事が出来るようになった。俺たちが双子として生まれたのは運命だ。 「行ってきます!」「こらもえ!走るな転ぶぞ!」「大丈夫だもーん」「とか言いながらこないだ転んだのどこのどいつだ」「う」「ほら、手繋ぐぞ」「うん!」 #跡もえ

2012-06-10 00:32:32
@k5xm0e

05 恋人みたいに仲がいいのね。よく言われるような俺たちだった。手を繋いで歩いて学校まで行く。いつも一緒だった。それなのに 「わたしね、好きな人ができたの」 ふわり笑うもえ。ああ、そんな笑顔をしないで。俺以外のために、そんな笑顔で笑わないで。壊してしまいそうになる。 #跡もえ

2012-06-10 00:34:37
@k5xm0e

06 わたしには双子のお兄ちゃんがいる。口うるさいけど凄く格好良くて世界で一番大切な人。わたしの半身。わたしの最大の理解者でわたしの心強い味方。けれど彼はたまに遠い目でわたしを見る。ねえ、けーご。その目で何を見ているの?わたしには解らないよ。 #跡もえ

2012-06-10 00:38:11
@k5xm0e

07 高校三年生の夏。市内の図書館でわたしは柳生君に出会った。彼は同い年なのに凄く紳士的で好きになるのに時間はかからなかった。それまではけーごの定位置だった右側はすぐに柳生君の物になった。生まれて初めての恋。毎日が楽くて。けれどその頃からけーごがおかしくなった。 #跡もえ

2012-06-10 00:42:01
@k5xm0e

08 柳生君とデートをしていると鳴る携帯。それはけーごの不調を告げるものでわたしはけーごが心配だからとデートを切り上げる事が多くなった。わたしが一緒じゃなければ行かないと言うからけーごと学校に行くようになった。どんどん削られる柳生君との時間。そんなけーごが怖くなった。 #跡もえ

2012-06-10 00:46:09
@k5xm0e

09 「どこ行くんだ?」「デート」「行くな」 どうして?その言葉を飲み込んでわたしは家を出た。デート中、携帯が何度も鳴ったけど、わたしは全部無視した。 「いいんですか?」「どうせけーごだから」「駄目ですよ。ご家族は大切にしないと」 柳生君に促されて仕方なく電話に出た。 #跡もえ

2012-06-10 00:48:56
@k5xm0e

10 『もえ、けーごが!』 頭が真っ白になる。 「ごめん!」「え?」 唖然とする柳生君を残してわたしは店を出た。けーごが事故にあった。赤信号で横断歩道を渡ってトラックに跳ねられたのだそうだ。 どうしてだろう。視界がチカチカして胸が痛い。怖い。けーごが居なくなるのが怖い。 #跡もえ

2012-06-10 00:52:10
@k5xm0e

11 恋人ができたと離れていくもえ。いつも俺の定位置だった場所には知らない男が立つようになった。 デート中のもえに電話をして呼び戻す。体調が悪いと言えば素直に心配して帰ってきてくれた。学校にも一緒じゃなければ行かないと言えばもえはまた一緒に登下校してくれるようになった。 #跡もえ

2012-06-10 00:55:08
@k5xm0e

12 けれどそれが通用したのも初めだけ。次第にもえは「けーごおかしいよ?」と怖がるようになった。 「どこ行くんだ?」「デート」「行くな」 デートに行くもえを呼び止めたけれど、もえはチラリと俺を見ると家を出て行ってしまった。  どうして。俺はこんなにも、愛しているのに。 #跡もえ

2012-06-10 00:58:11
@k5xm0e

13 ふらふら家を出て歩く。 ずっと一緒だよ。 約束した公園。 けーごと結婚する! 2人誓った教会。 わたし、好きな人ができたの。 そう告げられた帰り道。 行く宛もなく歩いて。いっそのこと死んでしまおうかなんて考えた次の瞬間。けたましいクラクションが聞こえて体が跳ねた。 #跡もえ

2012-06-10 01:03:42
@k5xm0e

14 「目を覚ますかどうかは、彼次第です」 なんとか一命を取り留めたけーごだったけれど、目を覚ます気配はない。もう3ヶ月も眠ったまんま。毎日お見舞いに来てもまるで人形みたいに眠ってるだけだ。 「やっほーけーご。まだ、眠ってんの?」 けーごがこうなって、気付いた事がある。 #跡もえ

2012-06-10 01:08:00