跡もえパロ2

跡もえのパロです BR 兄妹 華ヤカ
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@k5xm0e

15 わたしがけーごを好きだと言う事だ。 最初は信じられなかった。だってけーごは双子のお兄ちゃんで家族だ。だけど、けーごの息がもしも止まってしまったらと考えるとわたしも死んでしまいたくなる。けーごが居ない世界で呼吸なんてできない。柳生君でも考えたけどそうは思えなかった。 #跡もえ

2012-06-10 01:12:39
@k5xm0e

16 気付いてしまったから柳生君と別れた。そして中学の先生の話を思い出した。 ーーそうだ、わたしはけーごの事前の世から好きだったんだ。 そう考えたらなんだかすっきりして。何もかもがカチンとはまったような感覚。 「早く起きてよ」 わたしは眠るけーごの唇にキスを落とした。 #跡もえ

2012-06-10 01:17:13
@k5xm0e

17 「まだ眠ってんの」 遠くでもえの声がする。起きなきゃ。でも起きたくない。だって起きてもお前は俺の隣にいない。なら生きていたって仕方ないだろ。だから眠ったままでいい。 「早く起きてよ」 唇に感じる温もり。 「けーご、好き」 それがもえのものだと感じた途端俺は、 #跡もえ

2012-06-10 01:22:59
@k5xm0e

18 眩しさに目をしかめる。ぼやけた視界の中、もえの泣きそうな顔が見えた。軋む身体を動かしてもえを引き寄せた。 「けーご?」「お前には俺が居なきゃ駄目だって、解っただろう?」「なに、それ。3ヶ月も寝てたのに、いきなり、それな訳?」「どう、なんだ?」「そうだなーーーーー #跡もえ

2012-06-10 01:26:37
@k5xm0e

19 「わたしちは双子だから2人で1つなの」 何を今更。 「だから、嬉しいことも悲しいことも2人でぜーんぶ一緒」 ああ。 「ずっとずっと一緒なんだよ」 当たり前、だろう?  「約束!」 嗚呼、やっと捕まえた。 #跡もえ ×兄妹禁断愛 おしまい

2012-06-10 01:31:16
@k5xm0e

「今、なんて」「せやから、もえちゃん、事故に合うたんやて。親父から連絡、あったんや。家の病院に運ばれたて」「くそっ」「跡部!」 学校を荷物も持たずに飛び出す。嘘だ。だってさっきまでメールしてて、寝坊したけど今から学校行くって。ああ、やっぱり迎えに行けば良かった。 #跡もえ でif

2012-06-11 16:27:32
@k5xm0e

走って走ってついた病院。 「さっき、事故に遭って運ばれた七瀬もえの病室は!?」 案内されたのは病室なんかじゃなくて、地下にある暗い部屋。 ゆらりゆらりと昇る線香の煙。真っ白な布が顔にかけられたもえ。吐きそうになるのを堪えて近付いた。 #跡もえ でif

2012-06-11 16:31:18
@k5xm0e

恐る恐る白い布を捲れば、もえの白くなった顔が現れる。目立った外傷はなく、今にも起きてびっくりした?と言い出しそうなくらい安らかな顔。 だけどもう、もえは動かない。 「もえ」 頬に触れると驚くほど冷たかった。 #跡もえ でif

2012-06-11 16:34:31
@k5xm0e

「起きろ」 微動だにしないもえ。 「遅刻するぞ」 どうして。 「パフェ食べに行く約束しただろ」 こんなの嘘だ。 「白石の彼女とか柳の彼女とか、千歳の彼女とか。皆と遊ぶ約束してるんだろう?」 信じたくない。 「俺から離れないんじゃないのか?」 けれどこれは事実だ。 #跡もえ でif

2012-06-11 16:37:52
@k5xm0e

止まった心臓。冷たい身体。 日溜まりのように温かいあの笑顔も、ふてくされた顔も、拗ねた顔も。 全部全部、もう見れない。 人間悲しいと涙が出ないというが、確かにその通りだ。何も感じない、何も見えない、何も考えられない。 ただここにあるのは、もう彼女がいないという事実だけ。 #跡もえ

2012-06-11 16:40:00
@k5xm0e

止まった心臓。冷たい身体。 日溜まりのように温かい笑顔も、ふてくされた顔も、拗ねた顔も。 全部、もう見れない。 人間悲しいと涙が出ないというが、確かにその通りだ。何も感じない、何も見えない、何も考えられない。 ただここにあるのは、もう彼女がいないという事実だけ。 #跡もえ でif

2012-06-11 16:40:18
@k5xm0e

「なあなあユーシ。最近跡部やばくね?」「せやなあ」「ぞっとするくらい冷たい目、してるよな」「しゃーないやろ。跡部にとってあの子は半身やったんや」「そう、だな。死んだりしねえよな、跡部」「……当たり前や」  「お前ら部活始めるぞ」 「!」「ああ、今行くわ」 #跡もえ でif 終わり

2012-06-11 16:44:10