ミノタウロス関連のツイート

個人的なTLメモ
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Yukako MATSUMOTO 🐦️ @snowystreet

@tamanoirorg ありがとうございます。アップしました。佐藤亜紀『ミノタウロス』考 素案 - http://fubako.g.hatena.ne.jp/yukatti/20100711/p1

2010-07-11 02:27:02
Yukako MATSUMOTO 🐦️ @snowystreet

八方美人男さんによる佐藤亜紀『ミノタウロス』評。"語り手はまぎれもない自分自身という意識に敏感な早熟さ、より現代的な思考を持ち合わせて//そうした哲学的な側面は、本書のなかでは注意深く隠されているし" / 『ミノタウロス』 http://htn.to/CoiuYG

2010-07-11 05:13:55
Yukako MATSUMOTO 🐦️ @snowystreet

佐藤亜紀×仲俣暁生『 ミノタウロス(佐藤 亜紀)』を語る@ジュンク堂書店池袋本店喫茶室 にじむ @nijimu さんによるリポート / Mint Julep(2007-08-09) http://htn.to/Ci2nJW

2010-07-11 05:21:31
Yukako MATSUMOTO 🐦️ @snowystreet

『ミノタウロス』でウルリヒはポーランドのクラカウ(ドイツ語。現在はクラクフ)の出のドイツ人で、彼が国に帰るといっても第一次世界大戦後のポーランド独立などで実は簡単な問題ではなくなっているわけです。…という点の追記をまた後ほどする予定です。 http://htn.to/F8BEPU

2010-07-11 10:50:14
@psgaba

佐藤亜紀『ミノタウロス』に『小説のストラテジー』で行われたユルスナール『ハドリアヌス帝の回想』の分析が使えるのではないか。すなわち『ミノタウロス』を回想録として読むことが可能なのではないか。

2010-07-11 17:19:04
@psgaba

回想録はいわば読者に自分をプレゼンするジャンルである。自分をこういう人間として受け取って欲しい。そのために揺るがない声が必要とされる。ナボコフ『ロリータ』のハンバートのように、どこまで本気か読者が悩むような語り手では、語り手のプレゼンする自己を読者に受け取ってはもらえない。

2010-07-11 17:21:42
@psgaba

『ミノタウロス』では前編カギ括弧なしの間接話法が用いられている。直接話法が他者の声をそのまま取り込むものだとしたら、間接話法は他者の声を一旦自分に入力してから出力するものである。つまり他者の声を自分の声に紛らわせ、自分の声を浸透させてから、出力しているのだ。

2010-07-11 17:24:38
@psgaba

直接話法よりも他者の声が減じることになり、他者の声を取り込みながらも、ある程度の単声性を確保することができる。『ミノタウロス』は間接話法を用いることにより、回想録に適した単声性の語りを手にいれたのではないだろうか。

2010-07-11 17:26:52
@psgaba

『ミノタウロス』はヴァシリの一人称による語りにもかかわらず、語り手のヴァシリの死も死後も語られている。ここから語り手を死者とみなすことも可能だろう。

2010-07-11 17:28:15
@psgaba

『ハドリアヌス帝の回想』が死を前にした諦観だとしたら、『ミノタウロス』は死後の諦観である。あっちが20世紀の人間の回想録だとしたら、こっちは20世紀の人間の残骸の回想録である。その語り手には字義通りの人間の残骸――死体が望ましい。

2010-07-11 17:29:37
@psgaba

ハドリアヌスが20世紀前半の教養人の考える古典的理想の体現者であるのに比べると、ヴァシリはただの地主の息子で犬のように殺された人間だ。当然ハドリアヌスほどの揺ぎない単声性はもち得ない。

2010-07-11 17:32:18
@psgaba

さらに第一次世界大戦もロシア革命も既に起こっている。収容所群島はスタートを切ったのだ。人間の破産が宣告されている以上、やはりハドリアヌスほどの揺るぎなさは望み得ない。ヴァシリはもう壊れていて人間のふりをしているだけなのだ。ゆえに同じ回想録とはいっても、その単声性のレベルは異なる。

2010-07-11 17:34:17
@psgaba

だが冒頭以降は基本的に現在進行形である『ミノタウロス』を回想録というのは無理がないだろうか。ここでも間接話法がものを言う。間接話法は入力→出力という過程を経るために、そこには必然的にタイムラグが発生する。

2010-07-11 17:35:46
@psgaba

だから間接話法による現在進行形は現在進行形ではない。どうしてもワンテンポの遅れは生じるはずだ。見せかけの、擬似現在進行形とでも言うべきものなのだと思う。

2010-07-11 17:37:10
@psgaba

ぼくには『ミノタウロス』の語りには、薄い膜を隔てたような、切迫感を欠いたものを感じる。我ガ事終ワレリ。そんな地点から語っているように思えて仕方ないのだ。『ミノタウロス』がしばしば、「淡々とした」「醒めている」と評されるのも、これによる部分が少なくはないのではないだろうか。

2010-07-11 17:41:13
@psgaba

ヴァシリはローマ五賢帝に数えられるハドリアヌスのような偉人ではないので、視野が狭く、自己観察も行き届いていない。たとえ死後の時点でもロシア革命全体を見渡すパースペクティブは持っていないだろう。にもかかわらず語りの声をできるだけひび割れさせまいと努力はしているにではないか。

2010-07-11 17:45:57
@psgaba

知能は高くても本質的にけだもの、といった自己像を読者に提示すること。そしてそのためにできるだけの声の揺ぎなさ、単声性を確保すること。これが『ミノタウロス』の間接話法や文体をあのようなものとして要請したのではないだろうか。

2010-07-11 17:47:42
Yukako MATSUMOTO 🐦️ @snowystreet

@psgaba あ、ヴァシリが実は死んでる、というのは、死後か何かそういうあやふやなとこからの回想じゃないか、ということです。例えば、文庫版p.225で客車に置き去りにされてるところなどで実は死んではないよね?とか、肉体と精神の死と分けて考えればいいかなーとか、、迷っております。

2010-07-11 18:11:25
psgaba @psgaba

@snowystreet 靴裏の血を擦りつけて拭く、というところですね。あそこもじっくりと考えてみたい照応関係です。ただヴァシリが意図的に叙述を曖昧にさせることはないんではないかと。回想録は語りの揺るぎなさを担保にするものですから。少なくとも揺るがないよう努力はしているはず。

2010-07-11 18:21:20
@zazie_k

@snowystreet 飛行機の機種、答え合わせできて助かりました^^何種類か絞っていたところ、Bristolも候補にしていたので嬉しいです。 ホルテンHo229は当てられず…ウルリヒが兵に志願した1914以前で既出の考案を参考に描いたものかと思い込んでいたので(´∀`;)

2010-07-12 03:49:23
@orionaveugle

id:Thorn (@orionaveugle):@snowystreetさんの 『ミノタウロス』ノート - Flying to Wake Island http://htn.to/qVgiLf

2010-07-12 11:18:56
@sorekara346

岡和田晃氏( @orionaveugle )が時折ヴァシリの言に対して「たぶん18~19世紀小説の常套句なのではないか」といったようなことを発言されていて、それはどういうことなのか?と考えていたわけです。

2010-07-12 16:22:38
@sorekara346

自分ではその内容の正否の検証は現状不可能ですので、便宜的に「そうである」として考えて見ました。これは岡和田さんの意図されたことでは全然無いでしょうし、飽くまでもそこからの連想でしかないのですが…。ヴァシリは内面化された言語を獲得していないのではないでしょうか?

2010-07-12 16:28:31
@sorekara346

つまり「母語」。私にとっては日本語ですね。それが無いのではないか?ウクライナ語だろうが、露語、仏語、独語であろうが全て外国語として習得してしまったのではないか。

2010-07-12 16:30:50
@sorekara346

言葉によって規定され、それによって自己を確認し、語るというのが「人間の条件」と言うならば、ヴァシリは極めて巧妙に(その能力が故に)人間の外皮を被っている、人間のふりをしているのに過ぎないのではないか。

2010-07-12 16:33:39
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