白石朗(@R_SRIS)氏のイタリック原文ありの小説の翻訳方法について

まとめました。
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白石 朗/SHIRAISHI, Rou @R_SRIS

【以下連投】イタリック原文ありの小説翻訳。うちはこんな感じで指定し編集さんと相談で最終決定です。【1】文中の単純強調イタ→傍点(お手本は往時の小松左京)or強調訳文(←「原文イタですが傍点不要?」と編集校閲チェック入る場合も。ご提案に従うこともイキママ指定のこともあり。都度判断)

2012-06-18 22:09:20
白石 朗/SHIRAISHI, Rou @R_SRIS

【2】固有名詞イタリック。書籍は1冊で刊行されていれば『題名』(ちなみに中短篇は「題名」)。映画やテレビの題名・番組名は前は《題名》で今は〈題名〉にすることが多い。アルバムは《題名》一曲だけは〈曲名〉。TVドラマは《題名》で〈エピソード題〉。新聞雑誌はカッコなしでタイムズ紙(誌)

2012-06-18 22:11:03
白石 朗/SHIRAISHI, Rou @R_SRIS

【3】語りの位相が異なるイタリック( @Schunag さん用語) a:私的に好きなのは適度な違和感ありつつ可読性損なわない教科書体(か類似書体)。日本語活字の斜体はあまり好きではない。どうしても斜めにしたければ宋朝体があるがこれも明朝内では違和感がある(あくまでも個人の感想)。

2012-06-18 22:13:03
白石 朗/SHIRAISHI, Rou @R_SRIS

【3続】b:明確な章変えがあって章が丸々イタリック、あるいは章内でも前後1行アケ等で位相・内容・時間軸違いが明示されている場合→【3】aにならって教科書体(or類似書体)にしてもいいし、区分けが明確なので明朝ママでもOKな場合も(その場合、前後1行アケ+行頭2字サゲが望ましい)。

2012-06-18 22:15:11
白石 朗/SHIRAISHI, Rou @R_SRIS

【3続】c:前後1行アケなしor段落中・文中で文or単語単位で語りの位相が変るイタリック→前後一行アケ等(≒映画でいう場面転換の溶暗)で区切らず視点・語り・時間軸・次元等が変ることを示す作者の意図を想定して行アケ等の処理はせず、原著にならって前記した教科書体(か類似書体)で対応。

2012-06-18 22:17:37
白石 朗/SHIRAISHI, Rou @R_SRIS

【4】a:内的独白・内的フラッシュバックや超能力会話等のイタリック→字体は変えずに《会話・発話》。b:前aのイタリック原文内の強調の意の普通書体部分→明朝か細ゴシックにする。強調のゴシック原文なら翻訳は中ゴシック等で適宜対応。c:その他大小ポイント変更等は原書に添いつつゲラで相談

2012-06-18 22:20:09
白石 朗/SHIRAISHI, Rou @R_SRIS

【5】イタリック篇は以上。以下キング作品あるある篇。原文にロゴマーク現物挿入。a:挿絵等と同様の扱いで原書頁該当部紙焼き貼込み(死語?)。b:日本語にする必要があれば類似書体を写植活字書体見本で探して原稿に提案を添付する→あとはゲラ段階で編集氏と相談。書体によって正字なき場合あり

2012-06-18 22:22:34
白石 朗/SHIRAISHI, Rou @R_SRIS

【6】a:原文に手書きメモが挿入されている場合→訳して編集氏に手書き原稿をお願い→紙焼き貼込み。b:原稿であることを示すタイプライター活字の場合。以前ならドット風味ワープロ文字書体だったかも。『骨の袋』は400字原稿用紙字組で(昔の若干偏平な)新聞活字書体で代用した記憶あり。

2012-06-18 22:25:13
白石 朗/SHIRAISHI, Rou @R_SRIS

【7】上記諸原則にとらわれずその場その場で対応する。他の方の訳書で巧みな処理を見かけたら真似る(パクるとも・笑)。でもやっぱり縦組斜体は勘弁してね。以上、書体やポイントを変えるのが好きな作家さんたちの作品を訳しながらいつしか出来た現場処理法でした。連投失礼いたしました。ぺこり。

2012-06-18 22:26:22
unyue @unyue

@R_SRIS @Schunag 個人的には、教科書体の違和感も相当なものです。 #honyakmonsky

2012-06-18 22:27:58
Schün Ngash @Schunag

@unyue @R_SRIS 教科書体はなぜかポ数(活字の大きさ)が小さめに見えますね。ぼくは比較的教科書体を使います(担当書では『暗号名サラマンダー』の教科書体づかいは好き)が、改行に挟まれた独立した段落なのが望ましいと個人的には思っています(手紙/回想など)。

2012-06-18 22:31:12
白石 朗/SHIRAISHI, Rou @R_SRIS

@unyue 明朝に斜体をかけただけとは異なり、もともとが縦組を想定して作成された書体なので、明朝内で「作品にとって必要な違和感」をそなえつつ、私的には過度な違和感や「私的読みにくさ」の少ないぎりぎりの着地点かな、と。

2012-06-18 22:31:48
Schün Ngash @Schunag

@unyue @R_SRIS ぼくが太明朝を多用するのは、明朝による文字列にまじりこんでも異物感が少なく、強調のインパクトだけが浮き上がるため。これ以外は改行を経ないと違和感があります。

2012-06-18 22:32:26
白石 朗/SHIRAISHI, Rou @R_SRIS

【追加1】書体変えとは別の話。昔は本文中の手紙や報告書や調書等の引用箇所は原書書体レイアウトに関係なく、前後1行アケ+2字下ゲが一般的だったと思うのですが、この十年くらい2字下ゲのない翻訳書が増えている印象があります。守旧派のロートル(死語)としてひそかに引用2字下ゲ復活運動中。

2012-06-18 22:36:18
unyue @unyue

@R_SRIS 字としては寧ろ美しいと思うのです。それが、見慣れた明朝体中にはいると何故あの様な違和感を醸すのか… 不思議です。 #honyakmonsky

2012-06-18 22:38:09
Schün Ngash @Schunag

@R_SRIS あ、それは気づいていませんでした。前後1行アキ、全体1w下げ、行頭のみ2w下げ、がスタンダードだと思ってました。少なくとも字下げしないと地の文との「位相がちがう」ことがわかりにくくないですか。

2012-06-18 22:38:36
白石 朗/SHIRAISHI, Rou @R_SRIS

@Schunag 2段組なら行頭2字サゲ+全体1字サゲでいいと思います。40字前後だと全体2字サゲが慣れもあって好み。ただ、その位相ちがいを明示するための字下ゲのない本がたまたま目についたんですよね。

2012-06-18 22:42:13
unyue @unyue

@Schunag @R_SRIS 私も太明朝になるのが一番好きです… 戸惑いも少ない。前に云いましたが、字体の違和感云々よりも、微妙すぎて解らない(?)のが最も良くないかなぁ… 解りにくいのに「あれ?」と云う違和感! は嫌です… #honyakmonsky

2012-06-18 22:43:50
白石 朗/SHIRAISHI, Rou @R_SRIS

【追加2】欧米の本は頁頭か頁末にある1行アケは*を打ってアケを明示してある場合が多いが、日本の本でもこれが定着してほしい(理想は2行ドリ中央5字下ゲ*1個)。或は頁頭・末に一行アキが来ないよう校了前に調節してほしい。出来るときは再校で処理しますが無理な場合もあるのでやはり*希望

2012-06-18 22:44:12
Schün Ngash @Schunag

@R_SRIS ぼくは2w下げにすると何か下がりすぎちゃってる気がするんですが、そこらまで話が行くと完全に「個人の感想」ですね。ゲラのやりとりって、こういうのをすりあわせる作業でもあります。

2012-06-18 22:46:28
白石 朗/SHIRAISHI, Rou @R_SRIS

【追加2の余談】活字版で頁頭・末の*印つき一行アケだからといって電子書籍で同じ箇所を律儀に*つきにする必要はない。ただし電子書籍では、紙版でただの一行アケだった箇所がユーザー設定画面の一番上と一番下に来たら、一行アケ明示用*印を自動挿入するくらいの機能は欲しい(もうあるのかな?)

2012-06-18 22:48:07
a nanny mouse @anannymouse

@R_SRIS キンドルでは画面に対するスペースが普通に目に入るので、紙のページのようにわからないということはありませんが。

2012-06-18 22:51:03
白石 朗/SHIRAISHI, Rou @R_SRIS

@unyue 明朝と太明朝で対応できる著者であれば太明朝は理想です。ただフォント使い師のような作家、それが根幹にかかわっているような作品の場合、敵(?)もフォントをどんどん増やすので、こちらもない知恵を絞ってほかの書体をさがしています。

2012-06-18 22:56:08
白石 朗/SHIRAISHI, Rou @R_SRIS

@anannymouse なるほど。では杞憂でしたね。ご教示ありがとうございました。

2012-06-18 22:57:42
Schün Ngash @Schunag

@unyue ただ太明朝は「まじりこむイタリック」の現段階での解で、フォントがえに著者の意図が明らかに反映されている場合(読む側に違和感を与えるものも含む)は考えどころで。ちがいが微妙なのは論外ですね。 @R_SRIS

2012-06-18 23:01:11