昨日発生していたサイトログインできない不具合は修正されております(詳細はこちら)

クローズアップ現代「“里山”汚染メカニズムを解明せよ~福島農業・2年目の模索~」書き起こし・ほぼ完全版 #nhk 

6月20日に放送されたものを文字起こししています。 進行:国谷裕子アナ ゲスト:小山良太(福島大学・准教授)
11

VTRが流れます

とし @toshihiro36

<ナレーション> 先月二本松市で開かれた研究者と農家による、里山の汚染対策プロジェクトの会合です。研究者たちは調査結果を随時農家に報告し、日々の農作業に役立ててもらいたいとしています。新潟大学准教授の吉川夏樹さん、田植え前のこの日農家に伝えたのはこれから注意すべきポイントでした。

2012-06-21 09:17:29
とし @toshihiro36

吉川:我々が一番心配しているのは、大雨が降った時どういうふうに山地の表面を通って、水が渓流水に入ってくるのか。

2012-06-21 09:20:18
とし @toshihiro36

<ナレーション> 山の中には今もなお、膨大な量の放射性物質がとどまっています。セシウムが付着した落ち葉や雑草、動物の死骸などの有機物は、ミミズや微生物などによって分解され、地表部分に蓄積し続けています。

2012-06-21 10:41:14
とし @toshihiro36

吉川:こういった有機物が一緒に沢に運ばれて流されていって、それが出水時…大きな雨があった時に、水田とかに入っていく可能性があると思います。

2012-06-21 10:45:10
とし @toshihiro36

<ナレーション> 吉川さんは、山から流れ出る有機物に含まれる放射性物質の濃度を、継続的に監視しています。ここまでの測定では、稲に影響を与えるレベルの値は出ていませんが、水の中の放射性物質の8割以上はにごりなど有機物の中にあることがわかってきました。

2012-06-21 10:49:32
とし @toshihiro36

<ナレーション> 今後、大雨によってセシウムが付着した大量の有機物が山から一気に流出し、水田に入りこむ恐れが出てくると吉川さんは指摘しています。 

2012-06-21 10:54:53
とし @toshihiro36

<ナレーション> 里山の汚染対策プロジェクトに参加している、専業農家の大野達弘さんです。吉川さんたち研究者からの助言を受け、大雨の時に大量の有機物が水田に入らないよう、対策に乗り出しています。

2012-06-21 10:56:43
とし @toshihiro36

大野:田んぼに入ってくる水の浄化っていうか、泥水から放射性物質を取るのにはゼオライトよりも効果がある(可能性がある)ということだから。

2012-06-21 11:01:38
とし @toshihiro36

<ナレーション> 大野さんは田んぼに水が入る水口あたりの土を掘り、小さなため池を作りました。そしてもみ殻を入れた袋をその中に敷き詰めます。山から流れてくる水に含まれる有機物をいったんここで食い止め、濾過した水を水田に供給しようというのです。

2012-06-21 11:08:05
とし @toshihiro36

大野:用水から入るやつをなんとか浄化して、田んぼにこれ以上…放射能が高くならないように。やれることは、みんなやって。誰しも考えないと…

2012-06-21 11:11:38
とし @toshihiro36

<ナレーション> 里山の汚染対策プロジェクトのリーダー野中昌法さんです。水の管理だけでなく、雑草や落ち葉の処理、そして山の手入れなど里山ならではの昔ながらの農作業も、セシウム対策のカギになるのではないかと考えています。

2012-06-21 11:15:56
とし @toshihiro36

野中:昔は田んぼを作る前に管理して、木を切って枝打ちをしてたわけですね。それがやってない田んぼは、雨が降ったり風が吹いたりすると田んぼに入ると。森林がいま全体が(放射性物質の濃度が)高いので、そこから入り込むと。

2012-06-21 11:21:59

スタジオに戻ります

とし @toshihiro36

国谷:大野さんが行っていた、あのもみ殻で有機物をせき止める。うまくいくといいですね。

2012-06-21 11:24:12
とし @toshihiro36

小山:もみ殻を使うというのは研究者チームと農家で対話しながら、実際の営農の中で考えられた方法だと思います。こういうことが実際に科学的知見を運用するときに必要になる。こういうのがないと、なかなか現場に普及しないと思います。

2012-06-21 11:28:21
とし @toshihiro36

小山:それからもみ殻は実際に1年間でどれだけの放射性物質が含まれたかを測定することが可能になりますので、そういう作業がこれから必要になると思います。

2012-06-21 11:30:54
とし @toshihiro36

国谷:有効性がどこまであったか、きちっと秋にデータを取るということも必要になってくるということですね。そしてしかし大きな意味での里山での稲作を安全にしていくためには、やはり里山の管理が必要ではないかといった声、どうお聞きになりましたか?

2012-06-21 11:34:39
とし @toshihiro36

小山:農業の現場に放射性物質が入ってくる、一番の入り口になるのが里山になるわけですけれども。この管理はたしかに難しいわけです。高齢化も進んでいますし、担い手も不足している。限界集落も多いと。

2012-06-21 11:38:32
とし @toshihiro36

小山:しかし通常いままでやってきた営農の作業、例えば落ち葉を拾う、除草する、枝打ちをする…難しいからやらないということであると、放射性物質がどんどん下に落ちてきてしまうわけですね。なのでこういうところから通常の農業政策も含めた里山の管理というものを勧める仕組みをどう作るかが重要。

2012-06-21 11:44:33
とし @toshihiro36

国谷:自分で作っていた米のやり方で、なかなか米作りができなくなって自信を失っている方々もいらっしゃるかと思うんですけれども。そういった方々が生産意欲を持続して持ち続けられるようにするためには、何が必要だとお考えですか?

2012-06-21 11:49:55
とし @toshihiro36

小山:やっぱりこれまでに出てきた科学的な知見、対処の方法。出てきたとしても、それを現場に普及できないと意味がないわけです。なので農家それぞれに汚染度も違うし、土壌も全部違う。そういう成分分析をしたうえで、技術情報をマッチングするような仕組み、それを現地でどう作るかが必要になる。

2012-06-21 11:54:48
とし @toshihiro36

小山:既存の農業現場では普及員制度だったり、営農指導員の制度もありますので、そういうものを現場に戻す必要があると思います。

2012-06-21 11:56:53
とし @toshihiro36

国谷:今はみなさん、離れていらっしゃるんですか?

2012-06-21 11:57:26