〔AR〕その5
東方プロジェクト二次創作SSのtwitter連載分をまとめたログです。
リアルタイム連載後に随時追加されていきます。
著者:蝙蝠外套(batcloak)
前:その4(http://togetter.com/li/325245)
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BIONET
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慧音は紙の束を慎重にめくる。すると、実に紙の束の半分以上が、ひと固まりの作品であることが判明した。推測するに、短編一本か二本にはなるだろう。 「ええ、これで一作品……ですか?」
2012-06-22 23:10:09
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「ものは試しに転写してみたら、相当な分量だったそうでな。それをもらい受けてきた。だから私はまだ中身を見ていないし、当然インクで保存されてもいない。今日の夜更けまで文字が保つかわからないが、読んだら感想を聞かせてくれ。私はこれから仕事があるのでな」
2012-06-22 23:13:54
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「わかりました。あ、長文の方は無理でしょうけど、歌の方は筆を入れて明日にでもお渡しします」 「助かる。ではそろそろお暇するよ」 慧音は無駄なく自分の使った茶器を台所に戻していき、阿求に見送られながら、稗田家を去った。
2012-06-22 23:17:19
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自室に戻った阿求は、いそいそと、慧音が置いていった紙の束をめくる。今日は予定もなく、まだ夕方まで十分時間がある。詩歌をなぞっておくのも必要だが、先に、時間のかかりそうな分厚い方を片づけることにした。
2012-06-22 23:20:25
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「えーっと……作者は……ペンネーム……つまり匿名ですか。まぁ、なかなか実名公開して自分の創作を見せるなんて、できないですよね」 ひとりごちて、阿求はのんびりと小説を読み始めた。
2012-06-22 23:23:46
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阿求は、華奢な体を全力疾走させて、バイオネット端末の設置場所に踊り込んだ。人がにぎわう時間は過ぎていたらしく、順番待ちはなかった。 「おや、稗田のお嬢ちゃん。どうしやした?」 端末の窓口役である初老の男性は、突然やってきた阿求の姿に目を丸くした。
2012-06-22 23:37:18
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「すみません! 今から少々端末を占有させていただきます!」 そして阿求は、わき目もふらずバイオネット端末に食いつき、一心不乱にパネルを操作した。
2012-06-22 23:37:47