〔AR〕その14

東方プロジェクト二次創作SSのtwitter連載分をまとめたログです。 リアルタイム連載後に随時追加されていきます。 著者:蝙蝠外套(batcloak) 前:その13(http://togetter.com/li/382281) 続きを読む
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BIONET @BIONET_

台風一過の晴天。少し汗ばむくらいの暑さを称える秋晴れの下に、人里は数週間後に予定された秋祭りの準備を始めていた。 活発に人妖と物資が混じりあう大通りを、阿求は、軽やかな足取りで自分の家に向かって歩いていた。

2012-10-05 21:00:03
BIONET @BIONET_

(丁度、先生の新作が入っていたのは好都合だったわ) 彼女が抱えている魔法の巻物には、今日もバイオネットの新着情報が納められており、その中には『Surplus R』の作品も当然のように入っていた。

2012-10-05 21:04:48
BIONET @BIONET_

先生というのは『Surplus R』のことを指す。当人との文通の中で、先生と呼ぶのは遠慮してほしいといわれたので、文章上ではRさんとしているが、阿求自身は未だに『Surplus R』を先生と呼び慕っている。

2012-10-05 21:07:33
BIONET @BIONET_

先生というのは『Surplus R』のことを指す。当人との文通の中で、先生と呼ぶのは遠慮してほしいといわれたので、文章上ではRさんとしているが、阿求自身は未だに『Surplus R』を先生と呼び慕っている。

2012-10-05 21:07:33
BIONET @BIONET_

(読み終わったら早速感想を――あいや、手紙の返事が来てからでも遅くはないか。ふふ、楽しみだなぁ) 『Surplus R』との文通は、最近の阿求の大きな楽しみだった。かの人物は阿求が想像していた以上に聡明で、手紙をやりとりするごとに知的興奮と刺激をもたらしてくれる。

2012-10-05 21:11:36
BIONET @BIONET_

(読み終わったら早速感想を――あいや、手紙の返事が来てからでも遅くはないか。ふふ、楽しみだなぁ) 『Surplus R』との文通は、最近の阿求の大きな楽しみだった。かの人物は阿求が想像していた以上に聡明で、手紙をやりとりするごとに知的興奮と刺激をもたらしてくれる。

2012-10-05 21:11:36
BIONET @BIONET_

(もし可能であれば、実際にお会いして、あわよくば幻想郷縁起の名鑑に記録させてもらえるよう頼んでみましょうか――流石にそれは強権発動かなぁ) などとつらつら思いながら、人里の大通りを調子良く歩いていく阿求。 そこでふと、目立つ人物が阿求の視界に入った。

2012-10-05 21:15:17
BIONET @BIONET_

(もし可能であれば、実際にお会いして、あわよくば幻想郷縁起の名鑑に記録させてもらえるよう頼んでみましょうか――流石にそれは強権発動かなぁ) などとつらつら思いながら、人里の大通りを調子良く歩いていく阿求。 そこでふと、目立つ人物が阿求の視界に入った。

2012-10-05 21:15:17
BIONET @BIONET_

鮮やかに輝く金髪と碧眼、どきりとするほど整った可憐な顔立ち、白いケープに青いロングスカートと編み上げブーツ。そして脇に抱えたグリモワールと、周囲を旋回するファンシーな人形。 アリス・マーガトロイドが、阿求の歩いてきた方角とは反対側から、優雅に現れたのだった。

2012-10-05 21:17:24
BIONET @BIONET_

鮮やかに輝く金髪と碧眼、どきりとするほど整った可憐な顔立ち、白いケープに青いロングスカートと編み上げブーツ。そして脇に抱えたグリモワールと、周囲を旋回するファンシーな人形。 アリス・マーガトロイドが、阿求の歩いてきた方角とは反対側から、優雅に現れたのだった。

2012-10-05 21:17:24
BIONET @BIONET_

「アリスさん、こんにちは」 「あら、阿求、こんにちは」 二人は挨拶を交わし、道端に寄ってから立ち止まった。 「今日はどうされました? 人形劇は開催されていなかったはずですが」 「それとは別件ね。頼まれことがあったので来たのよ」

2012-10-05 21:19:36
BIONET @BIONET_

「アリスさん、こんにちは」 「あら、阿求、こんにちは」 二人は挨拶を交わし、道端に寄ってから立ち止まった。 「今日はどうされました? 人形劇は開催されていなかったはずですが」 「それとは別件ね。頼まれことがあったので来たのよ」

2012-10-05 21:19:36
BIONET @BIONET_

そういうアリスは、自分が歩いてきた方角を空いている方の手で指す。その方角に、阿求はすぐにピンときた。 「龍神様の像、ですか。もしや、『彼女』のメンテナンスで?」

2012-10-05 21:24:21
BIONET @BIONET_

そういうアリスは、自分が歩いてきた方角を空いている方の手で指す。その方角に、阿求はすぐにピンときた。 「龍神様の像、ですか。もしや、『彼女』のメンテナンスで?」

2012-10-05 21:24:21
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「そんなところ。ほら、最近にとりが少し手を加えて、清書サービスを開始したじゃない。あれで無理がたたってないか調べてほしいっていわれたから、チェックしにいったのよ」 龍神様の像といえば、河童が発明した天気予報付きのオブジェクトと、それを納めるほこらのことだ。

2012-10-05 21:28:50
BIONET @BIONET_

「そんなところ。ほら、最近にとりが少し手を加えて、清書サービスを開始したじゃない。あれで無理がたたってないか調べてほしいっていわれたから、チェックしにいったのよ」 龍神様の像といえば、河童が発明した天気予報付きのオブジェクトと、それを納めるほこらのことだ。

2012-10-05 21:28:50
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そこには、一年ほど前妖怪の山から贈呈された、一体の自動人形が鎮座している。阿求はその進呈式の司会を務めており、印象に残っている。 その自動人形は特徴として自動書記機能を備えており、龍神像が発した天気予報を毎日記録するようになっている。

2012-10-05 21:34:41
BIONET @BIONET_

そこには、一年ほど前妖怪の山から贈呈された、一体の自動人形が鎮座している。阿求はその進呈式の司会を務めており、印象に残っている。 その自動人形は特徴として自動書記機能を備えており、龍神像が発した天気予報を毎日記録するようになっている。

2012-10-05 21:34:41
BIONET @BIONET_

人里では、農業のために昔から天気を記録し続けてきたが、それらは当然すべて手書きであった。七割という高めの的中率を誇る龍神像の天気予報を、自動で、かつ正確に記録できるようになったのは、人里の農業関係者はもちろん、稗田家としてもありがたいことであった。

2012-10-05 21:34:58
BIONET @BIONET_

人里では、農業のために昔から天気を記録し続けてきたが、それらは当然すべて手書きであった。七割という高めの的中率を誇る龍神像の天気予報を、自動で、かつ正確に記録できるようになったのは、人里の農業関係者はもちろん、稗田家としてもありがたいことであった。

2012-10-05 21:34:58
BIONET @BIONET_

そして最近では、バイオネットの魔力文字による一時印刷物に、物理インクを定着させるための清書サービスを受けるようになり、密かに好評を博している。阿求は魔法の巻物があるのでサービスを利用する必要はないが、実際その出来映えは見事なものだった。

2012-10-05 21:40:12
BIONET @BIONET_

そして最近では、バイオネットの魔力文字による一時印刷物に、物理インクを定着させるための清書サービスを受けるようになり、密かに好評を博している。阿求は魔法の巻物があるのでサービスを利用する必要はないが、実際その出来映えは見事なものだった。

2012-10-05 21:40:12
BIONET @BIONET_

「どうです? 稼働時間が増えたわけですが、何かおかしなところはありませんでした?」 「特に問題はなかったわ。ま、半分以上私が動態復元したのだもの。そうそう不調になることもないわ」 「流石、ですね」 アリスは涼しげな顔のまま、さらりといってのけた。

2012-10-05 21:44:27
BIONET @BIONET_

「どうです? 稼働時間が増えたわけですが、何かおかしなところはありませんでした?」 「特に問題はなかったわ。ま、半分以上私が動態復元したのだもの。そうそう不調になることもないわ」 「流石、ですね」 アリスは涼しげな顔のまま、さらりといってのけた。

2012-10-05 21:44:27
BIONET @BIONET_

阿求は感心するほかない。虚勢や自慢などはかけらもなく、本当に当然のことであると、彼女は宣言しているのだ。 「用事が済んだということは、今日はもうお帰りで?」

2012-10-05 21:50:31
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