原発事故問題に関しての安冨意見を踏まえた法律家・高嶌先生による意見

dabiturさん依頼により作成いたしました。
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TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

(26)このように,救援者の安全を確保することもまた,救援に必要な要素なのです。このことを福島の事例に当てはめてみると,次のようになります。

2012-06-25 19:43:55
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

(27)福島の被害者支援は,少なくとも数年,長ければ数十年にわたります。この状況で第2の原子力事故が生じれば,福島の被害者救済は半永久的に不可能になりかねません。従って,地震活動期に入ったわが国において,再稼働の撤回は継続的な救援確保のため一定の意義を有する活動であるといえます。

2012-06-25 19:46:31
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

(28)もちろん,この観点だけで,@dabiturさんの上記懸念が払拭される訳ではありません。「第2の原子力事故が起きないこと」は長期にわたる被害者救済のための必要条件ですが,十分条件ではないからです。

2012-06-25 19:46:51
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

(29)十分条件として何が求められるかを明らかにするのは困難ですが,少なくとも,避難か残留かを決めるために必要な情報(α線核種,β線核種を含めた正確な汚染状態,健康被害の医学的可能性)が正確に提供されることを前提としたうえでの適切な賠償の実現や医療体制の整備は不可欠でしょう。

2012-06-25 19:47:34
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

(30)これらの実現をどのように支援できるかの具体的な道筋を考えることは,今後の重要な課題です。

2012-06-25 19:47:53
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

(31)最後にまとめておきましょう。(5)~(27)の推察からすると,多くの市民は,「これ以上の放射能汚染につながりうる積極的行為を国が行うのは避けるべきだ」という判断に基づき,市民の立場で意見を示して参加が可能な(e)(f)の項目を中心に活動するに至っていると考えられます。

2012-06-25 19:48:30
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

(32)これは,他の項目に対する関心が低いとか,重要に思っていないとかいうことを必ずしも意味しません。むしろ,放射能の危険性を認識し,自分の立場で自分にできることは何かを考えたうえ,自然にたどり着いた活動だと思います。

2012-06-25 19:48:50
TAKASHIMA Hidehiro @TAKASHIMA724

(32)そして私見では,入手しうる情報の限定性,事態の切迫の度合い,提案の実現可能性,長期にわたる被害者支援の確保等の背景事情を総合的に考慮すれば,現在の多くの市民が(e)(f)を中心とした活動をなしているのは,理性的かつ合理的な選択であると評価します。

2012-06-25 19:49:08