福一事故と放射線被曝の勉強◆まとめ①

こちらのURL( http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/radbookbasic/ )に示されているテキストから学んだことをメモの形で要約したツイートをまとめました。興味がある方は読んでみてください。 これは第一弾なので、元テキストを読み進み次第またまとめてこうと考えています。
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Shoico 店主 @peakformeal

メモ:ICRPは線形閾値なし説を採用してるので、(自然放射線以外での)被曝量がどれだけ小さくても害はあるとする立場だが、被曝ゼロを目指すことはレントゲン技師や飛行機での渡航などのケースを考えれば流石に無茶なので、ある条件下ではこれくらいならまあ良しとしようという基準を設けている。

2012-07-05 22:06:14
Shoico 店主 @peakformeal

メモ:被曝による害とその他の利益を天秤にかけて上手にバランスさせながら、できる限り被曝量を少なくしようという考え方はALARA(as low as reasonably achievable) 原則と呼ばれる。「合理的に達成できる範囲で、できる限り低く」の意。

2012-07-05 22:14:21
Shoico 店主 @peakformeal

メモ:LNT(線形閾値なし)仮説は、ALARA原則と組み合わせてこそ実際的な意味を持つ。事故などによる不慮の被曝の対しても、これら二つの組み合わせによる基準が設けられている。

2012-07-05 22:20:51
Shoico 店主 @peakformeal

メモ:ICRPでは平常時の(自然被曝と医療被曝を差し引いた)被曝量を1mSv以下に抑えるようにと定めている。1mSv余計に被曝するということは、たまたま自然放射線量の多い場所に引っ越したくらいに考えて良いレベル。

2012-07-07 00:10:36
Shoico 店主 @peakformeal

メモ:ICRPは事故後の被曝状況を緊「急被曝状況」と「現存被曝状況」に分けて考えている。ぜんしゃは文字通り事故直後の緊急の状況、後者は汚染された地域である程度の被曝をしながらも 日常的に暮らしてる状況。

2012-07-07 07:20:14
Shoico 店主 @peakformeal

メモ:ICRPは低線量でも発癌リスクは線量閾値無しとする立場なので、緊急・現存被曝状況における許容線量は、これぐらいならまあOKという「基準」ではなく「参考」数値を設けている。この数値は状況の変化に応じ小さくしていき、最終的には平常時の基準を(1mSv/年)を目指す。

2012-07-07 23:07:06
Shoico 店主 @peakformeal

メモ:で、その参考レベルは以下の通り◆緊急被曝状況においては20〜100mSv/年の範囲内でできるだけ低い値、現存被曝状況においては1〜20mSv/年の範囲内でできるだけ低い値。

2012-07-07 23:10:07
Shoico 店主 @peakformeal

メモ:「低線量被曝による影響(癌リスク)の大きさがわからない」というのは、それが「未知の巨大な恐怖」であるということでなく、「LSS(広島長崎の被曝調査)ぐらい大規模な調査でもはっきりとした影響があると言うことができない」レベルだということ。

2012-07-10 22:59:17
Shoico 店主 @peakformeal

メモ:自然被曝以外の被曝量が生涯で100mSvになり、発癌リスクが25%から25.5%に上がるとして、この可能性の増加をどう考えるかは微妙な問題。乱暴な話だけど、200枚のおみくじの内1枚のだった大凶が2枚になったとしたらという話に置き換えると少し考えやすいかもしれない。(続く

2012-07-10 23:10:53
Shoico 店主 @peakformeal

メモ:間違った。200枚中50枚だった大凶が51枚になったと考えてみる。

2012-07-10 23:16:42
Shoico 店主 @peakformeal

メモ:続き)確率論的には25%から0.5ポイント上昇してるけど、これはどれぐらいひどい話なのかは、判断に迷うところ。また、大凶を引いたとして、それが最初から入っていた25枚の内の一つなのか、あとから入れ替えた1枚なのかはわからないので、余計に評価に苦しむ。(続く

2012-07-10 23:21:25
Shoico 店主 @peakformeal

メモ:続き)このくらいの違いを気にするかしないかという議論は、一般レベルではそれぞれの個人の生き方や考え方によって答えを出す他ない。ただし、政府など国民の安心安全を守る立場では、「気にしない」側に立つことは許されない。情報公開や検査体制の整備などの危機管理は当然行われるべき。

2012-07-10 23:29:47
Shoico 店主 @peakformeal

メモ:同じ程度の被曝でも、残りの人生が長い分子供や若者の発癌リスクは高くなる。また、子供の方がDNAにより多くの傷をつけられる。これは細胞分裂の頻度がより高いためと考えられている。これらの考えは広島・長崎の被曝者追跡調査(LSS)からも確かめられている。

2012-07-11 11:53:28
Shoico 店主 @peakformeal

メモ:グラフは1Svの被曝をした人がある年齢に達した時に、被曝していない人に比べてどれだけ余計に癌にかかるかを表している。統計範囲は、一年間に一万人中。1Svという被曝量では幼い頃の被曝の影響が年老いても消えないことが読み取れる。 http://t.co/YtNFt5D1

2012-07-11 17:40:41
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Shoico 店主 @peakformeal

メモ:もう一つ読み取れるのは、被曝した時の年齢が若いほど癌リスクは高くなること。60歳に達した時点での罹患を比較すると、50代で被曝した人は1万人中20人。10代で被曝した人は1万人中70人で、前者の3.5倍。 http://t.co/4ryFECQr

2012-07-11 17:59:15
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Shoico 店主 @peakformeal

メモ:妊婦が高い線量で被曝した場合、胎児への影響が発生することがあり、実際今日では緊急のばあいを 除き妊婦にX線撮影を行うことはない。ICRPの勧告では、幼児と同じように成人の3倍程度の癌リスクを見込むべきとしている。

2012-07-11 18:07:50
Shoico 店主 @peakformeal

メモ:胎児への被曝の影響が現れるのは、おおよそ100mSvを超えるあたりからというのが一般的な見解。それ以下でもあるのかもしれないが、今のところ検知できるレベルではないということだろう。ちなみに福一事故の際、妊婦が短期間に100mSv以上の被曝をした可能性は考えられない。

2012-07-11 18:15:17