中小企業のための銀行交渉力向上講座(入門) かけひきテクニック30④

税理士という立場で銀行との交渉力をしてきた経験から、中小企業における銀行交渉力アップ法をまとめてみます。第1章は中小企業でも自分でできる「銀行さんとのかけひき」で全30問30答を予定しています。 16.望ましい保証人は? 17.保証協会付き融資を受けているが、追加の融資を受けるには? 18.金利は? 19.金利交渉をすることはできるのか? 続きを読む
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Ryota Matsunami @maznami

【16.望ましい保証人は?】銀行側が望ましいと考えるとすると、要件は2つ、(a) 融資企業からの収入でない人(つまり、役員や従業員ではない)、(b) 代表者とは別生計の人、(a)(b)両方を満たしている人が望ましいとされています。実際に、これは日本公庫が保証人を求める際の(続く

2012-07-13 12:07:14
Ryota Matsunami @maznami

要件となっています。ただし、借入額や担保等からすると第三者保証を必要としないものの、代表者が高齢で保証人を求められるような場合、(a)(b)を満たしていない人、例えば、奥さんその他の家族(つまり法定相続人)の保証を求められることがあります。いずれにせよ、第三者保証に対する(続く

2012-07-13 12:13:39
Ryota Matsunami @maznami

世間の風潮は、求めるべきではないというように変わってきていますので、今後は求められることも少なくなっていくのではないかと思います。創業融資以外の借入で、第三者保証人を求められる場合、自転車操業に陥っているはずですので、事業そのもののリストラを行う必要があります。さらに、(続く

2012-07-13 12:39:05
Ryota Matsunami @maznami

保証人に関してもう一点、リストラの一環として「代表者の役員報酬」を引下げる場合がありますが、「代表者の保証能力が低下する」ということに気を付けて頂きたいと思います。つまり、借入相応の役員報酬をキープする必要があるということです。

2012-07-13 12:43:50
Ryota Matsunami @maznami

そこを誤ると【赤字になりそうだ→役員報酬下れば赤字が回避できるかも→役員報酬引き下げ→保証能力低下→担保か第三者保証をお願いします】という最悪な流れになってしまう可能性があります。リストラというと、まずは役員報酬の引き下げと、安直に考えず、バランスに気を付けて頂きたいと思います。

2012-07-13 12:58:13
Ryota Matsunami @maznami

【17.保証協会付き融資を受けているが、追加の融資を受けるには?】保証協会付の融資を受けていても、そのすべてが返済し終わらないと新たな借り入れができないということはありません。また、A銀行で保証協会付き融資を受けていても、新たにB銀行から保証協会付き融資を受けるということも(続く

2012-07-13 13:05:05
Ryota Matsunami @maznami

可能です。ただし、保証協会の方で借入頻度をコントロールしてしまうので、例えば、A銀行で協会付借入→半年後に協会付借入というケースにおいて、保証協会が「この間借りてからまだ半年しか経っていないのでダメ」ということ場合があります。なお、この場合、B銀行を通したとしても同じ結果に(続く

2012-07-13 13:08:54
Ryota Matsunami @maznami

なってしまいます。更に、「保証協会は同時に複数の金融機関からの申込を受けない」という点も押さえておきたいところです。つまり、融資に慎重なA銀行の担当者が保証協会ながながと時間をかけて交渉したとして、しびれを切らしてB銀行に申し込んでも、「ただいまA銀行と交渉中」とはねられて(続く

2012-07-13 13:16:56
Ryota Matsunami @maznami

しまいます。こうなるとA銀行に取り下げてもらうか、結論が出るまで待つしかありません。しかし、A銀行は取り下げてなどくれませんし、逆に引き延ばしにあう可能性さえあります。なので、この辺りまで考慮に入れて、申込みをして頂く必要があるということを覚えておいて頂きたいと思います。

2012-07-13 17:25:17
Ryota Matsunami @maznami

【18.金利は?】中小企業における銀行融資の金利は0.9~3.5%が一般的です(2012.7時点)。金利に幅があるのは、①企業の体力、②銀行の種類、体力、③固定か変動金利、④制度融資かプロパー融資かの違い4つの原因が考えられます。保証協会の保証料は金利ではありませんが、(続く

2012-07-13 21:03:51
Ryota Matsunami @maznami

普通合算して考えます。①の企業の体力ですが、借入のロット、財務状態による安全性によって変わります。当然、ロットが大きくなるほど、安全性が高まるほど低金利になります。また、交渉能力の高さも関係します。②は、銀行が大きいほど低金利になります。都市銀行>地方銀行>信金・信組(続く

2012-07-13 21:06:24
Ryota Matsunami @maznami

の順になります。また、同じ銀行でも本店から離れるほど、新しいほど低金利になります。③固定金利は借入期間中金利が変わることはありませんが、変動金利は借入期間中に金利が変わります。固定金利は、金利が高くなっても銀行が損をしないように、変動金利に比べて高くなります。おおよそ、(続く

2012-07-13 21:08:37
Ryota Matsunami @maznami

0.5~2ポイント程度高くなるのが一般的です。また、政府系金融機関や制度融資には固定金利が多く、銀行のプロパー融資の多くは変動金利です。よく、固定と変動どちらを選んだ方が良いでしょうか?というご質問を頂きますが、「金利が上がりそうならば固定で、下がりそうならば変動で」(続く

2012-07-13 21:14:41
Ryota Matsunami @maznami

という大原則はありますが、上がりそうか、下がりそうか分かったら金融商品で一儲けできますので、ハッキリ言って分かりません。博打と考えて割り切って下さい。変動金利の多くは短期プライムレート+○%とか、長期プライムレート+○%という形でターゲットとなっている金利が変わると金利が(続く

2012-07-13 21:18:58
Ryota Matsunami @maznami

変更になります。余談ですが、必ずしも長期資金が長期プライムレートに連動し、短期資金が短期プライムレートに連動すると決まっている訳ではありません。銀行員さんでも「長期プライムレートで調達しているので、他行さんでもこれ以上安くできるはずがありません!」と仰る方がいらっしゃいますが(続

2012-07-13 21:24:11
Ryota Matsunami @maznami

、実際問題、長期プライムレートより低い金利での長期資金融資で世間はあふれています。むしろ最近、低金利の行き過ぎ感が目立っており、傍から見ていてドキドキするぐらいです。④について、制度融資(保証協会付融資)はほぼ金利、保証料率ともほぼ一定で、銀行に競わせるという問題では(続く

2012-07-13 21:32:18
Ryota Matsunami @maznami

ありません。したがって、逆に言うと、財務基盤が弱く、格付けの低い零細企業にとってはプロパー融資よりも低金利になり、財政基盤が盤石で、高い格付けの会社にとっては高金利となることが多いと思います。プロパー融資は0.9~3.5%ぐらいで、①②のような要素で金利が決まります。また、(続く

2012-07-13 21:55:48
Ryota Matsunami @maznami

気をつけておきたいのが、制度融資には資本金と従業員数による制限があります。資本金は5000万円以下であれば業種に関係なく問題ありませんが、特に気をつけたいのが小売業(飲食業)で、資本金5000万円超の場合、従業員数50人以下でないと対象外になってしまいます。小売業で(続く

2012-07-13 22:04:35
Ryota Matsunami @maznami

増資を考える場合、ウッカリと言うことが無いように気をつけて頂きたいと思います。さらに、中小企業の金利を語る際に、忘れてならないのが「利子補給」です。都道府県または市町村単位で利息または保証料に対して補助をしてくれます。また、「無利息」貸付という制度もありますので、借入(続く

2012-07-13 22:09:30
Ryota Matsunami @maznami

の際には一度は自治体のホームページを探すなり、場合によっては自治体の「商工課」に問い合わせをしてみて頂ければと思います。利子補給は多くの場合市町村(東京であれば特別区)が行っております。自分で調べるのも一つですが、地元の銀行と付き合っていると、銀行サイドから勧めて(続く

2012-07-13 22:12:37
Ryota Matsunami @maznami

くれる場合があります。ところで、こうした利子補給系の制度を利用する際に気をつけたい点があります。市町村の制度には「都道府県の助成制度を使っていない事」という縛りがあることが多いので、「市町村を検討した後に都道府県を検討する」という順番を守る、もっと正確に狙うなら、(続く

2012-07-13 22:18:04
Ryota Matsunami @maznami

「事前にこうした前提条件がないか」を検討するという事が大切です。さらに余り知られていませんが、政府系金融機関の「特利」を利用すると財政基盤の弱い零細企業でも低い金利の借入を受ける事が可能です。ただ、これは政府の指定する特定業種・特定事業に当てはまるか、「経営革新支援法」の(続く

2012-07-13 22:25:41
Ryota Matsunami @maznami

適用を受けるかいずれかの必要があります。特に後者は努力次第でどうにかなるものですで、新規事業や事業の合理化などに資金が必要となる場合には、政府系金融機関と相談しながら進めてみることをお勧めします。「適用を受けたところで借入に直結しない」ということで、意外と経営革新支援法(続く

2012-07-13 22:30:33
Ryota Matsunami @maznami

は不人気なのですが、これを最大限活用するとこうなります。経営革新支援法の審査をするのは都道府県の商工課や産業支援課なので、ここの担当者とのパイプ作りと割切って頑張って適用を受けます。また大切なのは、プランを事前に政府系金融機関に説明し、融資が受けられるか、そして特利が使えるか(続

2012-07-13 22:35:10
Ryota Matsunami @maznami

の確認をするとともに、巻き込む形で一緒になって進めてもらえる様な関係を構築する事です。そして、一度適用を受けたら、こまめに商工課の担当者と情報交換をするように心がけます。もちろん経営革新計画の実施報告もちゃんと出します。すると、商工課の担当者は、書類で「実績」をキチンと示して(続

2012-07-13 22:38:36