小山薫堂・人を幸せにする企画術 第2回「ポジティブ思考が人生を変える」書き起こし・ほぼ完全版 #nhk

NHK・Eテレ「仕事学のすすめ」で放送されたものを文字起こししています。 トランスレーター:野田稔(明治大学大学院教授)
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とし @toshihiro36

野田:敗因は何だっと思われます?

2012-07-14 15:07:57
とし @toshihiro36

小山:敗因は中途半端な商売だったということだと思いますね、一番の敗因は。つまり商品力があまりないのに一生懸命ブランドを作ろうとしている…それぞれの商品が、あり物のTシャツにプリントしただけのものであったりとか。本当に簡単なものしかなかった。

2012-07-14 15:11:41
とし @toshihiro36

野田:なるほど、ちょっと甘く見ちゃってたのかな。

2012-07-14 15:13:29
とし @toshihiro36

小山:ですね。メディアさえあれば何とかなると思っていたフシもあると思いますね。

2012-07-14 15:15:04
とし @toshihiro36

野田:この失敗から得た教訓はいろいろあると思うんですけれども、一番大きかったものは何ですか?

2012-07-14 15:17:55
とし @toshihiro36

小山:向いてなかったということに気づいたことですね。

2012-07-14 15:22:12
とし @toshihiro36

野田:向いてなかったことに気づいた…ポジティブですよねぇ。自分にこの道は適性がないとうことで、落ち込むということはないですか?

2012-07-14 15:24:31
とし @toshihiro36

小山:あまりないですね。もっと言うならば、もしこれが成功していたとするじゃないですか。そしたら…早くつまずいた分だけよかった気がするんですね。中途半端に成功していたら、もっと拡大していたと思うんですよね。拡大して大きな負債を抱えて失敗していた。その手前で気づいたことは大きな財産。

2012-07-14 15:31:03
とし @toshihiro36

<ナレーション> 常にポジティブな小山さんにも、今までの仕事人生で苦しい時代があったといいます。それは放送作家・小山薫堂の名前を一躍知らしめた、深夜番組を担当していた頃でした。この番組(カノッサの屈辱)は現代日本の文化史を、歴史になぞらえて解説する面白さが話題となりました。

2012-07-14 15:37:42
とし @toshihiro36

<ナレーション> しかし番組の評判の陰で、毎回斬新なアイデアと風刺を求められるプレッシャーに、小山さんは押しつぶされそうになります。寝る間もなく追い詰められた小山さんは、行き交う車の中に飛び込むことも考えました。小山さんはこの人生最大のピンチを、どうやって乗り越えたのでしょうか。

2012-07-14 15:43:27
とし @toshihiro36

小山:いやぁもうホントにきつくてですね。どうやって起きていようかということが、まずあるんですね。いつもお風呂の中で寝ていたんですよ。狭いユニットバスにお湯をためて、そこで「屈葬睡眠」と自分では呼んでいたんですけど…屈葬のように浸かりますと、お湯がだんだん冷めてきて起きるんですよ。

2012-07-14 16:02:28
とし @toshihiro36

小山:お風呂の中で寝ると、絶対に寒くなって起きるんですよ。

2012-07-14 16:03:27
とし @toshihiro36

野田:ええっ、だいたいどれぐらい?

2012-07-14 16:04:32
とし @toshihiro36

小山:長い時は2時間以上ですね。そうすると手がふやけてて、足の指もふやけてて痛いんですよ。立って歩くのも痛いぐらいで。そうやって這いつくばって机に戻って。でも手がふやけてて痛くて、しばらくはペンも握れないしキーボードも叩けない状況なんですけど。

2012-07-14 16:07:57
とし @toshihiro36

小山:でもそれが戻るまでに資料を読んだりしながら、また考えて書くと。それでもダメな時は、夜中に外に行って…ウチの近所に大きな幹線道路が通ってましたんで、その道路に行くわけですね。そしたら深夜にトラックがバンバン走ってて、このトラックに飛び込んだら楽だろうと考えたこともありました。

2012-07-14 16:12:16
とし @toshihiro36

野田:そこまで追い詰められちゃったんですね。当時は一人で書かれていたんですよね。そういう意味では愚痴を言ったり相談する相手もなかなか…孤独ですよね。そんな状態からどうやって抜け出されたんですか?

2012-07-14 16:17:05
とし @toshihiro36

小山:やっぱり自分の視点の切り替え、あるいは思いの切り替えでしかないんですけれども。こんなに苦しんでいることが楽しいなと。大学時代のことを考えたら、テレビの仕事をしたいと思った若い日があったわけじゃないですか。

2012-07-14 16:22:33
とし @toshihiro36

小山:自分の書いた原稿で番組が成立し、最後のエンドロールに自分の名前が流れた時のあの喜びからすると、今の状況は毎週自分の名前が出ると。こんな幸せな状況にいて…それを考えなきゃいけないという...

2012-07-14 16:24:37
とし @toshihiro36

野田:どういうきっかけで、そういうふうに変われるもんですか?

2012-07-14 16:25:47
とし @toshihiro36

小山:何でしょうねぇ。でもその時に、一番心の中にあるのは「これで死んだらもったいないな」という思いがあるわけです。生きてて他にも楽しいことがいっぱいあるわけですよね。今は苦しいけれども、それを自分の手で放棄するのはもったいないと。

2012-07-14 16:29:32

トランスレート(野田さんによるまとめ)

とし @toshihiro36

野田:今回はまず、「人は知らず知らずのうちに、最良の人生を選んでいる」という言葉にとっても勇気づけられました。私はちょっと辛いことがあったり嫌なことがあったりすると、すぐにタラレバ人生論に逃げ込みます。

2012-07-14 16:41:33
とし @toshihiro36

野田:あの時ああだったらこうなってたのにとか、あの時ああしていればもっと良かったのにというふうに後悔ばかりしてしまうわけです。しかし冷静になって考えてみると、そんなに今が嫌かというとそうでもない。意外といいかもしれないと思うと思います。

2012-07-14 16:44:51
とし @toshihiro36

野田:まさにものの見方、考え方ひとつで気分は大きく変わるということです。スタンフォード大学のキャリア論の大家、ジョン・クランボルツはPlanned Happenstence Theory(計画された偶発性の理論)を提唱しています。

2012-07-14 16:49:01
とし @toshihiro36

野田:人生の転機は偶然に起こることが多い。しかし大切なのは、「その偶然を前向きに捉えるのだ」としているところです。小山さんも偶然を前向きに捉えて、今の人生を築き上げてきたのだということがわかります。

2012-07-14 16:52:19