絶姫 ElonaSS

@zetsuhime

「……原石でも詰めてるのか？」 なんとか正気に戻り、鏡に映る自分の目を見る。すると少なくとも左目は何か別の物を眼球の代わりに入れられているだけ、ということがわかった。 これでは幾ら傷を癒そうとも再生する場所を塞がれているために目は復活しない。

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そんなことを冷静に考えられる程度の余裕を取り戻した辺りでやっと部屋全体に意識を向けられるようになった 今現在は彼女、エミリアの姿はない。 部屋も先程と同じようだが何故か部屋全体に何かのポーションの中身が散乱している。色的に媚薬、沈黙のポーション、そしてこつこつ貯めたヘルメスの血だ

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「っておい、何してくれてやがるんだあの妹」 ヘルメスの血を床にぶちまけられているのは流石に許せない。正直彼にとっては左目を失うよりも大変なことだろう ペットに渡すつもりだったがしょうがないと当たりにいこうと考えるが、ヘルメスの血は鏡側、つまり媚薬や沈ポ、その他の液体の向こうにある

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次回予告 ヘルメスの血を回収したいがその間にある得体のしれない液体には触れたくない！どうするユーリ！きっと次回はまたグロかエロだぞユーリ！ そしてローニャ一行はさりげなく納涼スライムを完成させ小城の水場にぶちまけていた。 次回第ほにゃらら話【けっきょく全部被る】

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前回までのあらすじ 起きたらエミリアがいなくなってたけど左目もなくなってた。 その頃ローニャ一行はダルフィで購入した核爆弾をその場で起動する、という罰ゲームをかけて大富豪をしており、5回勝負の末フレイが敗北。本物のギルドマスターの評判が落ちた。 第？話 【吸血フィート】

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ユーリは決断を迫られていた。もったいないからとヘルメスの血を被る為にそこまでの間にぶちまけられた複数のポーションを被るか、それとも諦めて火炎芸でもして全て蒸発させ芋虫のように這いずりながらこの部屋を立ち去るか じっくりと2秒も考えた結果、遂に結論を出した 「ヘルメス蒸発とか無理」

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決めたのならすぐに行動しなくては、と再び身体を横に倒す。目的地までは5mくらいだろうか。横になるともともと広かった部屋がさらに広く感じる。 しかし余計なことを考えていてはいけない、と深呼吸して気持ちを切り替え、ころん、と目的の水たまりへとゆっくり転がり始めた

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最初の水溜りに身体が浸かる。特に変化はないように感じるがこれが自分の持ち物だったなら恐らく沈黙のポーションか水のどちらかだろう。沈黙のポーションなら問題はない。元々使えないのだから。 しかし次の水溜りはそうはいかなかった。転がっているためうつ伏せで使ってしまったのもいけなかった。

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若干蒸発した気体を吸い込んでしまうと喉と肺が焼け付くように痛む。そして水溜りに浸かった部分は黒く染まり、液体に触れた皮膚がちくちくと痛む。 染料だ。 これほど自分が染料を持ち運んでいたことを恨んだのは初めてだ。 ペットに飲ませたことはあるがまさかこれほどとは。

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実際のダメージ自体はそれ程でもないが死にたくなるほどに辛い。特に蒸発した気体は吸い込むと肺に絡みつくように留まり内部を焼いていく。まともに呼吸ができなくなるほどだが死にはしない。すぐに退避しようと戸惑うことなく次の水溜りへと向かう。 また染料だった。

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またか、と次の水溜りへ移動しようとした時、彼はあることを思いついた。 溺死できるのではないか。 溺死なら顔が浸かる程度の液体さえあれば可能だ。その液体が染料というのは気が引けるが助かるならエミリアのいない今やるしかない。 彼は大きく息を吐ききると小さな染料の水溜りに顔を漬けた

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まさかのここで第一部完。理由は収拾がつかないのと次からは書き溜めをやってみたい。そして他のもやらにゃならん。という完全に身勝手な理由。いやどうせすぐ続き書くけど。深夜テンションじゃない普通に書き溜めた奴で。なんかすみませんでした！