ビッグバン理論とカバラ

9
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

「真空の相転移」にともない、宇宙は急激に膨張するが、このビッグバンが起こるまでの急激な膨張というのは、インフレーションと呼ばれている。ビッグバンはこのインフレーションを経て、宇宙の誕生から10^-41秒後だとされる。

2010-07-06 19:23:21
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

そしてこのビッグバンを経て、真空エネルギーは、クォーク、電子、ニュートリノ、光子、つまり粒子と、それらの反粒子からなるスープを作り出す。わずかに粒子の数のほうが勝っていたため、この世界は物質的世界となって存在することになる。

2010-07-06 19:25:47
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

もしも粒子と反粒子の数が同じであれば、それはそこで終わっていた。粒子と反粒子は対消滅して光子を作り、光子は再び粒子と反粒子のペアを生み出すが、光子は宇宙の膨張とともにエネルギーを失っていき、粒子と反粒子を生み出さなくなる。

2010-07-06 19:45:14
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

逆に対消滅はいつでも起きる。だからもし粒子と反粒子の数が同じだったら、光子ばかりが増えて、しまいには星も銀河も人間も存在しない、光だけに満ちた宇宙が残ったといわれる。後は「四つの力」とかを考慮してみたいけど、その辺はまた今度にしよう。

2010-07-06 19:49:56
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

なんにせよ、結果として、全ての物質の材料となるものはビッグバンによって精製されることになる。さて、次はここまでの説明を踏まえて、ビッグバン理論がカバラの概念とどのように類似しているか。それについて触れてみよう。

2010-07-06 19:50:50
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

カバラには宇宙論に神の概念が加わってしまうが、言っていることはビッグバン理論と類似している。まず、カバラの宇宙観には、『絶対』と『相対的世界』があり、その間に『非存在』というベールがある。『絶対』とは永遠を超えているものだ。それは時がなく、形がなく、実質もなく、存在を超えている。

2010-07-06 19:53:42
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

それは「無」であり「全」なるものである。それは変化がないともいえるが、変わらないわけでもない。ただそこに或る「それ」と言い表せるもので、我々の住まう「相対的世界」の外にあるものである。「相対的世界」とは、「創造」の現れであって、「神の衝動の表現」であるとされる。

2010-07-06 19:57:35
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

それは「絶対」の対概念であるので、すべての問題は時と場所の位置にかかわっており、形、実質があり、存在の概念におさまった、物質的世界である。セフィロートの図は、あらゆるレベルの相対世界を明確に説明するものであり、それはすべての原型であるとされる。

2010-07-06 20:00:18
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

ではその間にある「非存在」とは何なのか。これはセフィロートの根元にある冠、つまり神がその窪みを通して創造意欲を表現する「ケテル」の向こうに、「現れることのないもの」で、神の頭と神の創造物(つまり相対的世界)との中間層にあるものだ。

2010-07-06 20:02:54
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

非存在とはたとえて言うなら、絵を描く対象となる無地の白いキャンパスであり、満たされるのを待つ空(くう)である。よって、キャンパスなしには絵が描けないのと同じように、この「非存在」なしには、何も存在し得ないし、この空とその力なしに、相対的世界は表現されえない。

2010-07-06 20:05:09
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

つまりそれなしには、銀河も人間もありえない。この「非存在」自体は干渉を起こさないので、創造の完璧な反映となる。相対的世界に最も近いベールは「アイン・ソフ・オール(無限光)」である。ここから神の創造の衝動が、ケテルという創造原理を通じて「形」、つまり相対的世界の創造となって現れる。

2010-07-06 20:08:05
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

この無限光はあらゆる所に存在し、最も濃密なところにも差し込む。そして第二のベールは「アイン・ソフ(無限)」と呼ばれる。これは神の創造の第一歩とされる。これはその向こうにある「アイン(無)」という究極の無が、無から限界のないとか、終わりのないという方向に焦点を合わせ始めた「点」だ。

2010-07-06 20:10:43
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

少なくともそこには何かがあって、無限の力があるということを示している。アイン・ソフをを越えては、何もない、つまり「無」というのものがあり、それを超えるものが『絶対』である『無』、つまりアインである。

2010-07-06 20:12:50
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

時空も物質もなき、永遠を超越した、全体に偏満する存在である『無』。これが、境界のない世界の中心にむけて集まって、結晶化するための三つの段階を構成する・・・。

2010-07-06 20:14:06
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

相対的世界の始まりであるセフィロートの頂点にある「ケテル」は、絶対かつ完全なる「無」である「アイン」から「アイン・ソフ(無限)」が生まれ、また「アイン・ソフ」から「アイン・ソフ・オール(無限光)」が生まれた後、そのアイン・ソフ・オールから現れる。

2010-07-06 20:25:03
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

ビッグバン理論の中で物理学的に説明できる部分までの説明について、これをカバラの概念と照らし合わせるとどういうことになるのか。ビッグバン理論の宇宙は「無」の揺らぎからぽつんと絶海の孤島のように生じた特異点、つまり無の中に生まれたしこりのようなものだ。

2010-07-06 20:38:32
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

その特異点として現れた宇宙は、まだ星も銀河も、原子すらもまだ生まれていない、「何もない状態」ですが、先述しましたように、闇のような静寂に満ちた無ではなく、大爆発のエネルギーに満ちた、力溢れる無、つまり無限の力である。

2010-07-06 20:40:11
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

10のマイナス43乗秒後から10のマイナス41乗秒後にかけて一気に膨張するインフレーションを起こし、ビッグバンを起こしてすべての物質を形作るわけだが、これはそれぞれ、アインとアイン・ソフ、そしてアイン・ソフ・オールの段階に置き換えて説明できる。

2010-07-08 00:24:35
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

宇宙が生まれた究極の「無」が「アイン」。その無からしこりのように生じた、爆発的なエネルギーをもった力溢れる無、つまりすべての物質、反物質が量子論的効果によって生み出される「インフレーション期」の宇宙が「アイン・ソフ」。

2010-07-08 00:25:55
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

その爆発的なエネルギーが一挙に放出されるビッグバンが、創造の衝動による表現である「アイン・ソフ・オール(無限光)」にあたり、神的流出世界であるアツィルトから流出し、形となったのが相対的世界と置き換えられる・・・、と。

2010-07-08 00:27:07