クローズアップ現代「“世紀の発見”ヒッグス粒子」書き起こし・ほぼ完全版 #nhk 

7月19日に放送されたものを文字起こししています。 進行:国谷裕子アナ ゲスト:村山斉(東京大学数物連携宇宙研究機構長)
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冒頭のVTR

とし @toshihiro36

<ナレーション> 広大な宇宙、私たちの住む地球、そして生命はどのように生まれたのか。その謎に迫る、世紀の大発見です。ヒッグス粒子と呼ばれる新たな素粒子。物質に重さを与え、万物を生み出す神の素粒子とも呼ばれてきました。

2012-07-19 20:12:59
とし @toshihiro36

<ナレーション> 長年その存在を追い求めてきた科学者たち、ついにヒッグス粒子とみられる痕跡を捉えました。その存在を予言したのは、イギリスのピーター・ヒッグス博士。しかし半世紀近く見つけることはできませんでした。それを可能にしたのが世界の叡智を結集して作った巨大な実験施設です。

2012-07-19 20:16:56
とし @toshihiro36

<ナレーション> この中で宇宙が誕生したビッグバン直後に匹敵する膨大なエネルギーが発生、現代物理学に残された大きな謎を解き明かしたのです。ヒッグス粒子はなぜ世紀の発見と言われるのか。皆さんの疑問にとことんわかりやすくお答えします。

2012-07-19 20:19:55

ここからスタジオです

とし @toshihiro36

国谷:こんばんは、クローズアップ現代です。私たちの周りはヒッグス粒子に埋め尽くされているといわれています。もしヒッグス粒子がなければ、人間の体はあっという間にバラバラになると考えられているんです。いたるところにあって重要な役割を果たすこの粒子。

2012-07-19 20:24:54
とし @toshihiro36

国谷:しかしその存在を長い間、確かめられずにきました。今回ついにヒッグス粒子とみられる粒子が発見されたのです。この発見によって人類が長い間追い求めてきました私たちのいる世界、生命の成り立ちを知る大きな一歩になると期待されています。

2012-07-19 20:28:04
とし @toshihiro36

国谷:古代ギリシャのデモクリトスはすべての物質を構成する最も基本的な単位を、アトム(原子)と呼び理解しようとしました。その後、このアトムももっと細かく分割できることがわかり、電子やクォークといった素粒子が見つかったのです。

2012-07-19 20:32:41
とし @toshihiro36

国谷:現代物理では自然界のすべての現象を、17の素粒子で説明できるとしています。すでに見つかっていた16の素粒子、そして今回最後の素粒子・ヒッグス粒子とみられる素粒子が見つかったことで、現代物理学の理論が完成する歴史的な発見と受け止められているのです。

2012-07-19 20:35:27
とし @toshihiro36

国谷:さてこのヒッグス粒子とはどんな粒子なのか、今夜は子供たちに電子やクォークといった素粒子になってもらっています。ぐうーっと時代をさかのぼって宇宙の始まり、ビッグバン直後の様子を見てみましょう。素粒子はこのように無秩序に飛びまわっていました。

2012-07-19 20:40:16
とし @toshihiro36

国谷:休み時間に小学校の校庭を走り回る子供のようです。光の速さで自由に飛び回っていたのです。ここで登場するのがヒッグス粒子です。学校における先生のような役割です。ヒッグス先生が素粒子に触れると、おとなしくなります。ヒッグス先生がいると、素粒子は走りにくくなるのです。

2012-07-19 20:43:19
とし @toshihiro36

国谷:このようにヒッグス粒子は宇宙が始まった時に、秩序を生みだした粒子だと考えられているんです。速度が落ちた素粒子たちはどうなるのか。互いに手を取り合い、仲間を作り始めました。地球や生命を構成する原子のもととなったのです。

2012-07-19 20:46:58
とし @toshihiro36

国谷:このようにこれまで見つかっているヒッグス粒子以外の素粒子が物質を形作るものであるのに対し、ヒッグス粒子は宇宙に秩序を生む働きをする粒子なのです。こうしたことから神の粒子と呼ばれています。もしヒッグス粒子がなかったらどうなっていたでしょうか。

2012-07-19 20:50:11
とし @toshihiro36

国谷:素粒子たちは光の速さでバラバラになって走り去ったでしょう。例えば私たちの身体も、10億分の1秒でバラバラになるのです。物質の成り立ちに大きくかかわっているヒッグス粒子、それをどうやって捉えるのか。

2012-07-19 20:54:03
とし @toshihiro36

国谷:世界各国の科学者たちが叡智を集め、ビッグバン直後の状態を作り出すことでヒッグス粒子を捉えようと巨大実験に挑みました。

2012-07-19 20:54:51

VTRが流れます

とし @toshihiro36

<ナレーション> スイス・ジュネーブの郊外にある研究施設。CERN・ヨーロッパ合同核研究機関、ヒッグス粒子の発見を目標に掲げる世界でただ一つの研究施設です。ヨーロッパだけでなくアメリカやアジアなど世界30カ国以上から科学者が集結、その数は6000人に上ります。

2012-07-19 21:00:27
とし @toshihiro36

研究者:「ヒッグス粒子の発見で、新たな物理学の扉が開く。ワクワクしますよ」「宇宙はどうやって形作られたのか、その謎を解きたいのです」

2012-07-19 21:04:04
とし @toshihiro36

<ナレーション> ヒッグス粒子の探索プロジェクトを率いてきたリンドン・エバンス博士です。43年前からCERNで研究を続け、ヒッグス粒子を捉えようとしてきました。なぜこれまで見つけられなかったのか。ヒッグス粒子は空間にぎっしり詰まっていると考えられています。

2012-07-19 21:07:16
とし @toshihiro36

<ナレーション> その姿を捉えるためには強い力ではじき出すことが必要ですが、従来の実験施設では十分な力をかけることができませんでした。必要とされるエネルギー、それは宇宙が誕生したビッグバン直後に匹敵する膨大なものだったのです。

2012-07-19 21:10:00
とし @toshihiro36

エバンス:ヒッグス粒子を見つけ出すのは至難のの技で、これまでの実験施設では十分なエネルギーを生み出せませんでした。それを可能にしたのがCERNの新たな装置なのです。

2012-07-19 21:12:47
とし @toshihiro36

<ナレーション> エバンスさんたちが作り上げた新たな実験施設。特別にその内部を撮影することができました。エレベーターで地下100メートルへ。施設は厳重に管理され、研究者の中でも限られた人しか立ち入ることはできません。

2012-07-19 21:17:00
とし @toshihiro36

<ナレーション> さらに奥へ進むと現れたのは巨大な装置。高さ22メートル、全長44メートル。この中でヒッグス粒子を生み出そうとしています。装置の真ん中に、青いパイプが通っています。これが膨大なエネルギーを生み出すための加速器です。

2012-07-19 21:20:36
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