「かーちゃんの力」に、こめられた想い。

 2012年6月8日に行われた「かーちゃんの力プロジェクト」(略称・かーぷろ)の渡邊とみ子さんによる、福島大学総合科目「ジェンダーを考える」での講義の概要を、聴講メモにそってまとめました。若干の解説付き。  福島県飯舘村などから避難した女性農業者たちの、ごく一部の人たちではありますが、今のすがたと想いを伝えられたらと思います。
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高橋 準 @myriel_june

渡邊「自分たちの活動は『ままごと』ではない。昨年度(2012年3月まで)は県の緊急雇用があり、人件費はここから出た。現在もこれは継続されて、三年間は自立へ向けた雇用保障がある。12人枠の人件費で、現在8名を雇用している。代表(渡邊さん)・副代表(五十嵐さん)は給料無し」

2012-07-20 14:47:49
高橋 準 @myriel_june

渡邊「震災以前もかーちゃんたちはがんばっていた。しかしその時には、利益を考えることはなかった。だが、これからはそうはいかない。今は支えられているが、その分恩返しができるようにと思っている。」

2012-07-20 14:49:21
高橋 準 @myriel_june

渡邊「今思うのは、飯舘で苦労して作ってきた畑が、いかに豊かなものであったかということ。当たり前でなくなくなって、気がついた。震災でマイナスからのスタートになった。まずゼロに戻すところで苦労している。でも、2年目はプラスにしていきたい。3年目はもっと先へ行きたい。」

2012-07-20 14:50:43
高橋 準 @myriel_june

渡邊「そんななかで、みんなフラットでやっていきたいと思っている。自分は代表だが、ほかの人が自分の下で働くのではないということ。」

2012-07-20 14:52:36
高橋 準 @myriel_june

渡邊「最後に。自分にとって、切り札になってくれたのが夫。さまざまな面で、力になってもらった。」

2012-07-20 14:53:15

渡邊さんのお話は以上ですが、このあと少し解説。

高橋 準 @myriel_june

総合科目コーディネータの千葉さんからコメント。千葉「あぶくま地域は工場などの就労の場がもともと少ないところ。よく農村には隣接して弱電や繊維の工場が作られ、働く場所が提供されるが、それがない。最近になって女性起業で、打破する動きが作られてきた。」

2012-07-20 14:54:50
高橋 準 @myriel_june

千葉「自負を持ってやってこれた。その矢先の震災だった。」ここでメモが途切れておりました。絶望したくなるような状況の中で、あきらめずに復活を試みた渡邊さんたちに拍手を。

2012-07-20 14:56:46
高橋 準 @myriel_june

当日、「かーちゃんの力」弁当が生協前に並びました。ひとつ500円。(ややその他のお弁当に比べると割高。)自ら販売に当たる渡邊さんの姿です。手前、手と服の一部が写っているのは、たぶん千葉さん。 http://t.co/ZX9i0woX

2012-07-20 14:58:25
高橋 準 @myriel_june

補足すると、農村(あるいは農業)は、どうしても男性中心でこれまできていて、地域作りなどもそういう側面があります。飯舘村では「若妻の翼」などの研修事業で、女性のエンパワーメントを図っていたのですが、それでも渡邊さんが最初におっしゃったような状況だった。(続く)

2012-07-20 15:00:44
高橋 準 @myriel_june

時間をかけて、だんだんと変わってきてはいたわけですが、震災で全村避難ということになり、今までの活動の基盤が奪われてしまった。(これは男性もでしょう。)なにもない白紙の状態で、がっくりきていた。それをなんとかしたいという、同僚たちの思いがありました。(続く)

2012-07-20 15:02:36
高橋 準 @myriel_june

大黒さんと塩谷さんは、昨年の今頃から秋口にかけて、ああでもないこうでもないと、ミーティングルームで議論をしていました。わたしは「まーたそんな夢みたいなことを」と取り合わないでいた部分もあったのですが(たしかに、今でもまったく実現していないことはけっこうあります)。(続く)

2012-07-20 15:04:14
高橋 準 @myriel_june

ゼロどころかマイナスの状態ではあるでしょうけど、少しずつ(村に住んでいた女性の数に比べたら、数名のメンバーでしかありません)でも、生きがいを取り戻すことにつながっているのなら、と思います。わたしも当時の不明をおわびいたします。渡邊さんには率直に申し上げました。

2012-07-20 15:06:09
高橋 準 @myriel_june

復興というのは、なんなんだろう、少なくとも、ただお金があって生きていられて、ということではないと思います。一人ひとりの人が、生きていく意味を見いだせて、どんなものであれ、未来に何か希望を持てることが必要なのかなと。

2012-07-20 15:07:49
高橋 準 @myriel_june

その希望の配分が、それまで持っていた資源(財産や社会での地位、など)にかかわらず、できるだけ多くの人に、できるだけ公正な形で行きわたってほしいと思います。どうしても復興の過程で、まず仕事や経済力などが男性に偏って配分されているところを、できるだけなんとかしたいと。

2012-07-20 15:10:13
高橋 準 @myriel_june

聴講していた学生さんには、「なんで原発の話ばっかり?」という人もいるようなので、少しコメントをしてみました。

2012-07-20 15:11:57
高橋 準 @myriel_june

なお、#GCMふくしま 第三部の登壇者に「かーぷろ」の渡邊とみ子さんを推薦したのはわたしですが、どうしても農業や流通関係は男性中心になるので、彼女を入れることでジェンダー・バランスを、という考えもありました。福島の声としてのバランスですね。

2012-07-20 15:17:17
高橋 準 @myriel_june

#GCMふくしま 、渡邊さんが登場されたのは、一日目だけです。スケジュールの関係で。その一日目も、ほかのイベントが前に入っていて、飯坂から移動してぎりぎりで駆けつけるという状態でした。ほんとうに休みなく活動されている。こういう状況も、全国の人に知ってほしいですね。

2012-07-20 15:36:37