【読想】『鳥船遺跡 ~ Trojan Green Asteroid (上海アリス幺樂団)』 実はまだブックレット読んでません。知識とは不可逆なもの。今の内に曲の読書感想文(?)をとば思います。特に有意義な内容ではあり得ませんが、お目汚しご容赦の程を。
2012-07-22 22:02:54★表紙 Zun’ s Music Collection vol.6との表記に、今更ながらに感慨深く。vol.5から随分間が開いて、続編をあきらめかけていただけになおさらです。
2012-07-22 22:03:52表紙を飾るは、秘封倶楽部のいつものお二人。キリッと決めた蓮子さんに、ほわっとした表情のメリーさん。服装のカラーがいかにもこの二人といった感じで、何故か安心します。
2012-07-22 22:05:14緑も深きの背景といい、曲がりくねる枝のシルエットといい、森のイメージかしら。曲名にも『トロヤ群の密林』とあることだし。メリーさんの回りを飛び交う紅い蝶々が意味深です。
2012-07-22 22:05:57さて、改めて曲を聞き返してみます。以下、感じたことをつらつらと。尚、当方、楽典の知識は皆無故に、半分はポエムな有様です。
2012-07-22 22:06:44★『1.衛星トリフネ』 一曲目。秘封世紀に実在する架空の(ややこしい)人工衛星を指すのかしら。日本の人工衛星って平仮名な印象がありますけれども。
2012-07-22 22:08:25オープニングタイトルに相応しく、壮大な何事かの幕開けを意識させる導入。イメージとしては、宇宙空間を撮影するカメラへ、徐々に映り込む巨大な影。まだ輪郭を明るくするのみのそれは、ところどころ鋭利な反射光を瞬かせながら、ゆっくりと回転し続けている。
2012-07-22 22:09:49それは実物の映像なのか、ホログラフィックか、サイバースペースに再現された3Dモデルなのか。恐らく秘封世紀では、既に人の目に区別が付かない領域に達しているのであろう。宇宙の暗がりと明るさに、二人は何を思うのだろうか。
2012-07-22 22:10:43★『2.トロヤ群の密林』 二曲目。密林というからにはと、暗々とした描写から入る。懐中電灯は、やっと足元を照らすのみ。鳥とも獣ともつかない気配に急き立てられるようにして、奥へ奥へと踏み込んでゆく。分け入る先で待ち受けるものに、一方で浮き浮きとした情動もある。
2012-07-22 22:12:42己の足を速めさせるのは、不安か、それとも期待だろうか。いつの間にか足を速めていた自分に苦笑して、惰性で落とす足音が、やおら強張った。立ち止まるのはまずい、振り向くのは宜しくない、と。求める遺構は、よもや己の足元に口を開けているのではないか。或いは、頭上にでも?
2012-07-22 22:14:23★『3.デザイアドライブ』 三曲目。神霊廟4面道中の楽曲を再録(だったはず)。明るさを感じる曲ではあるけれど、燦々と降り注ぐ陽光には程遠い。青と黄色の光体が、跳ね回りながら洞窟を流れてゆくイメージ。
2012-07-22 22:16:47決して平坦な道のりではない……。ただ、闇の中に残る光の軌跡と、壁にぶつかっては砕け散る粒子を追って、走る。疾走がもたらす高揚感に任せて、後ろめたさを置き去りに。壁面に時折浮かび上がるは、己がかつて通り過ぎてきた驚きや、感動であろう。突き当りは、まだ見えない。
2012-07-22 22:17:53★『4.フェアリー冒険譚』 四曲目。確か、三月精関係の楽曲ではなかったか。冒険譚と銘打たれれど、どんちゃん突き進むといった風情ではない。
2012-07-22 22:20:51足を止めて、息を殺し、そっと辺りを窺ってみれば、それまで見えなかったものが見えてくる。ほんの気紛れな好奇心が、遠大な謎をつつき出す(紐解けるかどうかは別の話だ)。
2012-07-22 22:21:30気付けなかったことと、気付いてしまったこと。どちらが悪戯な妖精の仕業だろう? 見上げる空に星を数える子供達が忘れかけていた思い出を、少女らは語る。衒学を照れ隠しに、少々のペーソスと洒落っ気を添えて。という一景。
2012-07-22 22:22:10確認。『東方三月精 ~ Srange and Bright Nature Deity』3巻付録のCDに収録されていたものらしい。
2012-07-22 22:22:44★『5.天鳥船神社』 五曲目。印象を一言で纏めるとすれば、サイバー神社。神社に関するモチーフ、例えば鳥居の造形なんかは、多少色や質感が変わったところで、判別するのに無理はいらないのではないか。そんな感じ。どこかしら、本編のメニュー曲を髣髴とさせるのは気のせいか。
2012-07-22 22:25:07秘封世紀最新鋭の神社はどんな具合だろう? 自動化された参道に運ばれ、結晶めいて発光する鳥居を潜り、手水舎ではお目出度い色のガスを一吹きされ、拝殿へと掲げた携帯端末から、電子マネーと希望のご利益を送信する。帰り路には、お御籤とお守りとをダウンロードして……。
2012-07-22 22:26:18あいやもっと極端に、ディスプレイ越しにボタンをぽちっとクリックすれば、それで参詣完了しちゃうのかもしれない。電子仕掛けの神様が、140文字の祝詞を受け取っては、事務的に返信しているのかもしれない。
2012-07-22 22:27:01その素っ気なさに満足できないオカルトサークルなんかが、実際に当地を訪れてみれば、そこには……なんちゃって。最早曲の感想じゃないような気もするが、気にしない。
2012-07-22 22:27:35とにかく浮かれっぱなしのはしゃぎっぱなし。不思議が星空を飛んでいる。遅れじとわたくしも重力から解き放たれる。見渡す限りには、好奇心の的がずらり煌めく。引く手数多に瞬かれ、嘲りの声も気にならず。
2012-07-22 22:30:02ただ一つ、朝日の輝きからは目を逸らさなければならない。これが夢の中だということを、自覚してはならないのだ。たちまちの内に失速し、地面に叩き付けられたくないのなら。高く高く飛び過ぎたならば、落差と衝撃は比例する。
2012-07-22 22:30:37