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中小企業のための銀行交渉力向上講座(入門) かけひきテクニック30⑥

税理士という立場で銀行との交渉力をしてきた経験から、中小企業における銀行交渉力アップ法をまとめてみます。第1章は中小企業でも自分でできる「銀行さんとのかけひき」で全30問30答です。 26.融資担当者が「YES」とう言わざるを得ない事業計画書とは? 27.本当に必要なお金の決め方 28.経営上必須の資金繰りのコツとは? 29.銀行組織を知って交渉を有利に 続きを読む
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松波 竜太 @maznami

設備投資は「全額借入」を目指したいところです。設備資金で借入を申込むと、銀行がその「設備投資が適切かを検討してくれる」という副産物がついてきます。相談相手が不足気味な中小企業にとってこれはありがたいことです。また、設備資金では「リース」や「割賦」も検討したいところです。(続

2012-07-22 17:56:06
松波 竜太 @maznami

むしろ、銀行は「銀行借入総額」という枠で一義的には考える傾向がありますので、「リース」や「割賦」を限度額まで使ってから、銀行の「設備資金」を考える方が良いかもしれません。すこし話はそれますが、「リース」と「銀行借入」どちらが得ですか?という質問を受けることが良くあります。(続

2012-07-22 18:00:15
松波 竜太 @maznami

「リースは経費になるから」と、訳の分からない都市伝説がありますが、リースでも借入でもどちらでも経費になります。リースはリース期間の定額で経費になり、借入は固定資産の耐用年数で経費になるだけの話です。リースは税務上の耐用年数の70%(耐用年数によって80%)の期間で組んでも、(続く

2012-07-22 18:02:49
松波 竜太 @maznami

支払ったリース料が経費として認められるので、「早めに経費化できる」場合があります。しかし、耐用年数5年とした場合、定率法の償却率は40%ですから、4年リースの定額法の20%と比べて圧倒的に借入で「定率法」で償却した方が有利です。ただ、リースの場合、動産保険込の場合があります(続く

2012-07-22 18:10:26
松波 竜太 @maznami

金利+返済総額とリース支払総額のどちらが低いかの検討は必要になります。余談ですが、平成20年4月から導入された「リース会計」を導入することで、「営業キャッシュフロー」が大きくなる場合があります。中小企業では「処理が少し面倒」とか「簿外負債をわざわざオンバランス化することで負債(続

2012-07-22 18:15:42
松波 竜太 @maznami

が大きく見える」といった理由から、リース取引に関わる処理を「賃貸借処理(損益計算書に支払リース料勘定があればこの処理)」することが多いと思います。この場合、リース料は「営業キャッシュフロー」から差し引かれることになります。ところが、リース会計を使うことで、購入時に(続

2012-07-22 18:19:42
松波 竜太 @maznami

「リース債務」というという負債科目で処理し、これを返済する場合には、「財務キャッシュフロー」で処理されることになります。同じ支払いなのに会計処理の違いで、「営業キャッシュフロー」か「財務キャッシュフロー」かが分かれるのです。営業キャッシュフローが大きい方が有利ですので、後者の(続

2012-07-22 18:22:45
松波 竜太 @maznami

方が有利になります。「負債が多く計上されてしまう」とはいえ、銀行に「リース債務の残高を提出してください」と言われてしまえば、それまでのことですので、「透明性を高める」という意味でも、「リース債務」を使った処理をお勧めします。最後になりますが、潰れない経営を目指すのであれば、(続

2012-07-22 18:24:43
松波 竜太 @maznami

「当座預金」を持たなければ、余程のことがない限り会社はつぶれません。いま銀行が一番心配しているのが「手形事故」です。銀行がどんなに返済の猶予をしようとも、午後3時の決済期限に手形が飛んでしまえば、どうすることもできません。「期限の利益」を喪失して、一気に倒産への階段を転がり落(続

2012-07-22 18:28:11
松波 竜太 @maznami

ちることになります。逆に「商品に現金を乗っけて売っているのような」本当の赤字経営でない限り、「手形」さえなければ会社を潰す方が難しいのです。特に現金売上のある業種はこの傾向が顕著です。「小切手」だって「振込」に変えてしまえば必要ありません。すぐにというのは難しいかもしれません(続

2012-07-22 18:34:08
松波 竜太 @maznami

が、「支払手形」勘定のある会社は、経営状態の良い内に銀行借入に置き換えていく努力をすることは非常に効果的だと思います。経営状態が悪くなってからは絶対に無理ですので。

2012-07-22 18:36:14
松波 竜太 @maznami

【29.銀行組織を知って交渉を有利に】相手のことを知らずして「かけひき」はできません。ここでは銀行という組織について考えてみましょう。まず、私たちが日頃お付き合いするのは「支店」になります。そして支店を指導・統括しているのが「本店」ということになります。銀行によっては支店(続く

2012-07-22 22:25:53
松波 竜太 @maznami

の上に「支社」があります。「支店・支社」と「本店」との関係ですが、「支店」は一般の事業会社で言う「営業」、「本店」は「本社」に当たります。銀行にもよりけりですが、「本店」で商品を開発して「支店」でそれを売る。という構図になっています。がしかし、本店は「売れ」と言うものの、(続

2012-07-22 22:34:04
松波 竜太 @maznami

「焦げ付きも困る」ので、支店から上がってきた案件を「審査で落とす」という難しい事をやっています。だから、支店にとっては「目の上のたんこぶ」だったりします。更に、色々面倒なのですが、優秀な営業マンは「支店」でも銀行にとっても「花形」です。なので、そこにプライドを持っています。(続く

2012-07-22 22:38:08
松波 竜太 @maznami

ややもすると、「本店」は「営業向きでなかった社員が行くところだ」と考えている社員(営業・支店長)さえいます。ですから、「本店」からの上意下達がすんなりとは行かないのが銀行です。だから、「本店に知合いがいるから、イザとなったら便りにしよう」と思っていると、その通りにならない(続く

2012-07-22 22:42:07
松波 竜太 @maznami

ことがあります。むしろ、頭越しに交渉する事が逆効果の場合すらあります。さらに本店は本店で「エリート」意識がありますから、話がややこしくなります。結論としては(一部の役員を除いては)「本部」にいる知り合いよりも、「支店長」の方がずっと便りになります。また、支店には「序列」(続

2012-07-22 22:48:21
松波 竜太 @maznami

があります。地銀以下では一般的に本部のお膝元の支店が最高序列です。支店長ともなると各種団体の会合や、何かのセレモニーで挨拶したり、時にはテープカットをしたりする顔役だったりします。だいたい、本店から地理的に離れれば離れる程、序列は下がって行きます。ここも交渉のポイントの一つ(続

2012-07-22 22:53:23
松波 竜太 @maznami

ですが、そんな本店お膝元の支店と、本店から離れた支店では「融資姿勢」にも「金利」にも差があります。本店に近い支店には、交渉など応じずとも優良企業が集まっていますから保守的ですが、離れた支店はアグレッシブにやっていかねば、ノルマを達成する事ができませんから積極的です。また、(続

2012-07-22 23:00:44
松波 竜太 @maznami

「都市」の対抗意識がそのまま「支店」の対抗意識になっているということがあります。例えば、「浦和」と「大宮」のような。ここも上手く使いたいところです。それから支店の大小もあります。都市によって大企業の支店が集まる地域と、中小企業が密集している地域。「小さな支店の大きな融資先」(続く

2012-07-22 23:06:06
松波 竜太 @maznami

となるか、「大きな支店の小さな融資先」になるかで、融資姿勢も金利も違ってきます。一度取引した支店は、融資完済後一定期間を経過するまで変えられないので、「やっぱりあっちの支店と付き合っておけば良かったー」と後で分かったところで、「あとの祭り」ですので注意が必要です。では、「大き(続

2012-07-22 23:10:49
松波 竜太 @maznami

な支店」と「小さな支店」、中小企業では「小さな支店の方が中小企業にとっては有利か」というと、一概にそうは言えません。大きな支店の支店長には「大きな支店長決裁枠」、小さな支店の支店長には「小さな支店長決裁枠」となっているからです。ちょっと会社が大きくなって融資額が大きくなると(続く

2012-07-22 23:14:35
松波 竜太 @maznami

「本店稟議」ということになってしまいます。本店の審査部は「ペーパー」のみで審査をするため、支店では「神のみぞ知る」的な扱いになってしまいます。どちらが有利か分からないのはこの為です。さて、本支店の関係を少し離れましょう。銀行は「不正防止」の為に度々「人事異動」を行います。(続く

2012-07-22 23:18:52
松波 竜太 @maznami

そして、支店の支店長には支店の運営に関してかなりの権限が与えられますので、「支店長が変わる」と「銀行が変わった」かの様に、劇的に「融資姿勢」が変わる事がほとんです。ですから、私たちとしては、「いつなんどきアグレッシブな支店長が異動してしまうかもしれない」リスクに備えて、複数の(続

2012-07-22 23:22:00
松波 竜太 @maznami

金融機関と取引をするという防衛策をとる必要があるのです。また、銀行の担当者もずっと「渉外(いわゆる営業マン)」できた人と、「審査」や「回収」から異動になった人では、姿勢に差がありますので、それぞれ柔軟に対応できるように心がけるとともに、いわゆる「合う、合わない」が生ずるのは(続く

2012-07-22 23:27:19
松波 竜太 @maznami

当たり前のことですので、最低限度「合わない」人に当たった時に「キレて」しまわないように注意しましょう。銀行のパソコンの「取引記録」に、そうした「ネガティブ」情報が一度書き込まれてしまうと、結構長い間尾を引く事があります。

2012-07-22 23:29:30