7/30 #同題ssBSR まとめ お題「黄昏」

ヒロト @hiro_kyd

【慶→ねね】黄昏時でもねねを見間違えはしない。柔らかな影から優しい声で俺の名を呼ぶその姿が好きだった。ふと思い出すのもその一時だなんて。どうせなら綺麗な髪も、流麗な仕草も全て思い出せばいい。『―慶次』ああ、分かってるよ。早く進めって、俺自身の訴えだって。/黄昏 #同題ssBSR

ポチッ☆ （九州醤油味） @potistar666

赤焔。橙花。黄昏。緑陰。青嵐。紫怨。足りぬのは『あい』であったと、誰ぞ云う。分かれた天下にかかる橋。<黄昏>#同題ssbsr

閑井嵩 @syusizu

【家康】黄昏の光はこのようなものだったか。光の中に陰を含みながら、優しく、静かに。光はどこまでも明るく、綺羅綺羅と輝いていなければならないと思っていた。この光の暖かさ。俺は知らなかった。<黄昏> #同題ssBSR

かがや @kgy_kkk

【黄昏/吉三】まるで残響のような、抜け殻のような男だと、初めにそう思った。彼が劣情に身を這わすその姿は彼の闇を一層煌めかせ、何よりも彼が酷く儚いものに見えた。「三成、三成は。」変わったな、あの男にそう詰められた時、本当はなにも変わっていないのだなと気づかされた。 #同題ssBSR

ばつま @pine_leaved

【黄昏/武田主従＆謙信】またおあずけですね。そのようじゃのう。静かに得物を収めしっかりと互いを見据えてから、その場を後にする。常に見つめる大きな背中が黄昏に染まっているのを見て、幸村は小さく笑った。いつもの如くどこか残念そうで、嬉しそうだなと。 #同題ssBSR

ひよ子ちゃん @shiotanumauma

【毛利】海を前に日輪が沈んだところから鮮やかな茜色が始まっている。気の早い月球が山の上に、濃紺を背景に浮かびあがった。茜と紺の狭間に白の層がある。ちりちりと日輪が薄く消えていくのを名残惜しみながら、海へ向かって一礼を拝した。【黄昏】 #同題ssBSR

東露 @tooro_banbino

【元親】それは魔が通り過ぎる時刻。すれ違う人々は互いに「誰ぞ、彼は？」と声を掛け合い、魔ではなく人なのだと確認し合ったと言う。・・・ところで俺の隣にいる男は聞くまでもなく魔そのものだと思うのだがどうだろうか。目が合うと「失礼な奴め」と睨まれた。…お見通しか/黄昏 #同題ssBSR

湊 @topa116

【親就】薄暗くぼんやりとした昼と夜の狭間の時間。たしかに人の見分けはつきにくい。黄昏…誰そ彼れ…よく言ったものだ。長曾我部は珍しく真面目に古典の授業を聞いていた。「たとえ視界が暗くても聴覚で嗅覚で触覚で俺は毛利をすぐ見つけるけどな！」そんなことを思いながら。黄昏/#同題ssBSR

ﾅｲﾁ @uzy_com

【学秀半】生徒会室からはグラウンドが一望できる。窓際の秀吉に僕の方ももう良いよと声をかけた、こちらを見た表情が逆光に沈む。夏が終わるのは特別なことではない、三年を走る僕たちには等しく時間がない。「…次は何を目指すか？」引き継ぎの準備を終え、秀吉が微笑した。（黄昏）#同題ssBSR

東露 @tooro_banbino

【親就/黄昏】泊まって行けばいいのに、といつも思う。何かと理由をつけて毛利は自宅へ帰ってしまうのが常だ。が、今日は疲れ果てたのか自分の腕にこてりと頭を預けて眠りこけている。眉間に寄った皺が真剣に眠っているようで可愛らしい。帰したくねーなぁ。黄昏に一人呟く。 #同題ssBSR