ラノベ作家・榊一郎氏によるラノベ質疑応答

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榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

@gross_x0 例えば「親近感」タイプで、主人公を掘り下げる――つまり親近感を抱いてもらう場合、大体はその行動の明確化とモチベーションの定義がキモになります。例えば分かり易い例でいえば、「妹を助ける為に四苦八苦する」とか「自分の居場所を探す」とか。この辺は #sousaku

2012-08-06 22:34:46
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

@gross_x0 程度の差はあれ、誰でもが覚えがある(家族への愛情、思春期の自己肯定その他)から、類推して理解しやすい。戦うのでも、「国家の為に!」という抽象的な対象を掲げるのと、「家族を守る為に」だったら後者の方が普通の人(現代日本の)は馴染みやすい。#sousaku

2012-08-06 22:36:44
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

@gross_x0 その上で、読者が主人公に求めるのは、当初の設定されたモチベーションや信条への「忠実さ」だったりします。ぶれなさ加減というか。これがぶれているキャラクターは、作中での行動が読者の期待を裏切るので、魅力的に見えない。#sousaku

2012-08-06 22:39:00
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

@gross_x0 という事は、「主人公のモチベーションや信条、行動理念を(文中に明示するかどうかはさておき、作者の中で)明確化し、更に発展させる」のが一番の近道と考えます。問題はこの「発展」の部分で、つまりはキャラのオリジナリティ#sousaku

2012-08-06 22:41:28
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

@gross_x0 誰かを守る、のはよくあるパターンですが、じゃあこれを「自分を親の仇と狙う娘」だったりすると、それだけで「え? なんで?」となり、そこからそれを説明する上での紆余曲折が、そのままキャラの特徴になる。勿論この場合には紆余曲折の分だけ枚数くいますが #sousaku

2012-08-06 22:43:27
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

@gross_x0 実はこの紆余曲折は、必ずしも全て語ってしまう必要はない。匂わせるだけでも充分(それが話の本筋でないなら)。例えば先の「自分を親の敵と狙う娘を守る」であれば、主人公に「償い方の分からない罪ってのは重いぜ?」とだけ言わせるだけでも、#sousaku

2012-08-06 22:46:42
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

@gross_x0 何となくのレベルですが、何があったか想像はつきますわな? 誰もが持っている罪悪感とか、そういうのを主人公のモチベーションにして、その上で、お話に絡める。読み手は理解しやすく同情しやすい。逆に言えば、理解して同情できるレベルでの情報があれば充分。#sousaku

2012-08-06 22:48:17
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

@gross_x0 勿論、書き手が考えてないと、効果的な情報の出し方は出来ませんから、本文に出す出さないは別にして、考えてはおかにゃなりませんが(いわゆる裏設定ですね)。#sousaku

2012-08-06 22:49:05
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

@gross_x0 なので、手間暇はかかると想いますが、「主人公のモチベーションを明確化し、遵守させ、その原因を少しひねって思わせぶりに見せられる様な裏設定をつけておく」のが確実な手段。まあ別に一本お話を組む様なもんなので、面倒っちゃ面倒ですが。#sousaku

2012-08-06 22:50:49
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

@gross_x0 これが「憧憬」タイプの主人公の場合は、むしろ「代理行為」というか、「俺TUEEE!」系の爽快感を読者が求めている事が多い――つまり自分が出来ない事を代わりにやってくれる、という部分があります故、それが突き抜けていればいる程に魅力的。#sousaku

2012-08-06 22:52:54
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

@gross_x0 例えば「ヘルシング」のキャラ達なんかはその典型で、自分の欲求に恐ろしく真っ直ぐで、躊躇しない。だから、なんだか、集団生活の中で自分の欲求を我慢している多くの人の憧憬を集める。キャラが破天荒であればあるだけ、代理行為としての爽快感は大きい。#sousaku

2012-08-06 22:54:07
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

@gross_x0 細々と書いていますが、要するに、「読み手が魅力的と感じる感情の動き」を自分の経験から逆算的に考えて、それを「記号化」する事で、枚数を減らす事も可能です。例えば、優しくて格好いい主人公の典型例、川に流される子猫を、飛び込んで助ける少年―― #sousaku

2012-08-06 22:57:11
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

@gross_x0 こいつを特徴的で魅力的に見せるとすれば、他人が言う訳ですよ。「ほら、例えば川に子猫が流されてるとするじゃん。普通の奴はどうするよ?」「どうって」「善人なら助けに飛び込むかもな。でもあいつは違うの」「え?」「川せき止める事から始める」「…………」#sousaku

2012-08-06 22:58:41
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

@gross_x0 「良くも悪くもそれができちゃうんだよ、あいつ。だから厄介なんだよな。いじめられっこ一人救うために、一つの学校を丸ごと燃やしかねないんだわ」 具体的な事は何もしてなくても、これでキャラ性が大体、わかりますよね? #sousaku

2012-08-06 23:00:36
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

@gross_x0 皆が知っている「類例」を使いつつ、それをひねるだけで、キャラの方向性(善人)を示し、ひねった部分で特徴を出す(やり過ぎ)、と。勿論、これは先の、「感情移入・共感」型主人公にも使えまする。まあ、こんな感じですかねえ。細かい事を言い出すと#sousaku

2012-08-06 23:03:19
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

@gross_x0 きりないですが、限られた枚数内でキャラの魅力を掘り下げる場合は、やはりこういう手法が有効かと考えます。#sousaku

2012-08-06 23:04:16
ひさか @hisaka_ellie

@ichiro_sakaki ありがとうございます。一般論としては、筋を複雑にして主人公に当てる枚数を減らすよりは、主人公を掘り下げた方が確実性が高い、ということですね。オリジナリティに欠けると評価シートに書かれ続けているので思い切り筋を複雑にしたのが裏目に出て #sousaku

2012-08-06 23:08:00
ひさか @hisaka_ellie

@ichiro_sakaki 異世界ファンタジーで裏のかきあいの話に主人公の成長も入れようとしたら、筋がごたついて制御にいっぱいいっぱいで、グループ入り乱れる予定が一チーム視点のみになり、主人公の思考も曖昧にしか書けず…の体たらく。ちょっと欲張りすぎました(笑) #sousaku

2012-08-06 23:09:06
ひさか @hisaka_ellie

@ichiro_sakaki こいつが主人公の方がいいと言われたキャラがいて、それを主役にする方が「主人公の条件」に合致しているようで揺れていますが、今の主人公モドキも設定を何とかすればイケそうな気がしてきました。やはりオリジナリティが肝ですね。頑張ります。 #sousaku

2012-08-06 23:09:54
一八三四 @CARAcaraSennpuu

@ichiro_sakaki 同級生(小説も漫画も読みます)がファンタジア大賞のためにラノベを書いているのですが(内容もほぼ決まっています)、文章を組み立てていく上で注意すべきことって何かありますか?よければ教えてください

2012-08-06 22:13:49
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

@CARAcaraSennpuu お待たせしました、すみません。「文章を組み立てていく上で注意すべきこと」ですね。まあこれも細かい事を言い出すときりないのですが、まずは、単純に「これはあなたの事を全然知らない人が読む」という事を意識してください。#sousaku

2012-08-06 23:06:32
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

@CARAcaraSennpuu 特にファンタジア長編小説大賞の為に、という以上、ファンタジーものの可能性もあると想いますが、ファンタジーものというのは、どうしても「誰も見た事がないもの」を作中に出す訳で(異世界であれ超能力であれ)、#sousaku

2012-08-06 23:08:09
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

@CARAcaraSennpuu 一歩間違うと、訳の分からない文章になっている可能性があります。自分では分かっている事を描写するので、つい不親切になるというか。例えばこれは実際にあったタイプの文章ですが、「家に帰ると妹が巨大化していた」というネタの場合に、#sousaku

2012-08-06 23:09:54
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

@CARAcaraSennpuu ついつい、書き手は、物語の設定も筋も理解して書いていますから、さっと書き流しちゃう可能性があるんですよね。「扉を開けるとそこに巨大な妹がいたのだ」――とか。でもそうではなくて。読者に「巨大な妹」というネタに驚いてもらいたければ、#sousaku

2012-08-06 23:11:22