被曝によるがん死亡リスクの増加についてもうちょっと考えてみた

以前リーフレインさんがまとめて下さったまとめhttp://togetter.com/li/321967 のコメントにも書きましたが、ここでの考えたことでどーも自分の中でも不明確な部分があったので、その間違えが何であったかを考え、更にもう少し先まで考えてみました。  で、MAKIRIN1230氏のブログが修正(というか改竄)後も相変わらず間違っているということが別の形で示されたので、それについてもあわせてまとめました。 続きを読む
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地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

結局、死亡者のうちどれくらいが被曝に起因するかをそこそこ見積もることは可能であったとしても、全ての死因のリスク(ハザード)の変化と、それらの比がどのようになるかが最終的な死亡率に対しては影響します。

2012-08-08 22:57:58
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

どれくらいのリスクが発生するかという目安としてはLARや名目リスクの数値は意味があります。しかし、それはここで述べてきたようにあくまで目安に過ぎず、実際に死亡者数がどうなるかという予測には使えません。

2012-08-08 22:58:22
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

ですので、現時点でがんでの死亡率が○○パーセントになる、といった予測自体があまり意味をなさないといってもよいでしょう。

2012-08-08 22:58:09
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

ま、今後きちんと修正されるということを期待して、一応現時点の版の魚拓も取っておきました。http://t.co/dHWFrXW

2012-08-07 22:15:34
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

そして、「被曝起因のがん」を避けるあまり、他のリスクを増大させてしまっては結局のところ逆効果、ということも想定されます。実際、多くの資料が示すように被曝より影響の大きいがんのリスク因子は多数ありますし、それ以外の重篤な疾患に対するリスク因子もあちこちに多数あります。

2012-08-08 22:58:37
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

そういった視点を欠いたところで放射線被曝のみを特権視するのは偏った考えであるでしょうし、だからといってそれを逆に軽視するのもまた、偏った考えでしょう。

2012-08-08 22:58:56
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

私は放射線に対する『正しい怖がり方』があるとは思ってはいませんが、「よりましな怖がり方」はあるかも知れないと思っています。それは人によってある幅を持ったものであり、科学(的思考)が貢献しえるのはその境界を明確化することにあると思っています。

2012-08-08 22:59:12
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

それは単に自然科学だけではなく、人文、社会科学もフル動員した様々な角度からの検討から認識論的に深耕することで、間違った考えを排除していくことが必要です。ついつい人はイデオロギー的認識を優先する傾向がありますが、そこは充分に慎重であるべきだと思います。

2012-08-08 22:59:27
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

まあ、こんな部分は生物統計でも疫学の人でもあまりやりません(疫学で大事なのは実データ扱ってなんぼで、定義ですらない式をこねくり回して予測しても基本的にしょーもない話でしかない場合が多いので)が、その様な部分の知識を得られたのは彼のお陰かもしれませんが(笑)。

2012-08-07 22:16:38
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

それにしてもこのまとめhttp://t.co/tqMkX1Y はクオリティが高いとはいえませんね。誰もこれ読んでわからないでしょうし、Disりコメントで理解が邪魔されるし、冒頭の日本語が(ry 

2012-08-07 22:18:36
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

「ICRP publ.103 用語解説」というタイトルでは彼が書いたものかと勘違いされます。これは、http://t.co/q2lnxwKのコピペなんですかねえ。それとも、一応日本アイソトープ協会で訳したものを上記リンクがコピペしたものなのかは知りませんが、まんま同じ文章です。

2012-08-07 22:19:40
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

少なくとも、他所からの引用であれば出典は書くべきですし、それがいやならちゃんとhttp://t.co/W0FzWpR を引用して和訳を自分で行うべきですね。いずれにしても剽窃とも言える行為です。

2012-08-07 22:20:04

以下は、それでも自説(?)らしきものを振り回してエアリプで粘着を続けるMAKIRIN氏にこちらもエアリプで返したものから、多少役に立ちそうな情報を追加したものです。

地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

で、念のため書いておくけど、http://t.co/sDXRADP0のM(d,e,a)がh1-h0の近似値なんです。式の意味わかっていれば自明にわかると思うんですけどね。

2012-08-10 23:57:25
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

で、LARが計算の簡略化上非被曝群の生存率を使っている、ということわかった?

2012-08-10 23:23:26
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

被曝群の生存率がS(a)だったら「被曝群は常に対照群と同じ生存曲線を示す」ことになりますよ。REIDが出せるんだったら、わざわざその近似値で代用するわけないじゃん。https://t.co/O8YDy8sm

2012-08-11 21:37:40
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

何のためにhttp://t.co/sDXRADP0でわざわざ対照群の癌に関するハザード関数を推定しているのか全く分かっていないんだな。それどころかそれがどこでどのように使われているかもわかっていないのかな?

2012-08-10 23:36:36
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

生涯のEARはELRになるの、決まってんじゃん。EARの定義ちゃんと見直してみな。こんなことまで教わらないとわからないわけ?で、ERR=∫{h1*S(t|d,e)}dt/∫{h0*S(t)}dtになるわけ。一応補足だけど、h0はtの関数、h1はd,t,eの関数だからね。

2012-08-10 23:03:40
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

前にも書いたけど、被曝群、非被曝群それぞれX人ずつの集団に対して、ある死因での死者がd1、d0人のとき、ERR=d1/d0-1、EAR=(d1-d0)/Xと定義するの。こんなのどんな疫学の教科書にも書いてあるんだから、ちゃんと読んでから御託並べな。

2012-08-11 03:07:52
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

ERR,EARは観察期間が同じだから(両群とも生存者がいる時点)総死亡数に差異があるの。対してREID(その近似値としてのLAR))、ELRは両群全員死亡したときの数値だから意味していることが違うんです。

2012-08-11 21:46:02
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

コホート研究の場合、両群全員死亡するまでの期間は当然研究者が何度も代替わりするくらいの長期間にわたるわけです。放射線被曝の様に多数の疾患のリスクに関わる場合、それが完了する前に全ての疾患に対する影響が確定するとは言えない可能性があります。

2012-08-11 21:50:28
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

それらが確定するまでは、S(t,d,e)を正しく推定できないけれど、そんなこと待っていられないから今の時点で確実に影響があると言って差支えないがんに対しては暫定的な値として近似値としてLARで代用する、ということですよ。

2012-08-11 21:55:11
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

LARの方が良い推定値を与えるのなら、LARはREIDの近似値などといった言い訳書かないし、計算の面倒なREIDなんか誰も使いませんよ。

2012-08-12 00:02:29
地下楽師@Ph.D @tonkyo_Vc

それともMAKIRIN氏は、「被曝によりある死因のリスクが高まったらその増加分他の死因のリスクが低減する」とでもいうつもりなのでしょうかねぇ。すごい安全デマですねえ(笑)。

2012-08-11 22:33:03