◆ザ・ヴァーティゴVS地底科学世界◆その2◆
@the_v_njslyr ネンリキだ!ネンリキを使え!それか、互角以上の自信があるなら「話をきけ、キツネ頭!」とか挑発せよ! #njslyr
2012-08-19 18:35:59ウエスギのサーベルがギョーム将軍の兜を一撃で跳ね飛ばした。ウエスギはトドメの斬撃を振り上げかけたところで手を止めた。そして弾かれたようにザ・ヴァーティゴを睨んだ。「何と申したか?」「これだ!」ザ・ヴァーティゴは壊れたポケットから油揚げを取り出し、振って見せた。 41
2012-08-19 18:43:45ウエスギの剣を持たぬ方の手が霞んだ。何かが飛んで来た。一瞬後、ザ・ヴァーティゴは喉元にひやりとした鋼の感触を味わった。ウエスギが正面にいた。その手から伸びるサーベルは白手袋と油揚げを貫通し、さらに、ザ・ヴァーティゴの装束装甲を貫いていた。「……」42
2012-08-19 19:02:41「14へ進め」「……」「何でもない」「……」キツネ・ウエスギは刺突姿勢のままピクリとも動かず、ザ・ヴァーティゴを睨み据えている。もう1インチ切っ先を押し込めば、ザ・ヴァーティゴとて死ぬだろう。 43
2012-08-19 19:07:12「……だが、有難いぜ。殺さないでくれてよ。俺とあんたの仲だもんな」「……」ウエスギは刃を引いて、鞘に戻した。ザ・ヴァーティゴはウエスギに対する侮辱が死を意味する事を、十二分に知っている。そしてウエスギも、ザ・ヴァーティゴがそれを知っているという事を、知っている。44
2012-08-19 19:12:15油揚げ、白手袋がポトポトと地面に落ちた。「まだ許すかどうか決まっておらんぞ」ウエスギは腰に手を当て、冷たく言った。手袋を脱いだ左手は狐の前足めいて、フサフサした毛に覆われている。ザ・ヴァーティゴは息を吐いた。「覚悟も無しにこんな真似しねえよ。あんたが言う事聞かねえから……」45
2012-08-19 19:18:38ウエスギは咳払いして、ギョーム将軍を見た。白髭の武人は剣を地面に下ろし、二人の侵入者を見る。ザ・ヴァーティゴは頷いた。「このギョームは会った事ないギョーム=サンだな」「で?テレパスがどうした。戦うべからずとは?」とウエスギ。「戦う為に呼ばれたのだぞ」「エート、つまりだな……」46
2012-08-19 19:24:57「彼は王家の人間だ。娘がいて、名前はジルベルト=サンだとよ」ギョーム将軍が目を見開いた。「人間?」ウエスギが目を細めた。ザ・ヴァーティゴは腕組みした。「人間、だろ?おかしくないか?火星人って……人間だろ、どう見てもさ」「それはシマウマの……いや……確かにそうだな」 47
2012-08-19 19:32:59「ギョーム将軍!」塔から走り出て来た女性に、その場の全員の視線が集中した。「シュタインウルフガー博士だな」ウエスギが言った。「情報通り、確かに麗しい御婦人だ。人類の敵……人類の。ふうむ」「こんがらがって来たぜ。俺は」ザ・ヴァーティゴは言った。「こいつらの言い分も聞きたい」 48
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