【長瀧重信氏と山下俊一氏のリスコミ経験】⑦
- karitoshi2011
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それでは、今回の本編です。
1【長瀧重信氏と山下俊一氏のリスコミ経験】⑦長崎大のグローバルCOE「放射線健康リスク制御国際戦略拠点」ではリスクコミュニケーションを取り上げ、2009年と10年に講演会や座談会を行いその記録を冊子に。2012年にはその合冊版柴田義貞編『放射線リスクコミュニケーション』刊行。
2012-08-24 14:29:292【長瀧重信氏と山下俊一氏のリスコミ経験】⑦『放射線リスクコミュニケーション』収載の座談会で山下俊一氏は「リスクコミュニケーションのファイナルなゴールは何か」について語っているp417。「原発の場合は安全説明ということも当然あるから、原子力発電所を増やしたいという」
2012-08-24 14:30:103【長瀧氏と山下氏のリスコミ経験】⑦「大きなバイアスが、あるいはそういうものが見え隠れしてくる。それをパブリックがどう理解し、やっぱり原発は必要なんだということにコンセンセンサスをコミュニケーションでどうとっていくのかが非常に大きいと思います」原発のリスコミの困難を指摘しつつ
2012-08-24 14:30:484【長瀧氏と山下氏のリスコミ経験】⑦それを長崎大が引き受けようとの姿勢。原発をめぐり両極化する論議をどう超えていくのか?放射線リスクの世界基準を提供してきた広島・長崎で中立的な評価の組織を作ればよい。広島や長崎が被害者だからこそ信頼できるという事を利用した第三者機関を作ると。
2012-08-24 14:31:515【長瀧氏と山下氏のリスコミ経験】⑦「広島・長崎の被曝をした地域の声を代表して、そういうことをやる研究所を作ることによって、それがひいては第三者的に地域住民に対して、あるいは国民や世界に対して公平な情報を発信できる機関になります」原発推進だが被害者の立場故信頼を得られるとの構想。
2012-08-24 14:32:316【長瀧重信氏と山下俊一氏のリスコミ経験】⑦山下氏は原発推進側に立つからこそこのグローバルCOEの拠点リーダーを託されてきているわけで、原発側でない第三者と主張するのは無理。もちろん日本の原発推進勢力と長崎大は山下氏の見方を組み込んで、長崎大にリスク制御の拠点としようとしてきた。
2012-08-24 14:32:537修正【長瀧氏と山下氏のリスコミ経験】⑦事実山下氏はこの本で原子力開発を押し進めるべきという考えを語ってるp423-4。「原子力の問題が出たときには、昭和20年の10月に書かれた永井隆の原爆救護報告書の最後の一文を述べるようにしています。理由は、永井隆が戦争で200名近い被曝者の
2012-08-24 16:12:018【長瀧氏と山下俊一氏のリスコミ経験】⑦「救護報告書を書いた最後の纏めの結辞のところに、「祖国は敗れた。全てがもう壊滅状態になった」ということを述べた後に、「これは日本人が犯した罪に対する一つの罰である」「日本人は科学というものを軽視したがために科学の力によって原爆というものが」
2012-08-24 14:33:559【長瀧氏と山下氏のリスコミ経験】⑦「「相手国に先に開発されて日本はこういうふうに敗れた」ということを書いています。竹やりでやっても戦争なんか勝てんぞと、であればこそ、この亡くなった方々のためにも、原子力という科学の光、力を利用してより良い世界を作って行くべきだ、ということを
2012-08-24 14:34:2310【長瀧氏と山下氏のリスコミ経験】⑦「彼はその当時既に書いているのです」 これは永井隆が長崎医科大学学長宛に提出した「原子爆弾救護報告書」http://t.co/xbPZ5bBO の末尾を指し、以下のとおり。「すべては終った。祖国は敗れた。吾大学は消滅し吾教室は烏有に帰した。
2012-08-24 14:34:5411【長瀧重信氏と山下俊一氏のリスコミ経験】⑦「余等亦夫々傷き倒れた。住むべき家は焼け、着る物も失われ、家族は死傷した。今更何を云わんやである。唯願う処はかかる悲劇を再び人類が演じたくない。原子爆弾の原理を利用し、これを動力源として、文化に貢献出来る如く更に一層の研究を進めたい。
2012-08-24 14:35:2012【長瀧重信氏と山下俊一氏のリスコミ経験】⑦「転禍為福。世界の文明形態は原子エネルギーの利用により一変するにきまっている。そうして新しい幸福な世界が作られるならば、多数犠牲者の霊も亦慰められるであろう。」山下氏は敗戦直後の永井隆の言葉を、原発推進に都合よく解釈している。
2012-08-24 14:35:4413【長瀧氏と山下氏のリスコミ経験】⑦これから分かるのは、山下氏と他の長崎大の関係者に共有された考え方。原爆被災地であることを背景に平和運動とは切り離して、原発開発に協力し長崎大の発展を目指すという戦略。90年代以降の大学のサバイバル競争と関連。背景にチェルノブイリ支援(続)
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