ピックの定理と円周率近似についての研究

大阪での研究発表の大成功記念にとぅぎゃってみました。
1
𝐒𝐡𝐮𝐐𝐮𝐨𝐜𝐤 @ShuQuock

その1:ピックの定理① まず俺が2年間研究・証明してきたピックの定理について。これは3年の研究にもつながる大事な定理です。ピックの定理とは、「格子多角形の面積は、辺上及び頂点に存在する格子点の個数と内部に存在する格子点の個数から導ける」というもので、S=d/2+i-1と表します。

2012-08-25 20:53:56
𝐒𝐡𝐮𝐐𝐮𝐨𝐜𝐤 @ShuQuock

ピックの定理② 何やら変な言葉を用いましたが、方眼ノートを想像してください。格子点というのは方眼の十字になっている点のことで、格子点を結んで出来る多角形が格子多角形です。まぁ方眼ノート使って図形描けって言われたら十字の点から点へ定規走らせますよね、あれが格子多角形です。

2012-08-25 20:57:15
𝐒𝐡𝐮𝐐𝐮𝐨𝐜𝐤 @ShuQuock

ピックの定理③ 返上及び頂点に存在する格子点とは、定規を走らせた時に通過する格子点のことです。頂点も含みます。その個数を①の式ではdとしています。例えば一辺が1の正方形を描いたならばd=4、一辺が2の正方形を描いたならばd=8となります。

2012-08-25 21:01:35
𝐒𝐡𝐮𝐐𝐮𝐨𝐜𝐤 @ShuQuock

ピックの定理④ 内部に存在する格子点とは、その名の通り直線で囲まれた領域内の格子点の個数を指します。その個数を①の式ではiとしています。前のツイートでの例を挙げれば、一辺が1の正方形内には格子点が存在せずi=0、一辺が2の正方形内には真ん中に格子点が一つでi=1となります。

2012-08-25 21:05:16
𝐒𝐡𝐮𝐐𝐮𝐨𝐜𝐤 @ShuQuock

ピックの定理・証明① イメージを掴んで頂いたところで証明に移ります。ピックの定理には様々な証明がありますが、ここでは領域分割による証明をします。格子多角形を格子点を通る線でぶつ切りにしてみます。格子多角形を格子多角形で分割していくと、最終的にi=0の三角形のみで構成されてきます。

2012-08-25 21:11:48
𝐒𝐡𝐮𝐐𝐮𝐨𝐜𝐤 @ShuQuock

ピックの定理・証明② ここで注目すべきなのは「すべての格子多角形はi=0の三角形のカタマリである」という点です。i=0三角形(以降は格子三角領域と呼びます)の面積が一定であることおよびその面積、格子三角領域の個数さえ分かればカタマリの面積は「△の面積×△の個数」で求められますね。

2012-08-25 21:17:19
𝐒𝐡𝐮𝐐𝐮𝐨𝐜𝐤 @ShuQuock

ピックの定理・証明③ では格子三角領域の面積を求めます。頂点の一つを原点に置き、他二つの頂点の座標をそれぞれ(p,q),(r,s)とします。この時のこの三角形の面積は、ベクトルを用いた公式より|ps-qr|/2です。

2012-08-25 21:21:46
𝐒𝐡𝐮𝐐𝐮𝐨𝐜𝐤 @ShuQuock

ピックの定理・証明④ ここで「格子三角領域はi=0」という定義を用いて、座標を用いたiに関する式をたてます。クッソ長いので省きますが、これを解いてやるとps-qr=1が出てきます。これで先ほどの式より格子三角領域の面積が一定であること、そして面積が1/2であることが導出されます。

2012-08-25 21:26:50
𝐒𝐡𝐮𝐐𝐮𝐨𝐜𝐤 @ShuQuock

ピックの定理・証明⑤ △の面積が分かったので個数を出します。ここでは、出来上がった格子三角領域を格子多角形から取り除いていくという考え方でいきます。格子多角形という名のピザから格子三角領域という名のピースを切り分けて一枚ずつ食っていくような感じです。

2012-08-25 21:30:13
𝐒𝐡𝐮𝐐𝐮𝐨𝐜𝐤 @ShuQuock

ピックの定理・証明⑥ 切り分け方には二種類あります。ひとつは、一辺から内部の点へ直線を二本伸ばす方法。もうひとつは、内部の点お構いなしに二辺をそのまま直線で繋ぐ方法。どちらも直線上で格子点を通過してはいけないのは格子三角領域の定義からわかると思います。

2012-08-25 21:33:42
𝐒𝐡𝐮𝐐𝐮𝐨𝐜𝐤 @ShuQuock

ピックの定理・証明⑦ 一つ目の方法です。出来た三角領域を取り外すと、外部の点は変化なしで、内部の点が外部の点として扱われるようになります。四角形の一辺が凹んで凹五角形になるのをイメージしてください。これを操作A、と呼ぶことにします。

2012-08-25 21:36:39
𝐒𝐡𝐮𝐐𝐮𝐨𝐜𝐤 @ShuQuock

ピックの定理・証明⑧ 二つ目の方法です。出来た三角領域を取り外すと、内部の点は変化なしで、外部の点が一つ減ります。四角形を対角線で切り取って三角形にするのをイメージしてください。これを操作B、と呼ぶことにします。

2012-08-25 21:40:15
𝐒𝐡𝐮𝐐𝐮𝐨𝐜𝐤 @ShuQuock

ピックの定理・証明⑨ 操作は共に一回行うごとに格子三角領域を一つ切り取ります。外部の点と内部の点の状態を(d,i)と表すことにします。まず、操作Aを延々と繰り返します。操作Aとは言うなれば内部の点を外部の点に移す操作ですから、操作Aをi回行えば(d+i,0)という状態となります。

2012-08-25 21:44:46
𝐒𝐡𝐮𝐐𝐮𝐨𝐜𝐤 @ShuQuock

ピックの定理・証明⑩ 次に操作Bを延々と繰り返します。操作Bとは言うなれば外部の点を1づつ減らす操作ですから、操作Bをd+i-3回行えば(d+i,0)は(3,0)となります。これは最後に一つ格子三角領域が残ったことを示します。

2012-08-25 21:47:18
𝐒𝐡𝐮𝐐𝐮𝐨𝐜𝐤 @ShuQuock

ピックの定理・証明⑪ 操作Aをi回、操作Bをd+i-3回行った結果最後に格子三角領域が一個残ったので、この格子多角形はi+(d+i-3)+1個、つまりd+2i-2個の格子三角領域で構成されていたことが導出されます。

2012-08-25 21:49:39
𝐒𝐡𝐮𝐐𝐮𝐨𝐜𝐤 @ShuQuock

ピックの定理・証明⑫ △の面積は全て1/2、△の個数はd+2i-2ということが分かったので、外部にd個の点、内部にi個の点を持つ格子多角形の面積は(d+2i-2)/2、すなわちS=d/2+i-1となり、これでピックの定理の証明は終わりです。ちなみにここまで1年ちょいかかりましたw

2012-08-25 21:53:19
𝐒𝐡𝐮𝐐𝐮𝐨𝐜𝐤 @ShuQuock

ピックの応用① ここからが3年での研究です。円の面積公式S=πr^2から、円周率は円の面積を半径の二乗で割った値となることは分かると思います。もしも半径rを与えることで円に近似する格子多角形の面積が求められれば、円周率の近似も求められるのではないかと考えました。

2012-08-25 22:01:54
𝐒𝐡𝐮𝐐𝐮𝐨𝐜𝐤 @ShuQuock

ピックの応用② 内側から円に近づいてゆく格子多角形を考えます。半径rが1のとき、内部に取れる多角形は一辺√2の正方形となり、面積は2です。2/1^2より、この時のπは2となります。んなわけねーだろ!πは3.14だろ!ってツッコミが入りそうなのでとりあえず半径を増やしてみましょう。

2012-08-25 22:06:28
𝐒𝐡𝐮𝐐𝐮𝐨𝐜𝐤 @ShuQuock

ピックの応用③ 半径rを4にしてみます。この時の内部の多角形はさっきの正方形より若干ふくらみます。この多角形の面積はピックの定理より42、πは42/4^2=2.625となります。まだダメじゃねーか!ってツッコミが来そうですが一応0.625だけ近づいてるやん?このまま行けそうやん?

2012-08-25 22:09:59
𝐒𝐡𝐮𝐐𝐮𝐨𝐜𝐤 @ShuQuock

ピックの応用③ こんな感じで近似していきます。ぶっちゃけ手計算じゃ無理なんでそぢにゃんのプログラムに頼りました。どうしても3.14出したい人は半径767の円描いてみてくださいな面積461808の461808/767^2≒3.140008なんで(´゚д゚)

2012-08-25 22:15:01
𝐒𝐡𝐮𝐐𝐮𝐨𝐜𝐤 @ShuQuock

結果 この近似により求められた最終的な円周率は3.1415608267、精度は99.9995%です。最後に計算された円の半径は36974でした。    以上が俺の研究です、長文ツイート失礼しました。

2012-08-25 22:22:32