作業者および公衆のICRP線量換算係数のデータベース

内部被曝を評価する際に必要となる線量換算係数のデータベースが、ICRPのHP(http://www.icrp.org/page.asp?id=145)よりフリーでダウンロード可能だったので、それに関するメモ。 中身としては過去に公開されたICRP CD1(http://bit.ly/NzcQMY)のVer.3.0に相当する模様。
60

なお、実効線量は各組織の組織荷重係数と等価線量の積の和をとることで評価されます。ICRP1990年勧告の場合、組織荷重係数は以下のように与えられています。

[組織荷重係数]
生殖腺  … 0.20
赤色骨髄 … 0.12
結腸   … 0.12
肺    … 0.12
胃    … 0.12
膀胱   … 0.05
乳房   … 0.05
肝臓   … 0.05
食道   … 0.05
甲状腺  … 0.05
肌    … 0.01
骨表面  … 0.01
残り   … 0.05
(注:ICRP2007年勧告では組織荷重係数が改訂されています)

従って、出力で表示された各組織の等価線量換算係数と実効線量換算係数の間に以下のような関係があることが確認できます。
実効線量換算係数=0.20×(生殖腺(卵巣(Ovaries)or睾丸(Testes)の等価線量換算係数)
    +0.12×(赤色骨髄(Bone marrow (red))の等価線量換算係数)
    +0.12×(結腸(Colon)の等価線量換算係数)
    +0.12×(肺(Lungs)の等価線量換算係数)
    +0.12×(胃(St Wall)の等価線量換算係数)
    +0.05×(膀胱(Bladder Wall)の等価線量換算係数)
    +0.05×(乳房(Breast)の等価線量換算係数)
    +0.05×(肝臓(Liver)の等価線量換算係数)
    +0.05×(甲状腺(Thyroid)の等価線量換算係数)
    +0.05×(食道(Oesophagus)の等価線量換算係数)
    +0.01×(肌(Skin)の等価線量換算係数)
    +0.01×(骨表面(Bone Surface)の等価線量換算係数)
    +0.05×(残り(Remainder)の等価線量換算係数)

補足

Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

ICRP Database of Dose Coefficientsのメモ。メニュー画面上の「Biokinetics」をクリックすると、データが収録されている核種の体内動態モデルに関して調べることもできる http://t.co/QKuI5ng9

2012-09-10 19:50:03
拡大
Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

例えば、Csの体内動態モデル(2コンパートメントモデル)で使用されている、各年齢層の生物学的半減期や各コンパートメントへの配分、といった情報も調べることができる http://t.co/j6aO7nKC

2012-09-10 19:53:50
拡大
Tomohiro ENDO @hyd3nekosuki

別の例として、カリウム(potassium)の体内動態モデルはこのような形。カリウムの場合は、年齢によらず生物学的半減期を30日として、線量換算係数[Sv/Bq]を評価していることが確認できる http://t.co/8CwJQAXw

2012-09-10 19:59:11
拡大