「キョート・ヘル・オン・アース」急「ラスト・スキャッティング・サーフィス」#3
「テンプルの地下には垂直状に牢獄が伸びておりますゆえ、そこに篭られれば、やや少しフーリンカザンが。やや少し」ヴェラーは耳打ちした。「よい」とパーガトリー。「逃げ場はどこにも無し。ワールウインド=サン」「は」「ガスを流し込んで殺せ」「ハイヨロコンデー!」 25
2012-08-25 21:36:59ワールウインドの象徴は、「風」「神」とそれぞれに金で箔押しされた巨大なファンがついたニンジャアーマーである。ビッグニンジャ・クランのニンジャソウルをその身に宿すニンジャであるが、カラテだけでなく、この装置を用いた突風攻撃は実際恐ろしく、並のニンジャであれば接近すら許さない。 26
2012-08-25 21:46:45「ニーズヘグ=サンにはまともな毒が効かん」パーガトリーは言った。「虫めいてしぶといのじゃ。王蛇などと誇りたてておるが、その実、ザザムシやオケラの類いよ。マスタードガスを使え」「は」ワールウインドはカートリッジを交換した「心得まして」「うむ。だが、まずは図書館の掃討よ」 27
2012-08-25 22:00:29ナムサン!マスタード・ガス!読者諸氏の中にご存知の方はおられようか?第一次世界大戦時に用いられたこの糜爛ガスは、空気よりも重く、塹壕に隠れた兵士を惨たらしく虐殺した悪魔兵器!何故そんなものが当時用いられたか?歴史の闇は深い。そして今再びニンジャはこの悪魔兵器を紐解く! 28
2012-08-25 22:12:16「ゆけ!じわりじわりと搾り込むべし!」「「スッゾー!」」クローンヤクザ連隊がホウリュウ・テンプルに一斉突入!KABOOOOM!「アバーッ!」地雷が炸裂!吹き飛んで死ぬ!飛び散る四肢!「愉快愉快!」パーガトリーはどこ吹く風!さらなる連隊が死骸を踏み越え突入!「「スッゾー!」」29
2012-08-25 22:17:59KABOOOOM!「アバーッ!」さらに地雷が炸裂!吹き飛んで死ぬ!飛び散る四肢!「「スッゾー!」」さらなる連隊が死骸を踏み越え突入!「……イヤーッ!」「アバーッ!」「ア、アバーッ!?」「ファハハハハ!」「アバババーッ!?」たちまちテンプル内部からイクサの音が漏れ聞こえる! 30
2012-08-25 22:21:15「始まったな」パーガトリーがセンスで己を扇ぐ。「クローンヤクザでは万に一つも仕留める事はできまい!だがこれでよい。絶え間なく攻め続けい。時折ニンジャを混ぜよ」「は」ヴェラーが頷き、IRC指示を下す。「地下へ押し込み、そののちワールウインド=サンのガスで皆殺しにすべし」 31
2012-08-25 22:26:23ウォルルン!ウォルルン!ワールウインドがモーターを暖めながらズシリズシリと前進する。クローンヤクザがテンプルに吸い込まれてゆく。「イヤーッ!」「アバーッ!」「アバーッ!」「イヤーッ!」そして戦闘音。「休ませるでない。攻める程に乱戦中のアンブッシュ成功率が底上げされるのだ」32
2012-08-25 22:32:33大将の側を離れ、包囲網の前線に立つヘリオンに合流すべく歩みを進めようとしたワールウインドがビクリと震えた。「……」突如、彼は引きつけを起こしたように仰け反った。「アバーッ!?」心臓部から血が噴き出す!「何だ!」ヴェラーがパーガトリーを庇うように立ち、カラテを構えた。 33
2012-08-25 22:37:24ニンジャアーマーの機械装置が鮮血と反応して火花を散らす。バチバチと音が鳴り、ステルスしていたニンジャの姿が露になった。ワールウインドにぴったりと身体をつけ、心臓に暗殺剣を深々と突き立てたニンジャの姿が。「……」ミラーシェードである!彼は暗殺剣を引き抜き、巨体を蹴り倒した。34
2012-08-25 22:41:19「ミラーシェード=サンだと!」ヴェラーがスリケンを投擲!「イヤーッ!」「イヤーッ!」ミラーシェードは側転してこれを回避、さらにバック転を繰り出し、地面に膝をつく!ステルス装束が再び働き、ミラーシェードの姿が透明化する!「イヤーッ!」ヴェラーが次々にスリケンを投擲! 35
2012-08-25 22:43:24「退(の)けい!」パーガトリーが中腰姿勢を取った。たちまちその身体にカラテ粒子が収束!「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」連続で拳を繰り出す!背中から次々にカラテミサイルが分離!ミラーシェードめがけて飛来!炸裂!「グワーッ!」ミラーシェードはバック転のさなか一つを背中に受ける!36
2012-08-25 22:45:22ミラーシェードは受け身を取り着地した。ステルス装束にノイズが走る。背中に受けたダメージだ!「チェラッコラー!」後衛のクローンヤクザが一斉にアサルトライフルを構えた。「イヤーッ!」ミラーシェードは身を翻した。「アバーッ!」放たれたチャクラムがクローンヤクザ五人の首を一度に切断!37
2012-08-25 22:50:40「イヤーッ!」さらに回転!ヴェラーめがけ、そしてパーガトリーめがけチャクラムを放つ!「イヤーッ!」ヴェラーはスリケンをぶつけて勢いを殺し、人差し指を飛来した輪の内側に差し込むと、回して投げ返した。「イヤーッ!」パーガトリーはカラテ粒子を最濃縮、チャクラムを消し飛ばす! 38
2012-08-25 22:54:56その時だ!「ミラーシェード=サン!」飛んで来た声にミラーシェードは頷き、装束の防音機構をアクティブにした。「……遅いが、良し」直後!キィィィィィ!「グワーッ!」ガラスを引っ掻いたような不快な音が恐るべき音量で空気中を満たす!クローンヤクザは悶絶!ニンジャ達も膝をつき苦しむ! 39
2012-08-25 23:00:07それは全く予想外の方向からのエントリーであった。周囲の松の木の枝から回転ジャンプで飛び降り、そのまま短距離走者めいてスプリントしてくるニンジャが怪音の源だ。バンシーである!「グワーッ鼓膜!」「鼓膜グワーッ!」「脳グワーッ!」だがパーガトリーにはカラテバリアでほぼ無効! 40
2012-08-25 23:04:42ミラーシェードも駆け出す。二者はテンプルの入り口めがけ、クローンヤクザ達を蹴散らしながら突進!「コシャクな真似……」前線のヘリオンが振り返りカラテを構えた。その時だ!「イヤーッ!」「アバババーッ!」長柄武器を振り回し、血と臓物の渦を噴き上げ、中から飛び出して来たニンジャ有り!41
2012-08-25 23:15:55「イヤーッ!?」ヘリオンは咄嗟に回転ジャンプで飛び離れる。一瞬遅ければジグザグ刃の穂先がその頭をスイカめいて切断していただろう!「どォーれェー!」テンプル内へ突入した二人のニンジャと入れ違い、片脚立ちで着地したニーズヘグは、その肩にヘビ・ナギナタを背負い構えた! 42
2012-08-25 23:21:44「イヤーッ!?」ヘリオンは咄嗟に回転ジャンプで飛び離れる。一瞬遅ければジグザグ刃の穂先がその頭をスイカめいて切断していただろう!「どォーれェー!」テンプル内へ突入した二人のニンジャと入れ違い、片脚立ちで着地したニーズヘグは、その肩にヘビ・ナギナタを背負い構えた! 42
2012-08-27 11:43:03「ドーモ、ニーズヘグ=サン。パーガトリーです」遠くからパーガトリーがオジギした。「これはまた、立っておるのもやっとのご様子。外様の裏切り者に誑かされ、さらには得体の知れぬヨタモノに敗れ、こうして追い詰められて見苦しく最期を遂げる……見る影も無しとはこの事。涙を誘う」 43
2012-08-27 11:51:58「ははッ」ニーズヘグは笑った。「貴様は変わらずで何よりじゃ。ワシは貴様の事はそう嫌いでは無かったぞ」「おやおや」パーガトリーはセンスをパタパタと動かした。「むさ苦しうてかなわんな。ものども。そこの長虫に引導を渡せ」 44
2012-08-27 12:01:56「ハーッ!」ヘリオンがアイサツした。「ドーモ、ニーズヘグ=サン。ヘリオンです」「ドーモ、ヘリオン=サン。ニーズヘグです」「「スッゾー!」」ヘリオンの左右からクローンヤクザがニーズヘグめがけ突撃!ヘリオンは両拳を天に向け、力を溜めた。己のカラテを一時強化するヤルキ・ジツだ! 45
2012-08-27 12:07:56「イヤーッ!」ニーズヘグがヘビ・ナギナタを二度振り回し、その勢いで跳び上がった。「「アバーッ!」」クローンヤクザの手や頭が無数に宙を飛び、血煙がイクサオニの後を追って噴き上がった。「イヤーッ!」ヤルキ充填したヘリオンは高く回転ジャンプして踵落としを繰り出す! 46
2012-08-27 12:15:59