「教員免許、大学院修了を要件ー中教審答申」のニュースに関連して

教職課程で教鞭を取っていらっしゃる荷方先生(@nikata920)を初めとする、このニュースをお読みになったTLの皆さんの見解をまとめました。
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村山紀昭 @muranori7

理学研究科などの場合は当然修論は要件でしょう。単位取得だけのばあい、修士の学位がないと一般免許は無理でしょうね。RT @karepico: 修士卒という要件に修論の提出は含まれるのでしょうか?単位のみ取得して退学した場合、一般免許状は認められますか?

2012-08-28 23:36:58
@karepico

理工系の院卒を中等教育の教員にさせるとは言っても、そのインセンティブはどこから来るのか。一定以上の偏差値の大学だったら特に、公務員並みの安定性か、何かよほどの強みがなければその選択はしにくいとのではないかという気がするけど。

2012-08-28 23:37:43
@karepico

ということは、研究と両立しうる限りにおいて実習内容を強化するということですか。

2012-08-28 23:38:41
荷方邦夫 @nikata920

@karepico おそらく研究との両立は「あまり考慮されていない」可能性があります。

2012-08-28 23:45:39
@karepico

他業界にも行けるような柔軟性を持った学生を集められるほどの誘引力が教職業界にあるのかどうか。院卒を要件にするならそこは問うたほうがいいと思う、この制度を推し進める側はとっくに議論していることだろうとは思うが

2012-08-28 23:48:20
荷方邦夫 @nikata920

@karepico 現場が大変なこと,そして現場に出たら「完璧でいてほしい」という消費者(保護者とか地位行きとか生徒自身とか)のニーズが,OJTの可能性を潰していしまっています。もちろん,もっと他の黒い理由があるかもしれませんが,そこは...分かりませんが...

2012-08-28 23:08:42
@karepico

現段階であっても、学部卒での民間企業への就職志望者や公務員志望者、あるいは資格職の希望者を教育業界へと誘引するのはあまり容易なことではないように見える。そして、学部の偏差値が上がれば上がるほどその傾向は強くなってしまうと思う。

2012-08-28 23:46:21
Tom Hama @hama2tom

@muranori7 基礎免許をとって他の職業を数年~十数年経験してから大学院に行って教職に採用される人が混じると面白い気もしますが、NHKニュースの中に「早い時期に修士課程を履修し、新たな免許を取得」というのもあって、若いうちの修士取得が前提となっているようなのが少し残念です。

2012-08-28 21:12:15
Tom Hama @hama2tom

@muranori7 アメリカの大学で教育学で修士をとる人は、学部で教育学を学んだ人とは限らないと思うのですが、日本のこの制度の場合は5~6年間を教育学部/院で過ごした人が主流になるわけですよね。他学部で教職をとった人がいるにせよ、さらに教師のタコツボ化が進むような気もします。

2012-08-28 20:37:50
荷方邦夫 @nikata920

@karepico 学科の専門性を見込んだ資格には既に「専修免許状」があります。それでいいなら原稿の制度で専修免許取得者を優遇すれば良い話だったのですが,このシステムは「それとは違う目的や意図がある」ということになるでしょう。

2012-08-28 23:44:06
@karepico

@nikata920 その専修免許状との扱いの違いは確かに気になっていました。先の方の説明では臨床心理士モデルではないということだったので、TESOLのような研究に関連して付随的に取得できる専門職学位ということなのでしょうか。

2012-08-29 00:11:45
荷方邦夫 @nikata920

@karepico なんとも言えない部分ではありますが,どちらでもない気がします。今回の決定に至るまでの議論には「オン・ザ・ジョブ・トレーニングでは限界がある」という主張が結構あるのです。しかし専門職大学院としての位置づけもあやふやです。

2012-08-29 00:17:10
荷方邦夫 @nikata920

@karepico 長い説明をします。もちろんこれは公式なステートメントとは全く違うことを了解ください。教職大学院の背景には,「教員の質が低い」と思われていることがあります。教育学部出身程度の能力では教師として大したことはなかろうという「バイアス」です。(続く)

2012-08-28 23:48:15
荷方邦夫 @nikata920

(承前)教員の不祥事や不良品質が問題になる度に,少しでも質の高い教員を確保したい。その結果が教職大学院です。もっとみっちり教育すれば良い教員は得られる,という前提です。この前提がどれだけ正しいかは現在では取り扱わないことにします。(続く)

2012-08-28 23:49:36
荷方邦夫 @nikata920

(承前)この時重視されるのは「すぐに現場で役立つノウ・ハウを身につけた状態で現場に来てもらう」です。OJTではこれは難しい。だから大学院ということになります。また,教員になった人に沢山研修をさせるのは,経済的にも不利益だとも言えます。(続く)

2012-08-28 23:51:54
荷方邦夫 @nikata920

(承前)その点大学院なら,学生がお金を払って学ぶのですから,教員養成にかかる行政の負担はOJTよりうんと安くなることになります(実際にそうかはまた別の問題ですが)。行政担当者にとってはこれは比較的「魅力的」に映るかもしれません。(まだまだ続く)

2012-08-28 23:54:20
荷方邦夫 @nikata920

(まだまだ)さて,今回の教員養成6年制は,かなり長い期間「実習」をおこなうことになっています。これまでの教育実習と違い,いきなり講師として現場に立つ「非常勤講師」くらいのボリュームがあります。場合によっては,そういう「使える非正規の『先生』」が現場にたくさん来るのです。(さらに)

2012-08-28 23:56:24
荷方邦夫 @nikata920

(も1つ)日本の公教育のもう一つの問題として,教員の高齢化や少子化による教員の補充の不安定さがあります。正規教員でとっても少子化で余りかねない。でも現時点では教員が要る。正規教員ではなく『講師』で教壇に立つ先生も少なくない。財政も圧迫するし立場もちからも不安定です(最後か?)

2012-08-28 23:58:43
荷方邦夫 @nikata920

(承前)これは私の「憶測」ですが,半年や一年という長期間にわたって,教職大学院の学生が現場に来ることは,こういう「人事」の問題も一方で解決する可能性を持っています。しかも財政を圧迫せず。

2012-08-29 00:00:37
荷方邦夫 @nikata920

これらの問題は,一教職課程の教員にはもう想像のつかない世界です。どこまでが夢想か,どこが「大人の本音」か。ただ,高度に複雑な要素がこの問題に関わっているのは確かなように思います。このあたりは朝日新聞紙上の私の意見が参考ですhttp://t.co/nueMEMOE

2012-08-29 00:03:55